ラブドラマと自分の境界線

新ドラマのシーズンとなりました。

最近、1話で「もう無理」と思うことが多いです。
何かすごい過敏になっちゃったみたいで。
とりわけ境界線の問題。恋愛への過程。

例えば「ロマンス暴風域」
例えば「雪女と蟹を食う」
そして「プリズム」

NHKの「プリズム」は、予告編から期待大でした。
杉咲花ちゃんにすぐ掴まれる。
相手役が、今までほとんどお目にかけなかった藤原季節さんと。
演技がうまいんだか棒読みなんだか、でも表情が切ない。
しかし1話見終えて「はやっ!!」と思った。
あっという間に恋に落ち(初デートで)、すぐキス。ベッドイン。はや〜。

この男女の展開の早さにすごい敏感になってしまった。

「ロマンス暴風域」の主役は渡辺大知さん。
結婚を意識し始めた私立高校の教師で、マッチングアプリでもなかなかマッチングしない。
そして風俗に通い始め、とある嬢に強く惹かれる男の恋物語。
ラブシーンの濃厚さはさすがテレ東深夜枠ですが、今までにない嫌悪感を抱いてしまったんですよね。
ドラマの問題なのか時代の問題なのか。
でも私の問題とは思う。

ラブホが舞台ということで、キスシーンはいつもピンクがかっている。
1話ではキスのみだったけど、2話以降どんなラブシーンがくるかわからない。
それを見届けるのがなんか怖いと思っちゃったんですよね。
演技とはいえ男性の興奮を見るのが怖いというか気持ち悪いというか、なんで見なくちゃならないんだろうとまで思った。
やっぱ時代性に敏感になってるのかな。
「恋のツキ」は楽しめたんだけど。
ストーリーが苦手というのもあるけどね。
嬢を演じた女性はこれまたお初にお目にかかる方でとても魅力的なんだけど、あざてぇーっていうゾワゾワはある。

風俗嬢・せりか役の工藤遥さん。
乃木坂タイプだけど元ハロプロの方。

(写真はロマンス暴風域HPより)

いかにもテレ東っぽい性的逃避行劇が始まりそうでワクワクもするけど、毎週録画は止めた。

 

もっと胃をえぐられるくらい嫌悪が沸き立ってしまったのが「雪女と蟹を食う」


(写真は雪女と蟹を食うHPより)

HP画像からもすでに不穏なものがにじんでますが、1話は想像どおりですね。

ただ冒頭10分くらいあろうかという重岡さんの自殺企図シーンはかなりつらかった。
もう見れない・無理…と思うほど、まずここで胃をえぐられましたね。
それだけ重岡さんがうまいということですが、昨今のいろんな事情からしてももっと配慮して欲しかった。
ま、配慮しないのがテレ東の良さでもありそうだけど。

人生に絶望した重岡さんはこのあと思い切った行動に出るんだけど、入山法子さんから自分が望む以上のことをもたらされる。まぁ「私を好きにして」ってことです。
その機会は一度だけじゃない。ピンクがかったホテルでも。
重岡さんも入山さんも本当に魅力的。だけど胃がツーンとなるようなつらさ。これはなんだろう。

たぶん、「寂しい男女が互いの存在で穴を埋めようとする」という描写が見てて苦しいのかも。
しかもドラマじゃ、寂しいほどうまく事が進む。
ま、1話ならではの都合よすぎる展開とも言えます。だいたい2話で「そうはうまくいかねぇ」って壁にぶつかりますがね。

あと何より「男に都合よすぎる展開」ってこと。
しかも性にダイレクトに関わる。
この手のストーリーを見ると、「女性って本当こんなん?」ってイラっとくる。
境界線をたやすく破られて、ありがたがるような女。
女は寂しいから、「さらってほしい」もしくは「人生を変えてほしい」と願う。
そんな女がこの世には多くいる。いやいやいやいや!!

とか言いながら、私にもそれを望む時代はあった気がする。
誰かに人生を変えてもらいたい(特に男に)、そういう時代。そのときの苦しさを思い起こしてつらくなるのかもしれない。

 

NHK「プリズム」には、さすがにピンクがかった描写ないっす!今のところね。
いや、今後もないはず。

杉咲花さんの演技は本当に心に沁みますね。
声優の夢を追いかける内気女子。
園芸店でテラリウムを作るバイトをしている。接客は苦手。


(写真は「クランクイン」より)

杉咲さん演じる皐月がまた心に寂しさを抱えてます。
同居する友達(石井杏奈)は声優オーディションに受かった。自分は落ちた。
父と母が離婚したのは父の心変わり。相手は男性。
父はその彼と同棲中。それを受け入れられない皐月。

多忙になった石橋さんの代わりの草むしりバイト先で出会うのが藤原季節さん。実は園芸店によく来る客。皐月の作ったテラリウムをいつも眺めてた。
その藤原さん勤めるガーデニング店で、大事な植物までむしり取ってしまった杉咲さんは藤原さんに嫌味たっぷり叱られる。
すげぇムカついたけど、言われたことは図星だったので前回の適当さ挽回に頑張る杉咲さんと、その頑張りに胸を打たれた藤原さんの恋物語。ここに森山未來さんや寛一郎さんが絡んで今後いろいろねじれるんだと思う。

全体的に丁寧で優しげなドラマです。
なのにモヤモヤしたのはなぜか。
やっぱ境界線のあたりに過敏になってるのかも。藤原さんが杉咲さんの境界を突き破る。
怒った取引先として、良き友人として、男として。
これが1話に詰まってるスピーディーさがつらかった。ドラマなんだけどさ。
モラハラチックな男にその後恋をするという話は、平成までは珍しくなかった。
「なんなの!?ムカつく!」って女がむくれつつ頬を染める描写は無数にありましたからね。
初デートであっという間に恋に落ち、その日のうちにベッドイン描写もたくさん見てきたし、出会ったばかりの人の人生問題に立ち入るようなグイグイ描写も珍しくない。

なのにモヤってしまったのは、藤原さんと杉咲さんの上下関係を感じてしまったからかも。役でね。
藤原さんが終始上の立場で、口調とかもちょっと上から。それが藤原さんの不器用さとも言えなくもないけど、杉咲さんは良くも悪くも振り回される。
「この人怖そうだったけど、いい人だ…」って感じる過程もすごく丁寧に作られてるのにね、私は自分を重ねて見ている。
心が弱ってるときに「境界線を破ってほしい」と強く望んでも、リアルだとそれは大抵かなわない。
かなわなくてよかったと今でこそ思えるけど、言葉や行動力の強い人に「人生を引っ張ってほしい」とすがるような気持ちになったことはある。
ドラマの中の皐月にそのころの危うさを感じた。
皐月だけじゃない。ロマンスも雪女も、女たちは実に危うい。
そこまで踏み込ませんなよ!とドラマの女たちに率直に思ったんですよね。
それでも皐月には、実に健全に成長していきそうな安心感がある。
だからこのドラマは見続けます!

女がイケメンに触れられて恋みたいにドキッとする描写とか、もう無理。
イケメンなら許せる、とかいうのが女の前提になってるのが怒り。危ないとすら思っちゃう。
あと「強引なほうがいいだろ?(ドラマチックで)」みたいなやつ。
松本若菜さんの新ドラマ「復讐の未亡人」(テレ東)も見ましたが、夫を自殺に追いやった上司(松尾諭)に復讐するために会社に忍び込んで、松尾さんの愛人に成りすますんですよね。
嫌われ者のパワハラ上司と濃厚な性シーン。
テレ東っぽいおもしろさはもちろんある。だから2話目以降も見ますがね。復讐に燃えるほど夫を愛した人が、敵に体を明け渡しますかね?というところの気持ち悪さというかさ。そんなこと言ったらなんのドラマも見れねーという話ですが、女ってそんなんじゃないはず!と今あらためて思いたい気持ちが強まってる。

 

さっき「六本木クラス」第2話見ました。
平手友梨奈さんすごい素敵だった!鈴鹿さんとのコンビも合ってますね。
「梨泰院クラス」でもあった、スアの「うち泊まる?」というあの誘い。竹内涼真さん演じる新は断るんですよね。この健全さですよ!!
セロイも新も一瞬迷ったかわからない。
スアとの距離感・言ってもまだそんなに一緒に過ごしてない(出所したばかりだし…)というところが心に左右したか?とか、そうじゃないかもだけど、「俺、まだ金持ちになってないから」というとこの「流されなさ」がすんごい健全と思ったんですよね。これは日本オリジナルじゃ生まれない距離感かもしれない。
韓流の人気ドラマってこのへんの境界線がすごく大事にされてると思う。
ま、「愛の不時着」では1話のラストで2人がぐっと接近してユン・セリがどぎまぎしてましたけどね。私を守ってくれたどぎまぎ。
「軍人だからいいっしょ」というギリ感まで韓国では配慮されてたかわかりませんが、配慮されてたかもね、と感じられるような丁寧さは随所に見られました。
キスこそ早々にしてたけど、体の関係はまだないだろうねと感じられる安心感が最後まであった。

これまでたくさんの恋愛ドラマを見てきて、自分はラブシーンをどう見てたっけ?というのは案外思い出せないもんで。
2人がくっついて「やったー!」と思ったか、くっつかない2人にイラついてたか。
性シーン無しかよ!というがっかりより、ないならないでホッとしてた気がするんですよね。
「うきわ」とか、濃厚な絡み合いいかにもありそうで全然なかったのがすごいよかった。2人の視線だけでゾクゾクしたんですよ。
ただ、門脇麦ちゃんの役がこれまた心に隙間風吹くあざとい主婦だったので最初はモヤモヤしてた。
しかし森山直太朗さんが優しかった…!何とか境界を乗り越えようとする麦ちゃんをいつも紳士的に押しとどめてましたっけね。
寂しげな女を振り回したりもしません。最後の最後まで麦ちゃんを尊重していた。
肌を触れ合うことは必ずしも相手を思うことではない。
その逆!が令和のスタンダードと思う。大事だからこそ、越えない。

1話じゃ何にもわかんないと言える。
そこで脱落を決めるのはもったいない話ではあるんだけど。
私は心を大事にすることに決めたんですよ。
耐えすぎない。どんな小さな場面でも。

 

 

 

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