「獣でなぜ悪い」

リュックに荷物パンパンに詰まってる。
その中には読みかけの本があって。
何よりあと10分で職場に戻らなきゃいけない。
そんなときに限って、惹かれる本に出会ってしまう。
それが園子温「獣でなぜ悪い」。

 

私は一度、本屋を出たのです。
急がなくちゃ!と。
帰ってからamazonで注文すりゃぁいいこと。

…しかし!引き返して大急ぎでお会計・購入。

結局私はミーハーなのです。
園子温監督と吉高由里子、満島ひかりとの出会いとくりゃ、知ってるようなエピソードでもまだ詳しく知りたい。
「紀子の食卓」オーデイションに北川景子も沢尻エリカも来てたと書かれてれば、マジですか!と立ち読みも真剣になってしまう。
スタッフはみんな沢尻推しで、なのになぜ園監督は吉高由里子で押し切ったのか。
「愛のむきだし」は当初、ヨーコ・吉高、コイケ・満島でいこうとしてた!?

そこでいったんは書棚に戻して、店を出たのだけど、やっぱ今日知りたい!
だいたい、出だしからもう惹かれてたんだ。

気がつけば、女が主人公の映画ばかり撮っている。

この本は「女」と「自由」がベースにある本と言えます。
「女」は、ほかに二階堂ふみ、清野菜名、菊地凛子、そして園監督の妻である神楽坂恵との出会いや、園監督のお母様の話まで。
それは興味深いことだらけ。

園監督の本は「非道に生きる」も読みましたが、畏れ多いことながらそのときも「同じだ」「これでいいんだ」と。今回もまた思ったのです。
新しいカルチャーをもうあんまり取り入れたくないし、「わからない」と思うことばかりの人気者や流行り、自分のアンテナが狂ってんのかな…と思っていたけど、それでよかったのだ!と。
園監督、何より「女」への期待が高い。
女の潜在的なものへの期待。
日本の女はもっと自由であるべきだと、当の女より願ってる。

「人と違う中身で勝負する」
もうこの見出しだけでグッとくる。
「小さくてかわいい」
日本の女性は本当にそれでいいの?

数年前に知り合いに言われて忘れられない一言。
「そんなに勉強ばっかしてたら、男の人誰も寄ってこなくなっちゃうよ」

バっ…バカバカ!!
一体誰がバカなのか、自分なのか知り合いなのか男なのか。
カッと顔を上気させることしかできなかった、あのとき。
園監督は、透明な檻の中で思考を止めてしまうムードに苛立ちをあらわにする。
「考えないことは隷属だ」

自分が見てきたこと、自分なりに考えて述べてみたり・自分の言葉で記したり。
私は時に孤独になろうともそうしたかったのだし、隷属だなんて絶対嫌だった。
人と同じ何かに乗っかってれば安心だけど。
警戒心も猜疑心も自分で嫌になるけどさ、「この流れは好きじゃない」って感じててたこと、園監督も同じこと言ってるように思えたなら、なんともほっとして。

園監督は自身の性のことについてもオープンで、「恋」だったのは初恋のミツコさんだけ、45歳までミツコさんとの妄想で自慰行為という話は、ひくどころか「わかる」と思ってしまった。
奇才とまで言われる人の、こういう「しょーもな」っていうエピソードがすごく好き。たぶん救われるからだと思う。
それに「しょーもな」ってのは表面の感想で、実は感動してたりすることに正直になってみたい。

本屋とか本に絶望してた。
でもこういう「出会い」があるのですね。
それが異性だったらもっといいけどね。
「映画は見るな。古典を読め」
とか、まんまと突き動かされちゃって。
園監督推薦の「カラマーゾフの兄弟」を早速本屋で探したら、1巻が分厚くて上中下3巻セット。
いやぁ、もうちょっと読みやすいのを…
でもいろいろ閉ざしたり回帰してる今に、ぴったりなのかもしれないです。
ちょっと、書かずにはいられない興奮を味わったのでした。

 

 

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