め組の喧嘩inしたコメ

したまちコメディ映画祭というものが、毎年台東区で開かれていて。
今その時期です。

これまであんまり縁がなかったんだけど、中村勘三郎さん主演「め組の喧嘩」が上映されると知ってチケット情報サイトへ!
が、売り切れ!
が、が!!
台東区の新聞で「応募者には抽選で招待します」という案内を見つけてハガキ出して賭けてみました。

見事当選~!!

エンタメ運が我ながらいいと思うのですよ。
いろんなお芝居のチケットもらえたりとか。
5室だろうな。
恋愛じゃなくて、エンタメ運だろうな。

上映直前に、はっぴ姿のいとうせいこうさんが現れただけでもう興奮しました。
「上映後には勘九郎丈と七之助丈のトークショーがありますんで」
って聞いてますます興奮!

そして上演「め組の喧嘩」

勘三郎さん演じる辰五郎はめ組・つまり町火消しの鳶頭。
武家お抱えの力士と火消しの若い衆が喧嘩に発展したのを、最初は止めた辰五郎。
けど、頭を下げたのをいいことに力士に鳶職を見下され、内心憤怒。
しまいには火消し衆×力士衆で命がけの喧嘩をするというお芝居。

もうやはり勘三郎さんです。

会いたかった、勘三郎さん…。
躍動している、スクリーンの中で。

平成中村座でのこの演目が、最後のお芝居だったそうです。
そういえばドキュメンタリーでもこのめ組の舞台裏やってた。
すごく楽しそうだったけど、体がとてもつらそうだったのはこのときだったかな、もう少し前だったかな。

勘三郎さんといえば「目」だと思うのです。

以前にも記事にしたことありました。
→「愛らしいお方。

目で「粋」を表現してくれる。
粋とかわかんなかった私でも、それがどういうものか瞬時に理解させてくれる。
粋だねぇ、いなせだねぇ~って言いたくなる不思議さ!

正直、歌舞伎のセリフというのは何を言ってるのかよくわかりません。
英語のリスニング試験受けてるような感じ。
なんとなくこういうこと?って雰囲気だけつかんで観てました。
でもそれもまた勘三郎さんの「きっっ」とした目で、今キモなのかなって感じられる。
よく見れば涙を浮かべているらしい。
兄貴がかけてくれた言葉は、大事な言葉だったらしい…。

理解度のあいまいさ。。
でもそんなんでも感動させてくるのですよ、勘三郎さんは!
あと勘三郎さんの奥さん役・中村扇雀さんのキップのよさと女らしさにもまた泣けました。
江戸風・気の強さがまぁかっこいいし色気だし。
私もああいう女房でありたい、なんて参考にしたくなるとこばかり。

水を口に含んだあと、そっと手で口元をぬぐう仕草。
これは勘三郎さんもそうだったけど、江戸の人の仕草がいちいちカッコいいです。
勘三郎さんは実はスタイルがそんなに良い方ではない。
スタイルっていったらやっぱりご子息の勘九郎さんです。
まぁ男前で、前に出られた途端に舞台がパーっと華やかになる。

ただそれでも、すらっとしてないからこその色気を知る。

とにかく手も足の動きも見事です。
「行くぞ!」
って号令かけるときの、あの手の動きはなんて言うのだろう。
超高速で梵字みたいのを描くような、日本流十字切るような。
こんな初心者にすら「すごい!」と感動させるわかりやすさがなんたってすごい。
それが勘三郎さんでした。

子役の子がまた胸を打ちます。
「一緒に連れてってくれなきゃ嫌だ!」
勘三郎さんも子役のお芝居に大仰に合わせて、子どもが全力出してるみたいに「おっとっと」って反り返る。
「ちゃん(父)をいじめちゃ、いやだいやだ!」
眉毛を上げ下げする勘三郎さん。
泣ける…。

どこが本当の泣きどころだったかはわかんないんだけど、辰五郎が力士への仕返しに「実は乗り気だった」「時を待っていた」って明かすところからどんどん舞台の勢いが増してって、涙こらえるのに必死でした。

若い衆が軽やかに屋敷の屋根に登って、瓦を下に落として力士やっつける痛快さ。
こんな明るいシーンでついに落涙。
楽しすぎて涙が出るってあるのですね。
笑い涙じゃない、こんな痛快なお芝居を見せてくれてるということの献身さに泣いたのかな。
勘三郎さんがもういない、ということはもちろん切ないけども、演じる側もなんて楽しそうなんだろうということにも圧倒されて。

命磨り減らしてでも見せる表現は、刺さるほどの強烈さをこちらにも残すのですね。
あの日リアルで観た平成中村座での勘三郎さんの色気は、まだ鼻腔に残ってると言える。
こんなにも”生きている”人が、あっという間にいなくなってしまったその喪失は、もうどうにかしても埋められない。
びっくりしました。
勘三郎さんを失ってますます私の中で大きくなる幻想だと思っていたものが、幻想でもなんでもなく、やっぱりあまりに大きく華やかで、お祭り好き・神輿好き:派手好きの浅草とぴったりマッチしていることが嬉しかったなぁ。

トークショーでせいこうさんが「浅草からのプレゼントです」と言ったのは、なんと本物のお神輿が浅草公会堂の前にいま待機していると!
警察も申請不要とかって目をつぶってくれて?数メートルお神輿担ぐために町の衆が今100人ほど下で待ってますからと。
みんな仕事そっちのけで。

「浅草の人、本当バカですね!」

勘九郎さんが言って大盛り上がり。
いや、本当そう思う。
年中祭りのことばっか考えてて、仕事してんだかよくわかんないセーターの親父が、祭りになるとむっちゃかっこいいはっぴふんどし姿で我が物顔。
そんでやっぱ主役は親父なんですよ。
スタイルのいい若者じゃなくって。
だからそういうところまで勘三郎さんは追求したのかな。
でっぷりお腹丸いような親父のかっこよさは、まさにそのとおりっていうあたりまで。

このめ組の喧嘩最後で、実際に本物のお神輿登場してるのです。
中村屋の舞台奥ぶちぬいて、スカイツリーバックに派手な出現、なんてことが実現しちゃうとは。
そのすごい仕掛けのゆえんは、町内会長さんとか老舗扇屋さんのご主人のご尽力だそうです。
まだちっちゃい七緒八くんも勘三郎さんに抱かれて出てきて、スクリーンのこっち側でも大盛り上がり。

中村屋っ!!
とかって、どんどん声かけちゃってくださいってせいこうさん言ってたけど、本当にかけた人いたかな。
いたっぽいな。

浅草公会堂前の勘九郎さんと七之助さんは、さすが浅草のお練りもこなされているだけあって、笑顔とかシャッターチャンスのサービス精神旺盛でしたよ。

 

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