2021年の逃げ恥と正月

逃げ恥スペシャルは現代社会の問題がてんこ盛りでしたね。

私はやはり百合ちゃんに見入ってしまいました。
百合ちゃんのがん告知の付き添い。
みくりはつわりが重く、妹も体調がよくない。パートナーの風見とも破局し、「だから結婚しといたほうがよかったんだよ」と言いかねない甥には頼りたくない。独身者の病気は孤独なのですね。
私も百合ちゃんのように、「その時々」で対応してくれる人を見つけるんだと思う。

もうちょっと百合ちゃんのその後の体調のこと見たかったけど、「今はお酒もバンバン飲んでるわ」ってセリフで完全復活を印象づけるという、独身者はドラマの中でもタフでなきゃいけません。
ま、今回はみくりの出産物語がメインでしたからね。

今回の逃げ恥で一番ひっかったのが平匡のセリフ、「仕事も育児も家事もしてる女性ってどうやって回してるんだろう…」、こんな感じのこと。
みくりが妊娠すると、つわりやだるさで片付けも日用品補充もままならなくなり、残業続きの平匡に家事が重くのしかかる。帰ってからあれこれやるの無理!と平匡。で、家の中は荒れ放題で心もすさむ、そんな折のセリフ。女性はどうやって…私はこの答えを知っている。
それは「奴隷脳ならできる」ということ。
女が家庭のあれこれを一気にこなしてる時というのは奴隷脳のはずです。
もしくは「でもやるんだよ脳」。自分がやるしかないと受け入れてる脳、奴隷脳に切り替えられる脳。

 

この年末は10年ぶりくらいに実家全部屋の掃除に取りかかりました。1人で。
おせちは姉が注文してくれたので、その分今年はやれそうだなと、一気に。
80代の母は新年の準備態勢。兄は12月に盲腸の手術をしたので、兄に期待をかけなかったのもしゃかりきになれた理由のひとつです。

一気にこなせた満足感は正月も引きずってました。
兄にはせめて自分の皿洗いはお願いした。そしたらば!
本当に自分の皿だけ洗って、流しにあった菜箸や味見小皿は放置…!
ま、お茶は入れてくれて…ないだろなーとは思ってたけど、居間でやっぱり寝転んでた。それでも!!
今年は怒りが沸かなかったのです。
なぜなら「こなした」という満足感が高かったから。
私はこのとき本当の奴隷になった気がしました。
本当の奴隷は評価なんか求めません。任務を遂行しおえたことに一人悦に入っている…主婦の実態を見た気がしましたよ。
主婦はいちいち家事アピールなんてしない。それは「当たり前」という名の愛だと思ってたけど、違うんじゃないかな。「やったった」「デキる私」の満足感が人を寡黙にさせるんじゃないだろか。
そうすると男はまた調子に乗り、至極当然の主人脳になってしまうんだけど。
えっ?「やってほしいなら言えよ」ですか。
デザート食べたあとも兄に頼んでみました、「お皿洗ってほしいな♡」とおねだりモードで。
そしたら3人分の皿洗ってくれた。「やった!嬉しい!」なんて大げさに喜んじゃったよ…。
皿洗いさせてもまだ主人扱いしてしまうという染みついたマインドです。
もしこれが姉だったら、10個上の姉でも「今度は私がやるよ」と言ってくれる。「そっちも洗うよ」なんて言われたら申し訳なくて、よし、次は私が絶対やるぞと誓う。それが女同士。
道にタバコの吸い殻捨てるのも、男は(全部が男じゃないとはいえ9割は堅いはず)「誰かが片付ける」と思ってるからできるんだと思う。誰かって誰?それは俺じゃねぇ。「俺」より下の誰かなんでしょうね。それはいつも母親とか嫁にお世話されて生きてきた名残というか本能というのか。

男が普通に「できない」と思うのは奴隷脳に切り替えられないからでしょうね。
平匡とて「子育て、全力で”サポート”します!」って言うくらいだから。
「全力」がつけばなんでもOKと思ってる。でもみくりは全力になびかない女。サポートって何?と。そりゃそーだ!

みくりから頼まれたトイレットペーパー購入に残業後奔走してた平匡だけど、そもそも日々トイレ使ってんだから、残量に気付けよって話です。
あんなに部屋が荒れてたら、いろんなことに気が回らなくなってるみくりの先回りをそろそろしてもいい頃。
もちろん漫画とはいっても漫画の世界だけじゃないはずで。先回りするんだよ!奴隷は!怒られないために!
「気が利く女性ってなんて素晴らしい!」という称賛をいまさら求めちゃいないけど、なんかもうミッションとしてやってんでしょうね。社会で能力を発揮しきれてない女性ほど、伸びしろがすごいのですから。2手3手、4手5手先まで見越してる。だから回せてんだよという女性はとても多いと思われます。

しかし思えば平匡は家事代行を頼むような男です。
自分で掃除しやすいコンパクトな物件を選ばなかったやつ。
もちろん時間も手も足りない時のために家事代行者やシッターがいるんですけどね。
でも平匡のような独身勤め人と出会って、「忙しい時は部屋を家事代行の人に掃除してもらってるよ」と言われたとして、そういう人と結婚するのはとても勇気がいると思う。
「結婚したら妻は無償の家事代行者になるのか‥?」という気づきは、私も逃げ恥連ドラを見て自覚したこと。あのころ、このドラマを恋愛ドラマの延長として見てたけど、あのころから社会問題が投げかけられてたんですね。

 

このタイミングでAmazonからお薦めされた本がなんと田嶋陽子先生の「愛という名の支配」と!
買いましたよ。まだ途中ですが、田嶋先生にほぼ同感です。
しょっぱな出てきました、「ドレイ」という言葉。
やっぱり結婚や男女格差に疑問を抱いたとき、行き着くのはごくシンプルな真理なのです。
「小さく小さく女になぁれ」という章タイトルの不気味さは、女の長い長い拘束の歴史のあらわれ。
心まで小さく拘束されて、今や拘束されてる状態こそが「完成された自分」と思う。
「82年生まれ、キム・ジヨン」より小島慶子さんよりずっと前から田嶋先生は訴えてこられてたのですね。
でもなんでその声がこんなにも女性の間に浸透しなかったかというと、独身者、つまりマイノリティーの声だからかな、なんせ届きにくい。それに田嶋先生の訴えは、現代の女性にもまだ強めだとは思う。真実だしすっきりすることばかりだけど、これを真実と受け止める勇気はまだ多くの女性が持てないと思うんですよね。
見下したり煙たがったり、「私はこんなふうにはならない・愛されれば全て解決すること」と切り替えたほうがずっと楽。
でもあともうちょっと…のはずです。もうちょっとで「本当そうだわ…」と思う女性が多数派になるはずなんですよねー…多数派になったら固定観念は少しずつ崩壊していくはずです。

ところで、みくりの上司。
ナオト・インティライミさんにそっくりだなーと思ったらナオト・インティライミさんだったのですね。なぜ!?のキャスティングです。なぜスーツを着る役…

それにしても、「妊娠する順番」が暗黙の了解で決まってる職場があるというのには驚きです。
今回の逃げ恥はやはり妊娠・出産がメインテーマなのであって、あんなにきちんとしてたみくりが今回、随分ソファーで横になってましたね。
北川景子さんも「さんまのまんま」で「妊娠中は(子育て中も)気が立ってるので」と言ってました。
2021年になってまた「”星野源でいい”と言う婚活女性」というコラムをよく目にしたんですよね。
おそらくこれは「平匡でいい」ということじゃないかなと思うのです。
でも、平匡がいいですかねぇぇ…四角い部屋を丸く掃く家政婦をクビにする男ですよ(しつこい)。
しかし「でいい」という女たちの言葉の裏には、「奴隷脳に切り替えられそうな男希望」という意味も入ってると思われます。
ひとりを選んだ風見は、奴隷脳に切り替えなくとも自分のことはやってくれそうです。でも「風見でいい」とは言われない。
なんとなく、「やることやったんだから自分の自由にさせて」と言って他の女性とも親しくしそうだから。
つまりマウンティングがどうしても絡んでくる。風見にマウント取れる女はそういないですよね。あ、百合ちゃんは自分から「ひとりの自由」を選んで風見を振った唯一の女?

「もう奴隷は嫌なんだ」という女の本音が実はあちこちに滲んでます。
ジャニーズが人気なのも、ちょっと小柄だからじゃないですかね。あと中村倫也さんとか吉沢亮さんとか佐藤健さんとか(みんな170センチくらい)。小柄だと女からしたらくみしやすそうなのです。対等になれる気がしてしまう。それだけでもちょっと爽快感が広がる。
しかし「タイガー&ドラゴン」と「池袋ウエストゲートパーク」の長瀬さんむちゃかっこいですね。(185センチ)
明日の大倉忠義さんのドラマも楽しみです。(178センチ)
・・高身長の男性をまぶしく思うなんて、やっぱり私も年中奴隷脳なわけで。

田嶋陽子さんのお言葉にもっと触れて視点をアップデートしていきたいと誓う2021年です。

田嶋陽子が斬る!「男手放しても職手放すな」

 

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