「千と千尋の神隠し」、昨日放送されてましたね。
最初からちゃんと見たのは初めてでした。
そういうジブリ作品が実に多い。
宮崎作品のほとんどを知っているようで、一部しか知らないって作品がほとんど!
千尋が油屋で働いてるシーンから見ることが多かったです。
だから一部しか知らなくてもちゃっかり毎回泣いていた。
宮崎作品で覚える感動って、「なんかスケールでかい」ということは感じるんだけど、何にどう感動しているのか我ながらよくわかってなかった。
でも「子ども心が妙にくすぐられる」ということと、「なんか愛」という部分かな。
昨日見たときは、「めちゃ愛ですね!」と感じた。
愛を知っていく千尋の成長物語。
与えられっぱなしの愛(それが当然と思っていた)からの卒業物語というんでしょうか。
不安を感じても、これまでは周り(親)に取り除いてもらってた依存的な愛。
思えば宮崎作品ってこのあたりがいつもテーマの気がする。
「ハウルの動く城」のソフィーも愛に背を向けていたけど、ハウルと出会ってからは「与えなきゃ!」と、愛の能動ギアを入れまくる。
女性がいつも誰かを助けるんですよね。助ける優先順位1位は「最愛の人」
この最愛の人が、「もう1人の自分」に見えてくるのです。
「自分」を投影した自分。アニマとアニムス(女性無意識の中にある男性的要素と、男性無意識の中にある女性的要素)。あなた=私。
12/31の自分を千尋と重ねました。誰かを大事に思うこと=自分を愛すること・自分を助けること。
しかも捨て身なんですよね、千尋もハクも。自分はどうなってもいいからこの人を助けたい。
いや〜その領域、なかなかむずいもんです。
宮崎駿さんの作品ってすごいメッセージ性が強い。
「もののけ姫」くらいまでは、反戦・環境破壊への警鐘・人間のエゴへの批判がメインと思ってたけど、いつからか「愛」がメインに感じられるように。昔から愛の作品だった?
宮崎さんのホロスコープを見てみました。
「千と千尋の神隠し」上映時のトランジットと重ねてます(2001年7月)
宮崎駿さん(現在81歳・2001年当時60歳)
太陽山羊、月牡羊、水星山羊、金星射手、火星蠍か射手、木星土星天王星牡牛、当時のP太陽魚(現在は牡羊)
宮崎さんの金星は射手座。
女性ヒロインの投影が感じられますね。射手座といえば「戦い」、月も牡羊だからか、いつもコミカルをまとっています。
「千と千尋」上映時のN金星には、T火星・冥王星・キロンが重なってました。
火星=ハクでしょうね。「あなた=私」「アニマとアニムス」、その出会い、みたいな。
冥王星は湯婆婆でしょうか。その他、「強烈な化け物との出会い体験」という感じもします。
しかし、出会った前と後で大きな変容があった。
キロンについて私は詳しくわかりませんが、「傷・癒やし」と言われています。
ビビリな千尋は勇気でもって恐れを乗り越えたし、ハクの傷を癒やさねば!という強いモチベーションは自分の癒やしにもなった千尋でした。
宮崎さんの金星はノンアスなので、射手座の無軌道さが物語の中で良くも悪くも混乱もたらしまくってる、と感じる。
火星は蠍か射手か不明ですが、私は蠍なんじゃないかなと。
ウィキペディアから抜粋します。
主人公が少女であることが多いが、この理由は同性であると対象化しきれず、元気な女の子の方がやる気が出るからのとのこと。同性だと自身と重ね合わせすぎて、悲観的な物語にしかならないとも語っている。
「同性だと悲観的な物語に」
宮崎さんの火星がもし蠍座だったら29度。一般的に「涙の度数」と言われるところ。
「涙の度数」が本当に人より悲劇的な何かをもたらすか?について私は「そんなことないはず」と思ってますが、「自分」という主観の世界でしかわからない悲劇は何かしらあるのかもしれません。
宮崎さんの場合、それが「同性だと悲観的な物語」ということなんでしょうかね。
「千と千尋」当時の宮崎さんは60歳・土星期。
トランジットだとP木星土星がTドラゴンヘッドとコンジャンクションでした。
この映画の何に感動したかって、「ハクと出会っていた気がする」というところ。
「コハク川!!」と思い出したところ。
私はこの「知ってる気がする…(と思い出す)」ストーリーになんとも弱くて、今週の「カムカムエヴリバディ」でも日々泣きましたよ。
深津絵里さんがまた思い出そうとして、思い出したあと激しく動揺。動悸まで感じられるような表情に本当に胸打たれる日々…
宮崎さんのN月ードラゴンテイルは合で、海王星とオポジションかもしれません。ここだけでも、なんともスピリチュアルですよね。
「創造性」ということに関して、なんか宿命があるんでしょうか。
あと「不思議な存在」の多さ。
本当に存在しているかどうか?は宮崎さんにとって問題ではなく、「いるんだよ」と自分が思えば、いる。
江戸以前、平安時代とかはそんな物語がたくさんありましたね。
これが牡羊ー天秤ラインというのも、「わたしとあなたの物語」という感じです。
最後、トンネルを抜けた千尋の表情。
全部忘れちゃったかな…でもなんか思い出そうとしてる。呼んでいるぅ〜…(泣!)
宮崎駿さんは金星のみならず、太陽水星もノンアス気味で、火星は海王星とセクスタイル、冥王星とトラインとソフトアスペクト。
ところが木星のアスペクトが激しく、土星と合・冥王星とはスクエア。
宮崎さん木星期最初のメジャー作品といえば「となりのトトロ」(1988年・47歳)
そりゃナウシカやラピュタで宮崎さん人気はすでに沸いていましたが、トトロで不動のものとなった印象です。
木星期はその後も「魔女の宅急便」「おもひでぽろぽろ」「紅の豚」「平成狸合戦ぽんぽこ」「耳をすませば」と人気作品を連発。
そして土星期最初の作品が「もののけ姫」(1997年)
土星期はその後「ホーホケキョ となりの山田くん」「千と千尋の神隠し」「猫の恩返し」「ハウルの動く城」「ゲド戦記」「崖の上のポニョ」「借りぐらしのアリエッティ」「コクリコ坂から」
そして天王星期最初の作品は「風立ちぬ」
宮崎さんは「風立ちぬ」のあとに引退宣言されてるんですよね。(2017年に復帰宣言)
木星期・土星期との変化を何か体感されていたのでしょうか。
今も天王星期でいらっしゃる宮崎さん。
来年は宮崎さんのプログレス新月。「君たちはどう生きるか」が完成予定。
今度はどんなメッセージ性が込められているのか楽しみです。
なんといっても山羊座なので、宮崎さんの意図はメジャー級に観客に受け止められるんだと思う。
私、カオナシってちょっと怖い。だんだん心がほわっとしてくるけど、時々ぞっとしちゃう存在です。
ストーカーっぽいし、「あ…あ…」みたいな静かな興奮がめちゃ怖いですよ。
おとなしいくせに、「君にお金をあげる・だから愛をちょうだい…」とか露骨だしね。
でもすごーく悲しい存在だってことは感じる。
ずっと悲しみの中で生きてきた人。宮崎さんはカオナシに何を投影したのだろう。
私は囚人みたいに感じてしまった。罪は許されてるのに、ずっと罪の中で生きている。
千尋だけが「もう許されてるじゃん」という接し方。
カオナシも最初はそんな千尋に依存していた。だけど最後は「守る」という責任を負ったのかな。守るためについていったんでしょうね。
いろんな愛の物語だったですね。
そして吐くシーンが多いのも特徴的と思った。
現代人は豚みたいに欲望を貪って…(過剰すぎんだろ)って批判?
あの両親にはなんだかゾッとしっぱなしでした(最初、千尋と全然目を合わせない)
宮崎さんの作品って、なぜか肉親の愛が薄いように感じる。トトロは家族愛の物語だろうけど母親が病気で、欲しい愛を欲しいタイミングで得られない切なさに泣けるけども。
肉親から離れたとこの大人からすごい愛情を受けるんですよね。老婆がいつも印象的に登場する。
「親からの独立」というのも共通のメッセージに感じられます。
坊ですら、最後は親の愛より千尋を守ろうとしましたよね。
「千を泣かしたら、ばぁば嫌いになっちゃうからね」
坊の可愛らしさがまた…!
なんで宮崎さんはこんな可愛いキャラや台詞を生み出せるのでしょう。そんで神木くんの声!!
自分の手で欲しいものを掴み取ってこそ人生…みたいなのもメッセージでしょうか。
成長して人は何を得るかって、「自分への信頼感」
千尋は豚集団の中には「自分の親はいない」という直感を信じた。
ドキドキすんね。人生でどんだけあんな直感生かせるだろう(でも生かしてここまできてんだろうけど)
来週の「紅の豚」は見たことないので楽しみです。