録画してあった「週休4日でお願いします」を今日見ました。
最近、このドラマの主役でもある岡山天音さんに注目しています。
「渋井直人」では渋井さんのアシスタント役ですが、その少し前のNHK「ちょい⭐︎ドラ」というショートドラマではやる気のないピザ屋店員役でした。
ちなみに「ひよっこ」で2人組漫画家のうちの1人だったことは、この間の続編で初めて認識しました。彼って彼だったのか!と。
岡山さん…天音くんと呼びますが、天音くんは現代の労働者役にぴったりです。
しかも光がなかなか当たらない労働者。
心がすりきれる寸前。表情さえ失いかけたような。
この「週休4日」のドラマでは、そんな弁当屋の臨時店長役でした。
そこに飯豊まりえさんがバイト面接に来る。
「シフト、週3日だけでいいの?」と聞くと、「週休4日でお願いします」と、むしろ休みたい派。
「それだけで食べていけるの?」と天音くんが聞くと、「食べていくためにです」と答える飯豊さん。
面接時、首からこけしペンダントぶら下げてた彼女は、ひとたびこけしの話になると止まらないわけですが、てっきりこけし職人とのダブルワーク物語なんだと思ってました。
どうやら前職ではろくに食べれないほど忙しかったようで、精神的に追い込まれ、離職してしまったようです。
だから「ちゃんと食べるために休む」
このドラマで一番印象的だったのは、遠藤憲一さん演じる天音くんのお父さんが、「働かざる者食うべからずだ」と言って天音くんがそこに違和感を持つシーン。
ここで私は、「こけし職人を目指すドラマじゃないんだ」と気づく。
弁当屋にやりがいを見いだせず、仕事ができない自分に落ち込む青年と、仕事を生活の第一に掲げない生き方を選んだ女性の物語。
飯豊さんにどんどん惹かれていく天音くん。
パソコンが得意な飯豊さん。こけし愛を熱く語る飯豊さん。
ここまでは天音くんが惹かれるわけもわかりますが、飯豊さんがちょっとコントロール女子に見えちゃったりもして(役)。
人生訓をスヌーピーから引用して、天音くんにも復唱させる飯豊さん。
真夜中の電話で、「ちょっといいこと」を言う飯豊さん。
天音くんが川に飛び込んじゃうと勘違いして、巨大こけしで殴りにかかる飯豊さん。ちょっとけがさせれば仕事休ませられると思って、とのこと。
その意図に思いやりも感じられますが、あのヤバさにいったんは恋慕がクリアになってもおかしくなさそうな。。
そんな飯豊さんのどれに対しても天音くんは「…は、はい…」と好意のボルテージ上がっていくそのサマ。いや、肯定しすぎっしょ!と突っ込まずにはいられませんでした。
それに天音くんが精神追い詰められるほど忙しいのは、飯豊さんが週4日も休んでるからなんじゃないかな…。なんて。
こんなにひねくれるのは、飯豊さんがあまりにも可愛いからなのです。
柏手1回を「好き」という合図にしたらいいんじゃないですか?というこれまた飯豊さんの提案を受け止め、一世一代の告白直前。天音くん。
天音くんの告白が成功して、柏手で何度も愛の確認をする2人 in 鳴子。
私も一時期こけしが好きでした。
西荻のこけしイベントに行ったりして、こけしグッズをたくさん買ったのです。
ずいぶん前、川村エミコさんの押入れにこけしがびっしり並んでるのを見て、ちょっとこけし好きにブレーキかかりました。
作並系、弥治郎系…とかってハマったら、歯止めがきかなさそうな魅力は確かにあるんですよね。
こういう女性はいっぱいいると思います。
どっぷりカルチャーにハマりたい。
ハマるとひかれるからセーブしたい。
そうすると何もかもが中途半端。
理想はディープなカルチャーにも理解を示してくれる男性と交際すること。
そんな男性はたくさんいるのだろうけど、「おそらくいないだろう」って思うからみんなブレーキをかける。
「仕事なくなったら、うちで暮らしたらいいですよ」
「近所でお野菜いただいて、(そんなに働かなくても)なんとかなりますよ」
そんなふうに困った人に声かけたい女性もたくさんいることと思います。
忙しくて会えなくて、恋もいつしか終わり…なんてこともない。
だって週休4日だから。
これからこういうスタイルがどんどん浸透していくのかな、って明るい気持ちにもなったし、あれはやっぱり理想じゃん…って自分と引き離して終わるかな…とも思ったり。
「普通の人間は、時間つぶしなんてそうできるもんじゃねぇ」
定年後も働くつもりのお父さんと天音くんでは、時代がずいぶん変わってきてるみたい。
今もう、心を失ってまでも働く意味なんてない。本当はこのへんはっきり言いたいですね。でもやっぱりお金なのだろうか。
お金にしか確かさを感じられないから、お金だけがギブのテイクなのだから…?
私はこけしが好き。これでいいんだ。
「こけし」の部分に人の何が入るかはわかりません。
ずっと多様で、ずっとリアルになるといいのかな。
男性も女性も、若者も年配も。
じわじわと胸に迫るドラマでした。
天音くんの繊細な演技が素晴らしかったです!