危なかったのは私じゃないんだけど、1年前のこと。
電車内にスケベそうな男性がいた。
女性をジロジロ見るような。
でも「スケベそう」とかで軽く処理することじゃない気がした。
神戸のオートロックマンションすり抜け事件でそのことを思い出した。
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去年の9月。
埼玉の実家から帰る夕方の私鉄。
平日か土日かはちょっと忘れました。
座席はほとんど埋まってて、私は子どもを連れた女性が立ったあとに座った。
その女性は下車しなかったので、お子さんが窓の外を見たくなったのかな?と、ふと思った。
私が座ると、右隣の男性がいきなりジロジロ見てくる。
見すぎだろ!とは思ったけど、「そういう癖の人?」と思ってとりあえず気にしないことにした。
男性は50後半か60前半かというところ。痩せ型。
あれ?と思ったのは、私の左隣に女性が腰掛けると、身を乗り出して彼女のこともジロジロ見た時。
次の停車駅で乗ってきた女性全員(3人くらい)のことも次々ガン見する。
今思うと、それは物色・選別という感じ。
私が乗った時に子連れの女性が席立ったのも、ガン見に耐えられなかったからじゃないのか。
男性の右に若い女性が腰掛けた。
これまで乗ってきた女性の中で特におとなしそうで小柄な方。
男のガン見度がさらにアップしたことが私にはわかった。
彼女の頭から足先までを近距離でジロジロ。
女性はすぐ席を立ち、逃げるようにドアの前へ移動。
と、男も女性を追いかけるように隣に立ち、ジロジロ再開!
完全にターゲットにされている。
やべぇよ、あいつ・・
と思いながら車内を見渡すも、その男を気に留める人はいなかった。
私はとりわけ男性の乗客にこの事態を察して欲しかったけど、男性ってああいうときめちゃ鈍感じゃないですか?
ずーっと携帯見てたり、のんきな顔で隣の人と会話してたりとか。
私は、ガン見オヤジと女性の距離に目を光らせていた。
女性が触れられでもしたら、すぐ声を上げようと思った頃、電車はやっと停車!
女性はいったん降り、男も降りる。
が!女性はきびすを返して車内に戻る。
男は「あ、あれ?」という感じで振り返った。
「どこ行った?」と車内に目を向ける間にドアクローズ。
っぶねー!!ナイス女性!!
・・というこの出来事の直後は「怖かった…」という感覚があったものの、時が経つにつれ「スケベなオヤジが電車にいて」という軽めの記憶に変わっていった。
でももし、あの女性の家があの停車駅だったら、オヤジはどこまでもついてったんじゃないだろうか。
あの女性は相当危険を察知して、「いったん降りてまた乗る」という高度な防衛ができたんだろうけど、もし軽めに捉える女性だったらどこかに引きずり込まれてたんじゃないのか。
あのオヤジはあの駅で降りたことで衝動が収まったとも思えない。
新たなターゲットを探すんじゃないだろうか。
あの日は家に帰ったとしても、翌日、そのまた翌日も、ターゲットが獲得できるまで…
当時もここまで想像してしまい、不快さはなかなか拭えなかった。
でも、あの当時の不快さや恐怖はやっぱりまっとうだった気がする。
神戸の事件が起きたことを知るとね・・
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よくこういう不安を口にすると、「そういう目に遭うのって若い子だけでしょププ(うちら関係ないって)」みたいなことを言う人がいる。
だからって「じゃあ、中年女性は警戒ゆるめましょ」ってことにならないだろう。
この手のヤカラが若い子を狙うのは、経験値が少ないことによる独特の隙があるからと思う。
独特の可愛らしさ、独特の気弱さ、そして独特の無防備さ。
ある程度の年齢になると、一瞬でヤバさを察するアンテナが育つはずなんですよ。
危険をキャッチ→即行動(逃げる・声を上げる・撃退する)という一連のことを瞬時にできるのが中年の良さ。
だから中年でも隙だらけの人は狙われるし、若い人でも撃退・防衛感をまとってる人は狙われないんじゃないでしょうか。
この手のヤカラは「怖い対象」をやたらこき下ろしたり忌避の態度を示すはずで、「ババァなんか狙ってねぇんだよ」とにらんでくるかもしれない。
そういう攻撃性を向けられる危険もある中年。
なので正義感もほどほどにしないと、それはそれで危ない。
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さっきも書いたけど、同じ車内の男性って本当になんも気づいてないのかなぁ。
数年前には、幼い女の子を連れた父親が電車に乗ってきて、私の隣の男がすぐその女児に興味を抱いたのがわかった、ということがあった。
無邪気に足を広げて座る女児に父親は気づかない。
私の隣の男は、「スカート内を見たい」という欲を隠さず体を傾けてのぞこうとする。
そんな男がいることに父親は気づかない!(なぜ!)
どうやって知らせようかと思ってるうち、隣の男は女児の足元に何かを転がして、拾うためにしゃがむという行動に出た。拾いながらのぞいた!
それでも気づかない父!(んでだよ)
・・いや、気づいたのかもしれない。次の駅で親子は降りた。
かわりに乗ってきたのは女子高生で、男のターゲットはその子に変わる。
スカートからのぞく素足をガン見していた。
その女子高生も気づいたのかどうなのか割とすぐ降り、そしたら男はその席に移動!
体温か残り香を感じていたのだろう…キモ〜。
そのほかにも、普通に盗撮する普通っぽい男も見かけたことあります。
しかもカップルの女性の胸元を背後から撮影していた。
カップルって意外と無防備なんですよね。
一緒にいた男性はやっぱり気づかない。
私が気づいた素振りを見せると、盗撮者は一瞬やめるものの、悪気なくまた再開しようとする。
「見るだけならいいじゃないか」というのが、そういうヤカラの言い分だろうか。
「じゃあ、見るだけね」って、誰が思えるかよ!
警戒緩められっかよ!
新しい報道じゃ、神戸の犯人は「好みの女性」に付きまとったと。
この「好み」とか「好意」とか、限りなく恋に近いような感情って美化や正当化されがちだけど、好意と支配欲が結びつく人もいるように思う。
ストーカーとかDVする人って、愛してるとか言いながら相手を小動物のようにしか思ってないんじゃないのか。
可愛らしくて従順でいてほしい・いるべきだ。
その思いが裏切られるとすぐ逆上する。なぜなら下に見てるから。
「ヤれるはず」とすぐ思う。やっぱり下に見てるから。
女性なら性的な不快体験、最低3度はあるだろう。
そのとき誰もが「馬鹿にされた」と強く感じたはずで。
私も満員電車で尻の割れ目に手を入れられたことがあった。
うっかりなわけがないことは、やられた自分とやったヤツだけが知ること。
だからどこにも証明できない。
「気のせいでは?」と言われたりする。
馬鹿にしやがって!!
・・って最後は痴漢まで思い出しちゃったけど、性犯罪と「みくびられること」はつながっているはずで、かといって強気前面でいればダイレクトな攻撃の危険もある。
「人から見下されないような空気をまとう」「そううまく対応する」という高度な術を身につけなきゃならないのです。