モテキ第2話も伝説的な回です。
中柴いつかを演じた満島ひかりは今見ても相当輝いていたわけで。
2話は亡霊的な藤本幸世。
満島ひかりさんをよく知らなかったあのころ。
だけど間もなく訪れる2年前の出会い回想シーンでいきなり爆発的な演技を見せる。
「バァーカっっっ!!」って言ってる。
モテキ第2話はいろんな意味でヤバいです。
コンプライアンス的にも今どうだろうという感じ。
エロさもいろんな意味で伝説回。
モテキの第1話と2話は異様な輝きを放ってました。
2話のタイトルは「深夜高速 〜上に乗るか 下に寝るか〜」
いつかちゃんが崇拝する岩井俊二監督の映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」がベースになっていて、処女なのか童貞なのか?という問いもテーマとも言えます。
それがひどい。
上の二人はそのあたりで罵り合ってます。
しかし大根監督というのは女子をエロく撮りますね。
女子がどんなであっても魅力的に切り取る。
↓映画のワンシーンをひとりで再現する女子。
ドン引きの幸世。
この幸世という男。
一見さらっとしてて、モテそうに見えるのに。
でもやっぱこういうとこですよね、なんか…。
BGMは柴田恭兵「ランニング・ショット」
虫みたいに近づく指からさっと身をかわしたいつかちゃん、ナイス!
なんでこんなことを幸世がしてくるか。
そのあたりの嫌悪感を、いつかちゃんはこの時から抱いていたのかな。
自分にただ純粋に向かってくる好意じゃないことに気づいていた(たぶん)。
でも女は「終電なくなっちゃったから泊まるしかない」という状況を楽しめたりする。
ここから男女のマウンティングが始まってたとも言えるかも。
それぞれ湯船で「どうしよっか…」と。
幸世が偉かったのは、「もしかして別々に寝る気?」っていつかちゃんをちょっと攻めたとこ。
布団を開く。このシーン!!
ここから伝説的な濃厚シーンが始まるんですよ…。
しかしブチ切れたいつかちゃん。
「ん…?なんでだ??」の幸世。
何もかも未遂のまま深夜バスで帰ることに。
私もいつかちゃんの態度に??となった。
こういう読み取りが私は苦手。
でも、「アニー・ホール」を見た後なら分かる気がする。
やっぱマウンティングされたことへの怒りなんでしょうか…
お互いがお互いを未経験者と思って臨んだあれが、「上に乗るか?下で寝るか?」の主導権争いになってしまう。
「俺を見上げさせてやるゼ!」という幸世の心の叫びがまんまと伝わった。
「ってかフジくんさぁ…!」
男が女を見くびると大抵うまくいかないし、なのに被害者ぶるのも男であって。
だからそういうとこがクズなんだと思う。幸世という男のクズさ。
早々に気づいてた感じのいつかちゃん。
いつかちゃんがなぜ千葉のこんなとこまで幸世を付き合わせたのか。
その本当のところはよくわからないけど、こういうことって割とあるのかも。
恋とかじゃないけど、非常事態なら同じ布団に入れる男を誘いたくなるとき。
そんでたぶん断らなさそうな人。←女もここで男をみくびってるのかも。
幸世はそこに敏感だった。
「なんで俺?」っていうところの確かさを求める男。
男だけじゃないか、女だって自分を特別だと思いたいですね。
このモテキというドラマはだんだんモヤモヤしてくるのですが、たぶんずっと同じとこで止まってるから。
「好き」というストレートさにどうも欠けるというか、「イケてるかどうか?」ってとこが幸世の「好き」の基準な気がして。
「そっちがそうなら乗ってもいいけどべつに…」という誰も彼もの態度に腹立ってくるんですよね。
感情省エネのくせにあわよくばエロい経験に乗っかろうとする。
あんなにキモいオム先生と土井亜紀がくっついたのは、「好きだ!」というストレートさがオム先生にあったからだと思う。
3話で幸世は「人生で一番好きになった」と小宮山夏樹に思いを伝えるけど、「幸世くんっていつもあたし待ちだったじゃん」って言われる。
「好き」ってなんだ?ってことがつくづくわからなくなるドラマでもあります。
でもたぶん、幸世のそれは人の心を動かす好きじゃなかった。
熱いキスはできても、全身で好きと思ったり思われたりって、どうしたらいいんでしたっけね。
この2話は最低最悪の終わり方でした。
お互いに初体験を「実はドブに捨てた」と告白する。
そしてお互いに「あなたが初めての人ならよかった」と思う。
結びつくまであと少しに思えるのに、余計なプライドや計算が邪魔しまくり。
それが「こじらせ」ってやつなんですかね…。
第3話で登場する小宮山夏樹。
肩出したこんな服着る女。背中もぱっくり空いてます。
新井浩文さん演じる島田のゲスさがまた嫌悪感のくせに何度も見たくなる。
満島ひかりさんの伝説回がまたあるんですよね。神聖かまってちゃん号泣歌い上げシーン。
あのときのいつかちゃんと幸世はすっかり同志で、関係性もフラットのすがすがしさがあった。確か。
そこからの二人は信頼感がにじんでて、確かな関係築くには年月とか本音の濃さが必須なのかも。
これからまたちょっとずつ堪能します。