年末年始といえば再放送。
「ハコヅメ」はリアルタイムで見てなかったのです。
永野芽郁×ムロツヨシ×日テレという、あの親子ドラマがイメージされてちょっと敬遠してしまった。
あの親子ドラマ(親バカ青春白書)も途中まで見てましたが、「ムロツヨシさんを楽しみ尽くすぞ!」という気持ちに私は欠けているのですぐ脱落したものです。
でも「ハコヅメ」
すごい評判高かったですね。
そんで見てみた再放送。つかまれた…!
何につかまれたかって、やっぱ戸田恵梨香さんからにじむ人間力というんでしょうかね。
その人間力をまた永野芽郁さんが正しくどストレートにキャッチするという。
いや、戸田恵梨香さんが構えたとこに永野さんが投げれば全部ストライクになるナイスバッテリーという感じ。
そんでムロツヨシさんの役もよかった!
ムロさんっていつも恋愛に気持ち悪く絡んで、こっぴどくふられたり奇跡的に成就する役←それをおもしろがりましょう、というドラマが多かったけど、今回は恋愛シーンなし。それがよかった。
今回ムロさん演じた交番所長はすでに4人の子持ちで愛妻家。
そういう、「すでに愛で満たされている」という役がこんなにぴったりだったんじゃん!という発見というか感動というか。
ハコヅメ全般、やたら恋愛が出てくるわけじゃないところもよかったです。
「女性同士の心のつながり」にすごい焦点が当たってた。
永野さん演じる川合は、戸田さん演じる藤さんが大好き。
「なぜそこまで?」と思うくらい大好き。
でも共演者は誰も「なぜそこまで?」と、その愛を定義したりジャッジしない。
物語冒頭の、永野さんのモノローグが沁みました。
漫画原作ではあるけど、脚本は根本ノンジさん。「監察医 朝顔」の方ですね。
私はみてないけど「サ道」の脚本家でもいらっしゃる。
「フルーツ宅配便」のときも思ったけど、いつも女性の気持ちの奥深くまで焦点が当たってるんですよね。
永野芽郁さんはいつも物語の「意図」をまっすぐ伝えてくれる。
すがすがしいくらい。天秤座!!
そして戸田恵梨香さん。
藤聖子という女性は感情をほとんど表に出さないんですよね。
でも「命が何よりも大切!」とか「正義感!」が発動すると誰よりも熱い。獅子座!
あの無表情気味のうっすら笑顔には参りましたよ。なんか涙出ちゃいますね。
包容力なんでしょうか。「私も愛してる」という覚悟にまったく揺らぎがないというか。
戸田さんが発する愛は恋愛に限定しない広義の愛というのが、見てるこっちにビシバシ伝わる気がするんだから不思議です。
この人に愛されたり守られたりしたいって思っちゃうよなぁ。
そして「新選組」
当時もワクワクして見てたけど、今見てもワクワクする!
みんな輝いてた。全員。むちゃくちゃ輝いてた。
ドラマから離れても役者さんたちの信頼感があるっぽいけど、そういうのってドラマからもにじむんでしょうか。
香取慎吾さんの近藤勇はやっぱすごいと思う。
水瓶座なのに「ハートの人」という感じがした。
いや、水瓶座はそれこそ「愛」という信念を掲げれば誰よりもひたむきなのでしょうね。
山本耕史さんが男前!!
目がね…山本さんの目が誰よりも覚悟に満ち溢れてた。
残酷さをまとった土方歳三。そして「男の魅力も出してやんぜ」という覚悟。
藤原竜也さんがまたキラッキラ…
芹沢鴨に、「お前の目が俺は好きだ」と言われるシーンがある。
「その美しい目に汚いものを映してやりてぇ…」と言って鈴木京香さんに吸い付く佐藤浩市さん、それから目が離せない藤原さん。あのシーンは思い出してもぞくぞくします。
藤原さんの沖田総司役がとても好きでした。吹石一恵さんとの気持ちのふれあい。晩年の優香とのやりとり。
そして芹沢鴨・佐藤浩市さん。
こんなに人をイライラ・ヒヤヒヤさせたことなかったんじゃないでしょうかね。
「もう死んでくれ、鴨」と思わせるほどの悪役こそ佐藤さんに似合う気がする。
でもここ何年もずっと「いい人」「渋い大人」という役ばかりで。
芹沢鴨、そして鈴木京香さんとの大人の恋模様を見て、やっぱこんな色気のある男性ナンバー1はあのころ佐藤浩市さんだったですね!と思い返しました。
山本太郎さんがまたうまいじゃないですか…愛のこもった表情がまた泣けるんですよ。
あっ、れいわ新選組じゃないですか。
オダギリジョーさんがまた、とがった若々しさという感じですね。
「カムカムエヴリバディ」でのジョーも見るだけでなぜか泣けてきますが、あのころ斎藤一って何考えてるかとんとわからず、でも確かに新選組には属してるわけで、謎!ってとこがとても魅力的でした。
そして堺雅人さんといえば山南。今でもそう思う。愛すべき山南。山南がいなくなったらもう新選組は…そう思わせる人柄。
「急ぎましょう」と静かに逃げようとする山南に、鈴木砂羽さんが「いやだもん」みたいにむくれたときの堺さんのあきらめ顔…(泣ける)
小林隆さんがまたねぇ…三谷幸喜さんっていつも、最初気にも留めないほどの素朴な役者さんを、これでもか!と輝かすんですよね。
花魁役の優香がすごい可愛かったな。また、正妻が田畑智子さんってところに三谷さんの気概を感じます。
近藤勇の母役が野際陽子さん、父役が田中邦衛さんだったのですね。
あと中村勘九郎さんやぐっさんも印象的でしたよ…松平容保といえば私の中では筒井道隆さんなのです。
総集編はかなりカットされてたようですね。おりょう役の麻生久美子さんを楽しみにしてたけど、出てこなかったような?
江口洋介さんもあのころあんな輝いてて…
みんなみんな、新選組がMAXなんじゃないか?ってくらい輝いてた。
「今はどうなんだ?」って話ですが、正直にいえばそういうことです。それはなんでなんだろう。
物語の質の問題?スタッフの気概?それともコンプライアンスによる萎縮感とか、SNS普及による無難傾向?
わからない。
「鎌倉殿の13人」でも同じようなワクワクを感じられるだろうか。
三谷さんって、コミカルさの一方で残酷さもすごい描くんですよね。
だからこそいつまでも物語が印象に残る。
「真田丸」の秀吉エピソードも相当残酷でした。思い出すだけでこめかみあたりが冷たくなるほどに。
ああ、あの山南が主役になったってのがなんか感慨深いなぁ。
大河ドラマって、それまでまったく知らなかった俳優さんの魅力にみんな気づく瞬間!みたいのありますよね。そんで土曜スタパかあさイチにスピード出演。実は劇団出身・バイト生活で長い下積み生活でした…という素朴な告白。そういうのが楽しいのです。