期待をそろえる

人間関係の悩み。
その原因のほとんどが「期待感のずれ」なんじゃないか。
人間関係には家族や恋愛も含む。

私は自分のことを大期待人間と自覚してましたが、全員に期待してるわけじゃない。
すごく期待をかけちゃう相手とそうでない人がいて、それぞれに対しての「目的」がずいぶん違ってたみたい。
そのあたりを自分なりに分類してみました。

A・すごく期待する相手
目的:自分を満たしてもらうこと(自覚度低)

B・ほとんど期待しない相手
目的:良好な関係の継続(自覚度低)

C・期待に応えるのが重荷の相手
目的:自由を取り戻すためなるべく距離を取る(自覚度高)

AとBの「目的」には割と無自覚的であるものの、目的というのは自分の深部にセットされるとその達成まっしぐらに向かわせるパワーの源泉と思う。
過去の人間関係を振り返ると、Aは過去交際した人や派手な喧嘩をした相手、Bは現在も交流が(細々とでも)続いてる人たち。
Cの域になるには既に何らかの関わりがあって、相手に応じられない/応じたくないなという重荷が芽生えてしまってる。
初期の段階なら距離をしばらく取ることでBに戻りますが、しつこさからの嫌悪や恐怖ががっつり根付くと修復難易度は高まります。


Aの人は恋愛や親友願望に結びつきやすいのですが、過去、親に求めていたものと同じような濃厚さを求めちゃうんですよね。
相手に満たしてほしいという気持ちにあまり自覚がないものの、「目的が果たされないなら結構なんで!」とすぐ白黒つけようとする。
未練をたっぷり残しつつ「次、次!」とひたむきに切り替えようとして、叶わなかった期待のことなど早く忘れようとする。
これが実にもったいなかったんじゃないかと思うことがあるんですよね。

このAの人には既読/未読スルーでもイライラを感じやすいですね。
なぜなら期待してるから。
でも期待の裏側には不安があるんだと思う。
その不安は幼い頃由来なんじゃないか。
大好きな人(親)が、自分の望むタイミングで抱き上げてくれなかった。
自分よりあっち(きょうだい等)を優先した、みたいな。
ひどくショックを受けた…なんてのは遠い過去なのに、悲しみのスイッチが入ることがある。
そのスイッチポイントを刺激してくるような人に濃厚な感情を抱きやすい、それが恋愛や親友願望なんじゃないのか。

またAの気持ちが強まってるときは、すべてをネガティブに解釈する悪循環に陥りやすいです。
実は良い兆候であっても気付けないほどプチパニック状態というか、ひどい妄想とかも広がって、最悪のパターンだと殺意に発展しかねない。
恋愛や好意に限らず、「強い感情を刺激する相手」全般に向けられがちで、多くの事件も過剰な期待と失望から始まってるんじゃないでしょうか。

やっぱりドラマの影響って大きかったんじゃないか。
モノホンの人間関係とは、相手に怒りや悲しみなど感情全てをぶつけて受け止め合うもの、みたいな洗脳。
激しければ激しいこそ純粋で本物に近い、みたいなことを相当植え付けられましたよね。
80・90年代の恋愛ドラマを見ると、相当トチ狂ったことを相手に求めてた。
ただ昔は景気が良かったからか、双方の期待がどんなに激しくても成就しやすかったかもですね。
「クリスマスにこんなことをしてくれるだろう」「結婚したら相手はこんなふうに尽くしてくれるだろう」
少々のがっかりはあっても、想定の範囲内に収まっていた時代はあった。
高価なプレゼントもらえればOKとか、何かと金で解決されやすかったし。
でももう、平成時代の期待は脅迫に近い。
何もこんなに濃厚な感情を相手に抱かなくても、Bの状態でじゅうぶん幸福を感じられるんじゃないか。


私は片思いや恋愛のこじらせの多くが期待の濃度の差だと踏んでいる。
自分がA、相手がBとして。
大体Aの側というのは相手の気持ちが気になりつつ自分のことで頭がいっぱいで、相手に自分と同じ濃厚さが感じられなかったとき、その満たされなさが傷のように疼く、それが苦しいのです。

あるとき、相手の視点から自分を感じてみたことがあった。
自分は相手にこんなにも期待して(不安になって)いたけど、相手は自分にほとんど期待してないっぽい!
それに気づいたら、何かすーっとしたものが胸を吹き抜けたんですよね。
相手に期待されてないことのすがすがしさ。
「過剰な期待をかけない」ことも愛情なのかもしれないと。

自分がネガティブに振り切ってるときって相手の気持ちがCじゃないかと疑心暗鬼になりがちで、自己を責めるサイクルに入る。
でもちょっと待てよ。
自分がAで相手がBっぽいと気付けたら、少しBに歩み寄れるんじゃないか。
自分の期待を相手は満たす人じゃないと気づいても、悲しむのは早いかも。
やぶれかぶれな行動に出てCの重荷を感じさせる前に相手への期待をいくらか下ろす・期待の薄さを相手にそろえてみるだけで、景色が少し違って感じられるんじゃないか。

続きます。



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