「あまちゃん」視聴9週目に差し掛かりました。
まだ北三陸編。
5週目からの大きな展開
・蟹江敬三さん演じる忠兵衛さん登場
・福士蒼汰さん演じる種市登場&アキの恋
・皆川猿時さん&伊勢志摩さん登場
・野間口徹さん演じる「岩手こっちゃこいテレビ」のディレクターにより、アキとユイがTV出演
・天野春子が「潮騒のメモリー」初熱唱&アイドルになりたかった夢を初告白
・春子の夫・正宗が天野家に住み着く&正式離婚で東京へ去る
・松田龍平さん演じる水口琢磨登場
・アキの失恋&ユイと種市三角関係
やっぱこのあまちゃんでの役は、みんなぴっったりハマってます。
特に蟹江敬三さん演じる天野忠兵衛。
アキちゃんじゃないけどかっけー!!
忠兵衛さんはドクターストップで一度漁師引退を決めたものの、それから腑抜けのような日々になってしまう。
陸で生きるほうが参ってしまう…と漁協メンバーの反対を押し切り、またインド洋に出るんですよね。
「オラはよぉ!やっぱし海の男なんだべ…」などなど、ガラの悪さがすごいかっこいい。
また当たり前だけど蟹江さんうまいんですよね。
喫茶リアスで若者がわいわいやってても、「オラひとっつもわかんね」ってお構いなしに楽しく酒飲んでる。
蟹江敬三さんって今までああいう役あったっけ。
いちいちシビれます。
(写真はあまちゃんNHKオンデマンドより)
おらのじっちゃん…またこのタイトルがいい…
あまちゃんは2013年9月で終了して、蟹江さんは2014年3月に亡くなられましたね。
本当にびっくりしました。
そういえば忠兵衛さんが再び漁に出ると決意したとき、春子が「もう生きて帰ってこれないかもしれないんだよ!」と止めた。あまちゃんが放送終了してもいろんなドラマがありました。
そしてアキの恋!
アキは潜水土木科に編入したんでしたね。
1個上の種市先輩が実習授業に来てくれるなんて毎日ウキウキ。
アキは先輩への恋心を隠すことなくストレートに表現。
「先輩って、自分のこと”ずぶん“って言うんですね!」
これをめちゃ嬉しそうに言っちゃうアキ。
このときまんざらでもなさそうだった種市くんなのに、こうもまっすぐ「好き」をぶつけてくる女子のこと案外好きにならないんでしたっけね…恋。
アキを迎えにくるユイが気になってしょうがない種市くん。
でも実はアキが北三陸に来る前から(種市くんが2年の時から)ユイに惚れていたと。
あまちゃん北三陸編で、いや、あまちゃん全編通してもすごい印象に残ってるのが、「この火を飛び越してこい(そして2人は抱き合う…)」という三島由紀夫「潮騒」の話をしたときの種市くんと、思い詰めたアキの表情。
あそこは見ててドキドキしました。
2人が「はっ…」と互いを意識した。アキちゃんから何かがほとばしってた。
ああいうとき、種市くんの心にたとえユイがいたとしても、アキちゃんにくらっ…となるのでは?なんて期待したけど、それはなかったみたいで。
まぁ、いきなり「来ぃ〜てぇよ…」って「潮騒のメモリー」を歌い出すアキ。そりゃドン引きしますかね。
アキは、「潜水士の試験受かったら、オラとデートしてけろ」って先輩に告白。
「わがった」って爽やかに答えた種市くんは、やっぱりまんざらでもなかった気がする。
ユイのこと「見てるだけでよかった」とか言ってたのに、ある日ユイのほうからぶつかりに来た。
「アキちゃんとデートしてください。その返事ちゃんとしてあげてください!」と怒りモードで。
ユイのほうがとっくに複雑な感情を抱いてたのかも。
たぶんユイも種市くんを気になってたけど、あえて攻撃的になることで気の間違いみたいのを振り払おうとするというか。「友情大事です」アピール。あるなぁ、よくある!
でも絶対わかってたと思うんですよ、「あ、私たちつきあうな…」って。
男女が3人出会えば、心のベクトル関係なく働く磁力みたいのがあって、それは時に残酷。
それすら感じちゃうストーリーってのがなんとも楽しいというか、うまいなぁというか。
しかもユイちゃんは種市くんに「ユイ…」って呼ばれてガクッときた。落ちた。
「はい…」ってまたユイの素直な返事、か〜っ!罪!!
こういうの本当に高校時代にあったような気がしたよ…。
しかも種市くんから「つぎあってほしい」と告白されて、「無理無理無理!!」とは言うものの、「東京のどこ住むの…?」と聞いたら「お台場」と。
「…いいよ。東京行ってからね…」
なーにがっ!!「あたしは都会目当てです」って、あとからどうにも言い訳できそうな受け入れ。
ユイはこういうとこ頭がいいというのか、プライドが高くてゾクゾクします。
でもユイちゃんって特に寒い冬の手袋姿とか、「北の国から」に出てきそうな極寒美女なんですよね。
種市くんがぐっとくるのもわかります。
しかし喫茶リアスに入り浸る水口は、ユイちゃんのことどっか見抜いてるというか冷めた目線というか。
たぶん来週あたり本性を出して、アキをスカウトするんだっけ。
あまちゃんを見返してみて大きな発見だったのが、ユイの兄ヒロシ・小池徹平さんが光ってたこと。
暗いけど。暗光り。
アキにフラれてそのまましぼんでたイメージでしたが、TV出演を機にアキとユイの正式マネージャーを買って出たんですよね。
アキが種市くんに恋してることを知ってヒロシの失恋は決定的に。その悲壮感もすごかった。
そのあと「吹っ切れました…」とか言うものの、アキから種市くんの話が出るたび表情が曇る。
その曇り具合がまたうまいというかキモいというか…
小池徹平さんって色白だからか常に目の下にクマがあるんですよね。
そんで冴えない(ように見える)服。えんじ色のパンツとか…。
いかにも「昔、東京に行ったことある若者」という感じ!
なぜか敗北感ムンムン。いつも茶色いジャケットだからかな。
あんなイケメンなのにあんなに輝いてないってのがね。
しかも!!
観光協会の栗原ちゃん(安藤玉恵さん)とデキてしまう。
そのデキた感じがなぜか不倫カップルみたいな生々しさ。
でもアキが種市くんにフラれたと知ると、嬉々としてリアスに入ってくるヒロシです。
「大吉さんからの一斉メールで知りました!」
・・・田舎ってほんとプライバシーないからさ。それがコミカルに描かれてるけど、最初の方の春子の独白、「ここがほんっとに嫌いだった」というのもそういうことでしょうね。
また尾美としのりさんがホントうまい!!
いかにも世田谷にいそうな大人です。
常に穏やかベースなのに、なんか「めんどくせ」って思われてるという。
だのに上から目線ふうがまたムカつかれる。
だけどアキちゃんのクリスマス回は泣けました。
アキちゃんがサンタを今でも信じきってるという。(そのサンタはお父さん)
そのアキを露骨に馬鹿にするのが荒川良々さん演じる副駅長・吉田。
吉田とアキが口げんか。
のんちゃんはこのあたりからすっかり攻撃性が身についてます。
喫茶リアスでの大人の猥談に「うるせー!」とか怒鳴ったり、吉田とヒビキに明らかに馬鹿にされて「なんだ、てめぇ!」と突っかかったり。
皆川猿時さん演じる磯野には「うるせーデブだな」とか心で思う。
でもいっそんと相性はよさそう…?
ヘルメット内の首傾け実践がどうもたけし風になるアキ。
「おめ、違うべ!!!」と、いちいちムキになる磯野(笑)
アキの夢で種市くんといいとこまでいきそうになるのをいつも邪魔するのが皆川さんで、うぇって苦々しい顔で起きるアキってのも楽しい見どころです。
キョンキョンがまた…「はぁ?違うねー!」とか否定語が強い(笑)
キョンキョンはうちの姉と同世代ですが、あの強気で理不尽な否定がまさに!なのです。
アキを根暗で愚鈍扱いするのとか見ると、まんま自分とアキちゃんを重ねる。
そんでアキも確実に発奮するんですよ。むしろそれを見越した愛の焚き付けかも。
発奮したあとの自爆まで必ず見守ってくれる。ここもあの世代に特徴的な情の深さです。
杉本哲太さんとか美保純さんの愛は、木野花さんや渡辺えりさんの世代とはちょっと違う形。
みんな愛があるけれど、よりやっぱり若者にフィットするというか効くというか。
その分のうっとうしさはあるけどね!
アキが攻撃的に伸び伸びするなら、春子も同じくです。
キョンキョンのコミカル発揮!
ユイとアキの振り付けの話に入ってきて、「…ごめん、なんかあたしうるさい…?」とかのババくささがウケる。けど楽しい!!
だからこそ封印してきた歌を歌っちゃおうと思えたわけで。
松田龍平さんはそんでカッコいいですね。
勉さんの弟子ふうにモッタリしてても、色気がにじみ出てます。
北三陸にはなじまない色気。だって最初からなじむ気ないから。
そんで美寿々さんが本気になりそう!これまた美保純さんがうまいんだ。
「お気に入り〜」みたいにミズタクの首に手を回す本気と冗談のはざまみたいな色気!
勉さん塩見さんが琥珀の中に虫を見つけて吠えるところも笑えました。
どうして塩見さんにあの演技をさせようと…そして塩見さんが完璧に勉さんだった。
ユイちゃんの両親役、八木亜希子さんと平泉成さんの親心みたいなのもグッとくるし、全員の名前は疲れたから出せないけどみんなすごいっす…!
過去の出演を「あれが一番」とか言うのは失礼なのかもしれないけど、有村架純さんの若き春子ヤンキー役が輝いてた…!
福士蒼汰さんはちょっとおバカな熱血青年がぴったりだし。
崩れた美男美女の楽しさが堪能できるあまちゃんですよ…。
薬師丸ひろ子さん演じる鈴鹿ひろ美のポスター出演もありました。
リアスのみんなで「あの鈴鹿ひろ美の曲か〜」なんて盛り上がって、アキちゃんだけが、誰?って。
これから運命的な関係性になるとは思いもせずにね。
ジャージ姿なのは、試験に受かって嬉しさのあまり学校プールに飛び込んだから。
種市くんに「ユイが好きだ」と告げられたときは、自転車ごと海に飛び込んでます。
そこで伊勢志摩さん。
「自転車で空飛べると思ったが? E.T.がっっ!」
「ジェームス・ブラウンかっっ!」ってのもありました。
「…わがるやつだけわがればいい…」これが出た5〜8週のあまちゃんです。