森高と静香

森高千里さんの前期ベスト盤がやっと届きました


「森高千里 UHQCD THE FIRST BEST SELECTION ’87~’92」

このアルバムに限って言えば「NEW SEASON」「17才」以外すべて森高さんの作詞です。
お父様も音楽をされていたからか、音楽性がもともと備わってた方という感じ。
どうりで当時のアイドルと一線を画していたわけです。

声こそ独特だけど、歌も上手いんですよね。
江口洋介さんとの出会いは、泉谷しげるさん主催のチャリティーライブだったそうで。
森高さんドラム、江口さんギターとして同じステージに立ったと。

森高さんのアルバムを聴いてると、「17才」からしばらくは打ち込み電子音スタイルで世の中への不満を投下してましたが、いつの間にか作詞にメッセージ性が込められるようになってきます。
「勉強の歌」がその境っぽいかな。
そのあと「この街」「ファイト!!」「私がオバさんになっても」で中高生も女性も取り込むようなメジャー性を帯びてくる。
「勉強の歌」がまたいい歌!私は打ち込み時代の方が好きかも。

 

同時に買ったのが工藤静香さんのベスト。これはダウンロードです。


「工藤静香ベスト」

思い切り歌えた!という楽しさがありました。1巡目。
しかし2巡目(別の日)、どっと疲れた…。

工藤静香さんの曲は3期の流れがあると感じます。
・おニャン子の逸材ドラマチック期(抱いてくれたらいいのに…・恋一夜)
・中島みゆき期(MUGO ・ん…色っぽい・黄砂に吹かれて・慟哭)
・愛絵理期(Blue Rose・Ice Rain・Blue Velvet)

愛絵理(あえり)とは、工藤静香さんの作詞ペンネーム。
この愛絵理期…自分のマインドとまったく合わなくて疲れてしまった。
つまりヤンキーマインドですね。
曲はどれも美しく、歌ってて楽しいのですが、つい歌手の歌い方に寄せてしまいますね。
静香になろうとして…1ミリもなれる要素がないことに気づいた途端疲れた。
中島みゆき期の曲とちょっと歌い方が違うのです。
みゆき期の詞は全然ヤンキーじゃない。みじめさと、声の低さが多くの女の心をつかむはず。

でもたぶん…工藤さんとしたら許せなかったんでしょうね。みじめな恋愛なんかしてねーぞと。
愛絵理期の曲からも苦悩は漂ってますが、みじめさとはちょっと違う。
ヤンキーの恋愛とはこうだぞ!というのを華奢に美しく見せてくれる感じ。

特に「Ice Rain」(1994年)という曲は、静香盤瑠璃色の地球とも言えそうな壮大さです。
歌い出しにもう、これぞ工藤静香!という感動。
なんか…誰かを彷彿させると思ったらこの1994年、YOSHIKIとの交際宣言がありました。
(木村拓哉さんと結婚したのは2000年)
そう思うと、愛絵理期の華奢でセクシーな曲の数々に合点がいきます。

森高さんもヤンキーだったと思われます。しかも熊本のヤンキー。
工藤さんは羽村市のヤンキー。
東京西部のヤンキーも相当強そうです。八王子がなんたって怖いですから。ヒロミとかユーミンとか(ユーミンはヤンキー以上に怖い)
そして旦那もヤンキー。
江口洋介さんは今でこそエリート社会人役が多いですが、「湘南爆走族」でデビューですからね。

 

工藤さんの曲を聴いてたら、中学時代のことを思い出しました。
あのころ、ドラマチックな恋愛はヤンキーにしか許されなかった。
超美男子に心奪われても、ヤンキーのあの子も好きだと噂に聞いたら引くしかない。

1年交際が続けば「結婚するらしいよ」という噂が飛び交い、中学卒業後まで続けば「妊娠したらしいよ」という噂が広がる。
そんで街角のスーパーで本当にヤンキー先輩がベビーカー押してたりするんですよ!
一層痩せてるのにやっぱり美しい。
その痩せた肩を抱き寄せる夫もどこか誇らしげなジャージ姿。ホットロードの世界…。

工藤さんの歌を歌ってて、「叶わない!」と強く思った。
歌ってても寄せられないのです。マインドが遠すぎて。
恋愛とドラマチックさがヤンキーのものだった中学時代の原理原則がはっきり呼び起こされた感じ。打ちのめされた。こんな感慨はなかなかないですね。

森高さんにだってそりゃ叶わなさを感じるけど、曲はまっすぐな失恋ものが多い。
そしてカラッと明るいとこと、ベースにちょっと怒りがあるところやシンプルさが私は好きです。

名曲バラード、「雨」

セルフカバーMVでは白チュニック姿。ヤンキー色なし!
「LEE」姉さんという感じです。

工藤静香さんは「LEE」や「リンネル」の表紙になったことってあるのかな。
やっぱそっちじゃないんですよね。
でも「婦人公論」で何か独白するたびに支持を集めそうです。
存在するだけで妻・母としての説得力がすごいですからね。

とりわけ昔の森高さんの独自性がかっこよくてしょうがない。
数年前のライブは評判になりましたが、ミッツさんがまさに森高さんのかっこよさを的確に表してる。
「他人事性の凄み」これですよ!さすがミッツさん。この他人事性、森高さんの牡羊×水瓶部分と思う。
→「ミッツマングローブ「森高千里の他人事性の凄み」

 

 

 

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