ドラマ「うきわ」

テレ東「シェフは名探偵」のあとに始まったドラマ「うきわ」


(写真はうきわHPより)

この3文字を見てすぐ「うわき」の並べ替えじゃん…と思ったら、やっぱり溺れた人を緊急的に助ける「浮き輪」と、「浮気」とかけてるタイトルのようです。
「救われたい?溺れたい?」
不気味な問いかけです。本当に不気味なドラマなんですよ…

「恋のツキ」の不穏さとどこか似ています。
恋愛・結婚という、普通キラキラ描かれるものにたっぷり暗雲はりめぐらせてる。
自分のメンタルによっては、何も信じられなくなりそうなドラマ。
愛に永続性なんて求めるものじゃないんだろか。

そしてツッコミどころが結構あります。
主役・門脇麦さんと夫・大東駿介さんの「中山家」が、広島から東京に転勤してくることが物語の始まり。
住まいは社宅。隣人は森山直太朗さんと西田尚美さん夫妻の「二葉家」

二葉家への挨拶を終えた後、大東さん演じる拓也が、引越し片付けで何にそんな丁寧に取り掛かってるかというとメダル磨き。
自分の過去のトロフィー、その金属部分をやたら丁寧に磨いてるんですよね。
それは仕事の表彰かスポーツかは不明。そういう夫ということ。

門脇さん演じる麻衣子は、服装からして雑貨好き文化系という感じ。この部分の合ってなさというのが、のちに大きな亀裂となる(だろう)暗示かな。
実際は、違うからこそうまくいくカップルもいるだろうし、やっぱり麦ちゃんのような子と勲章男は決定的に合うはずない気もしてくる。

直太朗さん演じる一(はじめ)は拓也の上司。
西田尚美さんはおそらくドラマでも年上設定。共働き。両家とも子どもはいない。
拓也は赴任直後とはいっても、毎晩帰りが遅い。残業とのこと。一は早く帰ってくるのに。
麻衣子は「同じ部署なのになぜうちの夫は…?」とざわつく。
そのざわつきを打ち消すようにパートを始めるんですよね。クリーニング店の受付。

一は毎晩定時に帰ってきても、部屋には誰もいない。
食事の用意は個々で、といってもほとんど一が調理。
仕事か陶芸教室でいつも忙しそうな妻の聖(せい)。
パートナーがまだ帰ってこなくて…という互いの空虚さを、ベランダでのプチ会話で紛らわすようになった麻衣子と一のドラマです。

 

何が不気味かというと、登場人物の燃えるような結びつきを程なく見せられそうな、その予感。

大東さん…いかにも燃え上がりそうじゃないですか。勲章は体力の暗喩?
直太朗さん…ずーっと静かに我慢してた分の爆発が色気となって発動しそうで怖い。
西田さん…アラフィフ女性が燃え上がる色気は相当美しいはず。
門脇さん…純粋ふうのあざとさが何より怖い。このあざとさで全てを狂わせる予感。
蓮佛さん…三角関係の役が多くないですか…?
田中樹さん…西田さんと関係する陶芸教室の講師。昔の浅井健一さんみたい!

しかし意外なことに、この2話では直接的な燃え上がり描写はありませんでした。
大東さんと蓮佛さんだけでおなかいっぱいだからね!と覚悟してたのに、「うち、すぐそこなんです…」という上目遣いの蓮佛さんと、「もう1軒行こか…」と酔いに何もかも任せたい大東さんが描かれただけ。
なのに想像力すごいかき立てられます。
またこの2人が魚座なのです。溺れること決定。
門脇さんは獅子座。無邪気&ドラマチック決定。
直太朗さんは牡牛座。普通決定。大事なものを手ずから失いたくありません。しかし官能の牡牛座でもある!
西田さんは水瓶座。今のところ仕事のできるクール&合理的な感じ。
そして「普通じゃなさ」に飛び込む気概。
田中樹さんは双子座。スタイリッシュ主義でなんにも選ばないんだろうな。

 

 

2話を見て、いや、1話からイラついてしまったのです。
門脇さん演じる麻衣子、人との距離感がそもそもおかしいと思う。
「自己開示」が過ぎる女ですよ。
・引っ越してきたばかりなのに、直太朗さんに心開きすぎと思う。
そのくせ、すっぴんの顔は絶対見られたくないらしい。
だったらゴミ捨て場で会っても走って帰ればいいのに直太朗さんの後ろをついて歩く。振り返られるとパッと後ろ向く(あざとっ!)
・バイト先のクリーニング店でもタメ口になるの早すぎと思う。
高橋文哉さんがまだ若いとはいえ、先に勤めてるんですからね。
・ティッシュを直接返すために直太朗さんを待ってたとかなんだよ。怖いよ!

自己開示が過ぎる人が天然ということってあるだろうか。
私はどんな人でもなんらかの警戒心を携えて、努めて抑制的に人と接してるはずと思う。
その警戒心は、「相手がどんな人か知らないから」というだけじゃない。
むしろ自分の心がどうなるかわからないから、随分手前で線を引くという警戒心でもあると思う。
そういう警戒心がかなりゆるめの麻衣子。
それは「広島の子だから」という設定で「アリ」になってるっぽいんですよね。
門脇さんが時々繰り出す広島弁がまたあざとい…!

蓮佛さんは大東さんに対してダイレクトにいざなってたな。
「うち、そこです」って、かぁ〜っ!「寄っていきませんか?」ってことですよね。
そういう女は危ないですよ!
あなたの扉開いてるなら入りますって、またいかにも大東さんがそういう役うまそうじゃないですか…魚座!
その点、直太朗さんは「いや、入りませんってば」ってかなり道徳的に警戒心ある人に描かれてます。
でも目の前で泣き出す麻衣子を玄関に入れちゃう。
これはあれですよ、「高校教師」でずぶ濡れになってた繭を部屋にあげちゃった羽村先生と同じです。
常識的な男性の優しさって時に危険ですね…
その男性の真面目さに火をつけるのが、もれなく涙目の上目遣い。
しかし繭だってこれは意識的にやってました。先生の心になんとかして入ろうとしてた。そうしたい切羽詰まった問題があったからなのです(父親とのこと)

私はこの作品は男性の幻想がたっぷり詰まってると思う。
麦ちゃんがどこまでも天然・純粋・はかなげな(家事も料理もちゃんとやる)女性に描かれてます。
地方から連れてこられた20代の女子も、きょうびそんな素朴じゃないと思う。(わかんないけど!)

そんで西田さんがちょっとキツめに描かれてるのが個人的に気になりました。
年下の夫を大事にしなくなった女。忙しいんだから料理作るの週1ね、みたいな。
アラフィフ・アラフォーって健気さがすりきれた女、みたいに描かれがちなんですよね。
私は年を取っても人の健気さはそうすり切れるもんじゃないと思う。
そう見えるフィフやフォーは、20代からそういう人なんですよ。昔から意地悪なんだってば。
今後、西田さんがもっと魅力的に描かれてることを期待します。
田中樹さんがめちゃかっこいい。
けど、あんな陶芸講師はヤバすぎると瞬時にわかる。
しかしそんな彼に「本気です…」と言われたら…

直太朗さんが女性の部下に、「感情を出さないのって思いやりかもしれないけど、保身でもあるじゃないですか」と言われるシーンがあった。
「思いやってるようで、実は自分のため」
不倫は、特に女性がしてるとなるとバッシングがすごい。
篠原涼子さんとか今すごい見出し書かれてますね。
女を社会的にこき下ろすなんて簡単かもしれない。しかもアラフィフ。
誰から見ても「いい夫」の、直太朗さん演じる一。
聖は、どうであったら賛同を得られるのだろう。
「それならしょうがないよね」という理由をいくつもいくつも積み上げなければ、目の前には茨の道しかない。
そんなことわかってて飛び込んだと思う。たとえ年下からカッコ悪く振られることになってもね。
不倫なんか一度も考えたことないような一は確かに素晴らしいとは思うけど、浮気したか/しなかったかだけが人間の魅力ではない。
「思いやり」と自分だけが思ってる人特有の冷たさってあるじゃないですか。不倫しないのは愛とかじゃなくて保身?「自分がされて嫌なことはしない」、そうじゃなくて「愛してるから(浮気)しない」となぜ言えないの。
そして大東さんはドーパミンだかテストステロンあふれるような役が本当に上手いですね。役っていうか本当にあふれてる。
そういう男にすぐ惹かれるのが蓮佛さん(役)という感じです。


 

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