大女優並列

1ヶ月前にNHK深夜で再放送されていた「けものみち」(1982年)
やっと録画を見ました。

松本清張原作、ジェームス三木脚本、和田勉演出という「あのころ感」が贅沢に詰まった名作。
見応えありました。
主役は名取裕子さんで、名取さんをけものみちに引きずり込むのが山崎努さん。


(写真はNHKオンデマンドより)

けものみちの先にいたのが政財界の黒幕・鬼頭洪太役の西村晃さん。私の世代の黄門様です。

このおじいちゃんのお世話役・おもちゃ役になりつつ色気が増していく名取さんがすごい!
そしてなんとも官能的なドラマでした。山崎努さんも男前!
加賀まりこさんも出られてましたが、あのころの女優って上品さと賢さと秘めた純粋さ、からの悲哀感をたっぷり漂わせてたのですね。
私は幼い頃からドラマ大好きでしたが、現在60代以上の女優さんから人生を学んだと言っても言い過ぎではないです。
私がドラマや映画で見てきた女優たちを12星座別に並列してなにがしかを感じてみます。
(敬称略)

牡羊座

いしだあゆみ、梶芽衣子、佐藤オリエ、田中好子、宮本信子、桃井かおり、森下愛子

★名前だけでワクワクしてきます。
総じて気が強い・純粋すぎるがゆえの周りとの衝突感。時に孤立。ここに少女はクラス内の自分を重ねてたわけです。
森下愛子さんは「うちの子にかぎって」など子どもがたくさん出てるドラマに出られてたからか、私にとってとりわけ保母さんみたいな存在です。

牡牛座

かたせ梨乃、岸田今日子、田中裕子、夏木マリ、風吹ジュン、松尾和子、森光子

★色気と生活感が同時に漂ってきますね。
堕落などしてない。むしろ丁寧な生活が感じられるような。
なんたって田中裕子さんです。どんなに抑制気味でも素朴な色気があふれてしまう魅力!

双子座

沢口靖子、壇ふみ

★私にとって壇ふみさんといえば連想ゲーム。ふみさんが活躍すると嬉しかったですね。
沢口靖子さんはまだ50代ですが、朝ドラ「澪つくし」からの「痛快!OL通り」「痛快!ロックンロール通り」と、意外性に富んだ役で少女の度肝を抜いていました。

蟹座

浅丘ルリ子、淡路恵子、大竹しのぶ、片平なぎさ、木の実ナナ、古手川祐子、佐々木すみ江、長山藍子、倍賞千恵子、松坂慶子

★蟹座女優の大御所感がずば抜けてます。昭和に愛された方たち。
少女時代の私は古手川祐子さんがとにかく好きでした。なんのドラマをよく見てたか覚えてないのですが、CMはごろもフーズのお姉さん感でしょうかね…カチューシャとジャケット姿がキマってました。

獅子座

秋吉久美子、伊佐山ひろ子、岸惠子、名取裕子、美保純、高橋ひとみ?

★あのころの獅子座女優は色気系ですね。「わたし脱げますよ」という能動性が勝手に感じられます。
それでいて少女性にキュンとしちゃうような透明感ある方たち。伊佐山ひろ子さんがまたいろんな主役の陰を引き出すんだこれが…

乙女座

泉ピン子、紺野美沙子、竹下景子、藤田弓子、三崎千恵子、山岡久乃、高橋ひとみ?

★「乙女座」というイメージを裏切らない清楚系・きちんとチャキチャキ系でしょうか。
寅さんでの三崎千恵子さんおばちゃん役はずっと見ていたい。前掛けで涙ぬぐうんですよね。
竹下景子さんの「北の国から」ゆっこおばさんが大好きでした。

天秤座

白川由美、松金よね子、松田美由紀、三田佳子

★あのころのTBSといえば白川由美さんです。最近まで毎シーズンのように出演されてましたよね。
松金よね子さんのお元気な姿を拝めるのも嬉しい。
三田佳子さんといえば「Wの悲劇」、「北の国から(ドラマ)」の松田美由紀さんは何度も見たくなる可愛らしさです。

蠍座

池内淳子、石田えり、大原麗子、坂口良子、志穂美悦子、田中美佐子、中田喜子、倍賞美津子

★「釣りバカ」「キッコーマン」「池中玄太」「気まぐれ白書」…名前を見ただけで胸にこみ上げるあのころです。
とりわけ志穂美悦子さんが大好きでした。「スタンドバイミー〜気まぐれ白書〜」で孤独な小川範子さんの心をこじ開けるんですよ。バイクの後ろにのっけて。知ってる人は悶えますよね…?

射手座

加賀まりこ、加藤治子、小林麻美、杉田かおる、太地喜和子、十朱幸代、夏目雅子、樋口可南子

★杉田かおるさんはまだ50代ですが、なんたって「池中玄太80キロ」長女役。「鳥の詩」も歌えますよ。
射手座女優はキップの良さが際立ってますね。ヤンキズムの美しさを教えてくれた方たちです。十朱幸代さんも「はごろもシーチキン」のCMやってましたね。

山羊座

秋野暢子、池上季実子、岩下志麻、大場久美子、丘みつ子、樹木希林、岸本加世子、中村晃子、初井言榮、原田美枝子、野村昭子、松原智恵子、八千草薫、吉田日出子

★蟹座が「愛され」の大御所感だとすると、山羊座はずばり「貫禄」。
中村晃子さんは80年代映画のお色気シーンでよくお見かけしました。
幼いながらに池上季実子さんの美しさにため息ついてた記憶があります。吉田日出子さんの魅力もいつまでも残ってる。

水瓶座

浅田美代子、石原真理子、岡田奈々、小川知子、香川京子、香坂みゆき、高橋惠子、多岐川裕美、根岸季衣、野際陽子、真野響子

★元祖風星座女優という感じ。存在感・説得力があふれます。
私の中であのころ=バブルの美人といえば多岐川裕美・池上季実子・篠ひろ子ですね。
一生かかってもあのウェーブ髪にはできない・あんな肩パッドジャケット着れる気がしないと、憧れどころか少女をおののかせる存在でした。

魚座

赤木春恵、篠ひろ子、菅井きん、藤谷美和子、吉永小百合

★その篠さんは魚座。伊集院静氏の妻になったというドラマチックさは私にとってリアル金妻です(なんのこっちゃ)
藤谷美和子さんもまだ50代ですが、「池中玄太」でのチエちゃんがまぁぁ可愛かったんです。
森下愛子と藤谷美和子みたいな保母さん・家庭教師との出会いを夢見てたような時期もありました。

 

もう本当に本当にドラマの楽しさや女性としての輝き方を教えてもらったような方たちです。
その女性性は、男に尽くしまくるとかそんなんじゃない。もっと対等だったはずです。これからは対等であれ!と社会を変えていくようなエネルギーがありましたかね。
憎たらしい野郎には「はぁぁ?!」とか目をひんむいてにらみつける。
それでいて好きな男には「もっと一緒にいてくださらないの?」って上品にすがる。
「冷たいのね…」って寂しさもはばからずに…!
おとなしく「選ばれ」を待ってやいません。大体気が強そうですからね。

それを受け止めるのがまた自信に満ち溢れたダンディズムですよ。
山崎努、風間杜夫、仲代達矢、田村正和、松田優作・渥美清。
そう思うと今は全体的に華奢ですね。
鈴木亮平さんたくましいじゃん、ってそういう話じゃない。
なんでだろうな。やっぱ景気?

たぶんですが、あのころ「戦中・戦後をどう生き延びてきたか?」という過去がベースにある役を多く演じられてきた方達ですよね。特に男性はそのあたりの計り知れない過去を秘めていた。
女性はその過去にひどく共感する境遇(貧困)、もしくはわりと裕福に育ってきての野性への憧憬を秘めるお嬢さん。そのお嬢さんから野性味を引き出してあげよう…と山崎努さんあたりが名乗り出て人生めちゃくちゃに…というドラマチックさがありませんでしたっけね。

あとあのころの記憶に残るドラマはなんだかんだ社会問題も描かれてた。
韓流に負けないドラマチックさや衝撃・味わい深さがあったのですね。
でも「けものみち」見てたら、何をどう頑張っても黒幕に行き着く怖さと絶望があった。男社会の闇。
誇張されてるとは思うけど、「けものみち」にはモデルもいたらしいのでオールフィクションでもないと思う。
今は全体的に優しい方向に流れてるから、それもすごく良いこと。優しげなドラマも楽しい。
けどね、まぼろしみたいな「大人の魅力」をたまに堪能するのも楽しいです。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です