この倍速の時代に

「これ、自分に合わない作品かも」と思っても、見続けるか・見るのをやめるか。

見続けるのも勇気いるし、やめるのも勇気がいる。
でも一応まだ「見続ける派」と思う。
この倍速大時代に、倍速もせず。

それでも最近は1話でチャンネル変えたり停止ボタンを押すことも増えた。
増えたんだけど今週は見続けた。
時間を返してほしい。心からそう思った作品もあった。

 

ワクワクしっぱなし!という作品もありましたよ。
テレ朝新日曜ドラマ「何曜日に生まれたの」
さすが野島伸司さん!


何曜日に生まれたのHPより)

いいよ〜飯豊ちゃんいいよ〜
地味さと潜在的な美しさを秘めた飯豊ちゃんぴったりだよ〜
その美しさは、ドラマ合間の金鳥CMでも拝めるんだからたまらないですね。

いや、飯豊さんが美しいのはもう世間の多くが知るところ。
ただこのドラマはそんなまりえを埋もれさすかのように、共演女優に殊更華やかな人をあてる。
シシド・カフカさんと早見あかりさんが姉妹という設定。
あの派手な2人が投入されたことで、Tシャツ姿の飯豊さんが地味に見える嬉しさ。

そして野島作品といえば奇妙な父親。
飯豊さんの父は陣内孝則さんで、漫画家役。
連載が打ち切られて、溝端淳平さん演じる人気漫画家とコラボすることでなんとか生計を立てようとする父子家庭設定。
しかも娘をひきこもりと認めたがらない。
そのアセアセしたところが陣内さんうまかったな。
大体、よく陣内さんをあてましたね!というまた嬉しさ。

タイトルがいいですよね。
「何曜日に生まれたの」、略してナンウマ。
対人恐怖症気味の飯豊さんに、溝端さんが話題のきっかけを授ける。
血液型や星座みたいに軽く聞いてみては?と。
いい!
という爽快感と同時に「なんで!」というツッコミも湧く。
きょうび血液型も星座も人に聞かないだろ…
それで生まれ曜日を聞きますかね…
ってか何曜日生まれか知ってる人などいるものか…
私は木曜生まれだけどさ…
案外、場が盛り上がったりするのかも?

飯豊ちゃんをずっと見てたいという人は一定数いると思う。
岸辺露伴よりもっと素顔に近いような役で。
そんな飯豊ちゃんと野島作品という組み合わせ、最高ですね。
夏の楽しみがひとつ増えた。

 

いつからか新ドラマの始まりが一斉スタートじゃなくなり、こんな時期に1話という作品もある。
さっき見たのがテレ東「やわ男とカタ子」
見続けようか・見るのをやめようか逡巡した1つ。

もう設定が苦手だった。
モテないままアラサーを迎えたことを異様にコンプレックスに思う松井玲奈さん演じる主人公。
そんでイケメン弁護士でオネエ役という三浦翔平さんとこれから恋愛関係になるのかもしれない。
バイなのでそれもありうるという設定らしいけど、ありうるのか?
目当ては皆川猿時なので、そこまで早送りしようかとも思ったけど、皆川さん出てくるまで辛抱強く待った。
皆川さんの演技はやっぱ好きだなぁと思えたので、来週も録画しようか迷う。

大体、テレ東深夜はいつから1時間近く放送するようになったんだろう(49分)
30分だからよかったんじゃないか!
・・と思ったら、この枠は深夜1つ前の「ドラマプレミア23」という枠で、そういえば同枠の「うきわ」も49分だった。
この枠の第1弾は中村倫也さん主演の「珈琲いかがでしょう」
そういえばこのドラマも「やけに長いな、テレ東なのに」と思った記憶。
テレ東ドラマは30分だからいいんじゃないかよ。
30分なのにこのクオリティー、この役者陣!という濃厚さがいいんじゃないのかよ…
「もっと見たい」という欲なんて叶えなくていいんだよ、飽きるから。

 

そうなんだよ、今や倍速時代。
実際倍速してなくても気持ちは倍速モードです。
最近Netflixで見た「ちひろさん」ときたら2時間と。
これは一応映画として上映もされたそうで。
だから長いんだとも思うけど、飽きた!!!!


ちひろさん公式サイトより)

「今何分だろう」と時間を何度もチェックし、「あと何分だろう」とジレてしょうがなかった。
1時間を過ぎて、胃の底が冷えるような予感がしたのでいったん再生を止め、別日に続きを見る。

許せない。
ホームレスのおじさんにも分け隔てなく接し、
「お弁当をおいしそうに平らげる女は魅力的」という描き方で、
元風俗嬢という男のロマンを詰め込んだような設定が許せない。
「お前ら、こんな女になれるか?(なれないだろう)」というメッセージが込められてる気がして許せない(込めてないかもだけど)
だけど有村さんの魅力100%だったので写真は貼り付けたい。

昨今の邦画の長さには図々しさを感じるほどで、120分なんてむしろ短いほうかもだけど、この倍速時代に2時間割くというのはとても勇気がいる。
昔の映画、特に洋画がおもしろいと感じたのは2時間を切ってたからかもしれない。
ウディ・アレンは「アニーホール」はじめ多くが90分台で、デ・ニーロの「タクシードライバー」も「キング・オグ・コメディ」も100分台。
「E.T.」だって114分。
邦画は昔から2時間超えが主流だったかもしれない。
120分を超えるととたんに「わからない」と投げ出したくなる冗長さも特徴的。
今思えば邦画の良さともいえそうだけど、昔はあえてわからなさやくだらなさが入ってたのに、昨今は120分全部真面目みたいなつくり。
もしくはミュージックビデオみたいな美しい自然風景タイム。
海を見てたり、猫と遊んでたり。
かと思えば急に嘔吐したりする。
(ちひろさんは誰も嘔吐してません)

映画離れがこれ以上深刻になる前に、90分台で製作をしてほしい。
切に思う。
ネトフリの邦画ドラマが人気なのは、1話が60分程度だからと思う。
「離婚しようよ」は平均60分、「御手洗家、炎上する」も多くが50分以下で、さほど興味なくても視聴ハードルが一気に下がる。
そこへくると韓国ドラマは、あっという間に時間が経ってた!むしろ見終わりたくない!と思えるほどストーリーが濃厚で、すごいですよね。
かといって愛の不時着をもう一度見る勇気はちょっとない…再生したら見ちゃいそうだけど。

「ちひろさん」は豊嶋花ちゃんがよかった。
「ばらかもん」でも中学生っぽさが光ってる花ちゃん。

あとテレ東ドラマ24枠「初恋、ざらり」は本当いい。
小野さんと風間さん本当うまい。
30分のぎゅっとした濃厚さ、たまんないですね。

 

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