「おむすび」毎日見てるけど、だんだん「あれ?」と思うことが増えた。
結の姉が出てきてからは特に「約束」の重みが描かれていて、なぜ約束を大事にするかというと、阪神・淡路大震災で亡くなった親友の思いを抱えているから。
なんか・・・「女は約束を大事にするもの」みたいに描かれてるように思えてしまう。
あくまで「結という女性の物語」と、頭ではわかろうとするんだけど、「おむすび」の女性の描かれ方がワンパターンというか、男性の幻想の中の女子に思える。
脚本の根本ノンジさんのドラマはどれもおもしろくて好きなのですが、私が好きなのはいずれも原作があるものだったような。
今回のようなオリジナルとなると、女性ばかりのストーリーを描くというのは難しいんだろうか。
ストーリーはとても丁寧と感じるから、毎期見ちゃうんだけど。
結という子が「おいしいものを食べるのが好き」「おいしいものを食べると元気になる子」と描かれてると、つい警戒してしまう。
そんな単純な子っていますかねと。
そりゃおいしいご飯食べたら大抵元気になるでしょうと思うけど、例えばクラスの自己紹介で「私はおいしいものを食べると元気になれます」という女子がいたとしたら、なんだかな、と思う。
そんでリアルだと自己紹介はあくまで「うわべ」で、「それしか言うことないし」とか言う、実はおもしろいタイプだったりするんですよね。
ただ、「おいしいものを食べると元気になる」というところが結にしっかり根付いてるところは今後のポイントになりそう。
来週の予告では「栄養士になりたい」と言ってました。
あと恋愛の描き方も妙な感じで、良太と他校の野球部員に思い切り興味持たれてるのに、なんか鈍感というか、ずっとクールな結。
「ああ、またあんた?」みたいな。
そのくせ、書道部の風見先輩には一瞬で心奪われたりする。
その露骨な極端さは万年無気力の結っぽくない気がする。
そのくせギャルも書道部もやめる理由は「風見先輩に失恋したから」じゃないという。
うそつけぃ!
そこは失恋ショックでいいじゃんと思ったけど、まぁあの無気力さと複雑な感情のゆえんは今後描かれるのかな。
いちいちツッコむ面倒な視聴者になってしまってますが、「女は約束と友情に忠実」みたいに描かれてるのがなんだかな〜と思ったから。
再放送の「ちゅらさん」がいよいよ最終回間近です。
私はリアルで見てなかったので、えりぃが病気になる展開はショックでした。
でもすごく感動的なんですよね。
名作だと思う。
私が個人的に名作のセオリーになってると思うのは、「多世代の物語になってる」ということ。
中年や老人も重要人物として描かれる。
主人公をただ優しく慰めるだけの「いい人」として中年や老人を使うのではなく、「個性」を存分に描くドラマっていいドラマが多いと思うのです。
「ちゅらさん」は、えりぃが住むアパート「一風館」に多種多様な人を住まわせることで、それぞれの人生にも時に光を当てる。
まさかえりぃ夫婦があそこで子育てまですると思わなかったけど、子どもをみんなで育てる理想のシェアハウスみたいな形が20年前に描かれてたんだなぁと。
しかも「女は家事」みたいなことが強調されてないんですよね。
余貴美子さんは柴田(村田雄浩)と結婚しても変わらずバリバリ働いてるし、真理亜(菅野美穂)も、小説家として自立してる。
寮長のみづえさんと住人の島田さんの老人の恋愛もあったし、戦争体験者のみづえさんとおばぁ(平良とみ)の会話も胸に迫ったし、何より島田さんの孤独には涙しました。
そんな老人たちが語る言葉にはいつでも重みがあり、若者たちは最大の敬意を払う。
そんでまた、「男は労働・世帯主」という描かれ方でもなかったですね。
えりぃの父親(堺正章)はいつも三線抱えてるし、兄のゴリもずっと家にいる。
弟の山田孝之はバンドマンだし。
柴田はサラリーマンっぽいけど、一風館でみんなと夕飯食べれる時間には帰宅している。
「みんないい人」みたいに一見描かれるけど、そうでもないトゲもたっぷり描かれたし、どの登場人物にも厚みがあって楽しかったです。
えりぃの勤める病院の看護師仲間たちもよかった。
そんでやっぱ中年として描かれた婦長の戸田恵子さんも素敵で。
多世代の物語といえば「あまちゃん」もお見事なんですよね。しょっちゅう言ってるけど。
片桐はいりさん演じる安部ちゃんの温かさとハッスル感は、思い出してもじんわりきます。
クドカンは昔から中年女性をわりとはちゃめちゃに描く。
主人公の母親とかぶっ飛んでるし。
どういう女性観かとも思うけど、あれくらい個性的に描かれた方が、「いい人」よりずっとおもしろい。
「おむすび」の麻生久美子さんはまだ中年としては見れないかな。
今後、どのくらい50代・60代の中年が描かれるだろう。
宮崎美子さんはすんごいおばあちゃんっぽく演じられてて、そうなるにはまだ早いように思うけど、そういう演出指導があったのかな。
細かいね。
でも中年と老人を尊重しないドラマは、制作側の何かがにじんでると思ってしまう。
若手に中年や老人を演じさせるのではなく、その世代に合った役者を使うということ。
そうじゃないドラマって、「別に描かなくてもいい存在」と制作側が思ってるんだろうなって。
「いい人」として描いとけばいいかな、とか。
「ちむどんどん」は仲間由紀恵さんが中年と老人まで引き受けてくれたけど、鈴木保奈美さんの描かれ方がひどかったですよね。
男性脚本家がそのくらいの年齢の人をどう見てるのか、そういうのもあふれてしまうのかな。
だって女性脚本家の熱量とずいぶん違うと思ってしまう。
「虎に翼」は確かに重い内容と思ったけど、「革命を起こそう」という制作側の気概がすごく感じられた大作だと思うのです。
吉田恵里香さん、すごく多くの問題を描かれましたね!と。
「カムカムエブリバディ」も壮大な感動作でした。脚本は藤本有紀さん。
もちろん個人の好き嫌いはあるでしょうね。
女性でも「虎に翼」苦手だった人もいただろうし。
男性脚本家が女性を主役として描くのって難しいのかなとまだ思ってしまう。
描ける人が少ないというのか。
「ちゅらさん」は岡田惠和さんですが、岡田さんは山田太一イズムを抱いてらっしゃるのが感じられるというか、いつも家族・社会人ひとりひとりの個性が丁寧に描かれてるんですよね。
ただ男性が描く女性主人公って「笑顔が素敵な女の子イコール魅力的」と書かれることが多いような。感想うるさいね。
今の大河は大石静さんですが、これまでの戦中心の大河とは違う安心感!
戦はないけど権力欲がたっぷり描かれてるし、なにせ恋愛模様ですよね。
心の描き方が丁寧で、かつ史実に沿われて書かれてるし、毎週楽しみにできるドラマがあるのは幸せです(毎回言ってますが)。
ところで最近はnoteへの投稿が連続して、こちらはたまに…という感じです。
伸び伸び書けるのは断然こっち。
反応がアクセス数でしかわからないという気楽さがすごくあるのです。
だから好き放題に書きたいことがあるときはこちらに書く。
もちろん星のことも。
noteは、「誰が読んでくれるか」という顔が見えやすく、すごく神経を使って書いてます。
それでもあちらに書きたいというのは、ひとつは今のところ私の直接の知り合いがいないので、「誰も知らない自分」を存分に出しやすいこと。
そして、「誰がどんなことを書いてるか?」がわかりやすい場なので、「私も次はこんなことを書こう」と刺激されやすい。
「こんなことを書きたい意思」がみんなはっきりしてて、そこに「参加してる」とう意識があります。
私のnote名は「敷根もも」です。
もしご興味あれば。
(心境の変化によってはこのページからnote名を削除することがあるかもです)