「キンキーブーツ」

友人に誘われて、ミュージカル「キンキーブーツ」を見に行ってきました。

チケットは友人が先行で取ってくれたS席。とはいっても後ろの方の席でした。
でも一般発売は5分で完売したとのこと。
いやぁぁそうでしょうね。だって本当に素晴らしい舞台だった…!

「三浦春馬すごっ!」

このことを友人に耳打ちしたかったのをぐっとこらえて、休憩時間。
「すごいぃぃぃ…」と即、友人に伝えた。
友人も「すごいねぇぇ」と、共感し合える喜び。

誰の歌声もバシッと迫力あってまっすぐで聞き取りやすく、リズミカルな舞台移動も楽しい。
そして三浦春馬さん演じるローラが登場したインパクトにドキュンと一瞬で胸打たれました。
楽しい!素敵すぎる!
三浦春馬さんの歌声や声量もすごいけど、ダンスやドラァグクイーンとしての所作が素晴らしすぎる!
ただの女装じゃない。ドラァグクイーンなのです。

 

ストーリーは、とってもシンプルでわかりやすかったです。
小池徹平さん演じる靴屋の息子・チャーリーが、父とは違う道を歩もうとしていたのに、その父の急死で止むを得ず靴屋の2代目になることに。
ところが経営は芳しくなく、ピンチに陥りかけていた。

あるときチンピラに絡まれそうになっていた三浦春馬さん演じるドラァグクイーンのローラを助けたチャーリーは、そのローラの履いてた靴のヒールを修繕することをきっかけに、「男でも女でもない人の靴」というニッチなところに目をつけ、その路線を追求することで経営上向きのチャンスを掴む。
そのチャンスの一つがミラノでのファッションショー。
だけどそのショーに気合いが入りすぎるチャーリーは、従業員から愛想をつかされ、ローラを傷つける言葉を吐いてしまう。

ショーでのモデル役を務めることになったローラは、ミラノへの出発前になっても空港に現れず、チャーリーがモデル役を引き受けるものの、長ブーツなど履き慣れないからウォーキングもボロボロで…。

小池徹平さんもブーツを履いてたのはそういうわけなんですね。

 

三浦春馬さんという方は不思議な方で、ドラマでは朴訥とした真面目教師役からセクシーで女慣れしている役、そして童貞役など、その役柄は実に幅広い。
NHKの「世界はほしいモノにあふれている」も、時々流す程度にしか見てなかったですが、いつでもJUJUさんの印象ばかりが残って、三浦春馬さんといえばあの色白で穏やかな笑顔しか印象になかったのです。
それが今回のローラというドラァグクイーンの役。
もうなんっって華やかなんでしょうと、その所作もセリフもまた説得力あるし…。

劇中ではローラが普通の男性用スーツ姿になる場面がありますが、もうよく見知ってる三浦春馬さん。
さっきまでのオーラはどこに!??というくらい朴訥さをまとうのです。
そりゃイケメンです。それは遠くからでもよくわかる。

三浦さんはそういえば「性」がテーマとなる作品にも多く出られてるのです。
「わたしを離さないで」では、綾瀬はるかさんとのベッドシーンが印象的でした。
「肉体」もまた、華やかに人の目に触れるんでしょうかね。
「キンキーブーツ」でも、ボクサー姿の上半身裸姿を拝めました。
背中や肩の筋肉がものすごかったです!
またピンヒールの靴でずっと踊りっぱなしなのです。

 

小池徹平さんがまた、私の遠い席からでもイケメンぶりがよくわかりました。
いいとこの坊ちゃん役がお似合いで、小池徹平さん自身が確かに品のある方なんでしょうね。

私は三浦春馬さんを見て、この役をやるためにまるで生まれてきたみたい、とまで思いましたが、小池徹平さんもソロでスポットライト浴びる歌唱シーンがむちゃくちゃかっこよかったのです。
外国人という役がぴったりで、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマーティー役も合うんじゃないかと思ったりしました。
小池徹平さんがなんとか慣れないブーツを履いてランウェイに立ち、もうダメだ〜ってコケたところで三浦春馬さん登場。
このシーン以降涙が滲みっぱなしでしたよ…。

あと小池徹平さんのいずれ恋人になるソニンさんもキュートでした。
金髪のカツラつけてましたが、セリフの言い回しといい、大仰なズッコケといい、本当に外国人っぽかったです。
男性陣に負けじの表現がとても楽しかった。
あんなにコメディエンヌなところを見せてくれるなんて。
小池さんの最初の恋人役・玉置成実さんの歌声も素敵だったし、もうみんなみんなすばらしかったです。
ミュージカルってお手頃ではないけれど、あの華やかさや連係を思うとなんとも贅沢な娯楽。
本当に素敵なものを見たという感想しかないです。

 

そしてこの舞台の大きなテーマが、「相手のありのままを受け入れる」

昨今、ゲイや女装をする男性の物語が増えましたよね。
2019年というか令和は、そのあたりのボーダーレス化が一つの大きなテーマになるのでしょうね。
こういう物語で描かれる「わかり合い」のところっていつもとっても優しい。
でも本当はどうなんだろう。それはいつも気になるところです。
舞台ではそのあたり、ただ優しいだけで始まって終わるわけじゃなかった。

偏見が嫌で嫌で町を飛び出したローラ。
でももう一度その偏見の中に入って、ありのままの自分を表現するローラ。
最初はとてもものわかりのよいチャーリー。
だけどこだわりの強さは、差異の排除や否定を浮き彫りにする。
ローラを奇異の目で見ていた従業員たちは、「ありのままを受け入れる」、それなら自分たちにとって何も難しいことじゃないと気づき、そして自分次第でいろんなことが変わっていく。

最後の全員でのダンスシーンでは、涙がにじんでしょうがなかったです。
でも涙を拭くよりも手拍子をしてたかった。

「キンキーブーツ」は元々は映画で、海外でミュージカル化され、それの日本版だそうで。
その日本版の台本は岸谷五朗さんが手がけられてるんですよね。
だからなのか全体的にとってもユーモアあふれてました。
なんたってセリフがわかりやすかった。
舞台はちょっとでもセリフ聞き取れないとよくわからなくなっちゃうのですが、みんなものすごく滑舌がよかったです。
なんと音楽をシンディ・ローパーが手がけられてるというね、ここも見どころです。

 

総スタンディングオベーションなんて初体験です。
客席が明るくなって退出のアナウンスが流れてもまだ止まらない拍手。

いやもうすごかった。
でも大変なんですよ。
明日は岡村ちゃんライブなのです。
春馬が上書きされてしまうのか、それとも春馬が明日も心に居座るか…。
いかんいかん!!
明日は明日で明日のことを楽しんでこようと思います。
でも今晩の夢には春馬・ローラが出てきてほしい。
いや、春馬の状態で!!

 

動画だけでもすごいけど、実際の魅力はこの100倍。
三浦春馬さんは初演時にいくつか賞を取られたそうです。

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