*2013年の記事です。ヤプログ終了に伴って、こちらに移してきてない記事をこれから徐々に移行します。
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大根仁監督が「モテキ」以来の連ドラを手がけるということで毎週録画をしている「まほろ駅前番外地」
ここまで3話見てみたけど、じわじわと、1話ごとに、引き込まれていってます。
私はこれまで映画の「まほろ駅前多田便利軒」は見たことがなく(今日見たけど)、正直出演者とか音楽の雰囲気だけで、オシャレな文化人しか受け付けない世界観なのでは・・・と警戒感を抱いてた。
そんな斜めな気持ちで1話を見てみたら、瑛太さんも松田龍平さんも完全にやる気のない役で、なのに何しててもかっこよくて、「やっぱな」と、まだひねくれた見方をしてる自分。
けど、永澤俊矢さんが出てきたり、その奥さん役には坂井真紀さんだったり、なかなかニクい俳優さんが出てくる。
そして、よく注意して見ると、やる気がないのは松田龍平さん演じる行天だけで、瑛太さん演じる多田はなかなか熱くて情が深い。
実はこちらを見る前に「最高の離婚」を見ていた。
もう2話目以降への興味を失ってしまった。
瑛太さんの役柄に入り込めそうにないと思ってしまったから。
それもあって「まほろ」にはかなり警戒感を抱いていたのだ。
けど・・・瑛太さんはやっぱり魅力的な役者さんだ。
瑛太さんは、鼻の付け根の美しさアワードを勝手に開催するとしたら間違いなくナンバー1に選ぶくらい好きな方なのだけど、作品によってものすごく沁みるときとそうでないときの差が自分の中で大きい。
「まほろ」の多田は、久々に瑛太さんの魅力をパーフェクトに発揮できてる役だと思いました。
「篤姫」以来かなあ。
「アヒルと鴨のコインロッカー」を見た感動と同じ感触というか。
「それでも、生きてゆく」も胸打たれたシーンはたくさんあったけど、なんかフジテレビっぽさがちょっと鼻についたというか。
フジテレビの瑛太さんの使い方があまり好きじゃないだけで、個人的に。
局とか関係ないのか?
松田龍平さんは文句なく格好いい!
物語がどこか「探偵物語」のオマージュに思えるから、やっぱりこの方しかふさわしい役者さんはいないのじゃないかと思える。
それに「にゃははは!」って笑い。
ドラマ見てて、あれがなんかいいと思ってたのですが、今日映画を見てみたら、あの笑い声こそ行天という男への愛着心を起こさせる引き金みたいになってるんですよね・・・。
それにしても毎度ニクい役者さんが出てきます。
2話の、レーザーカラオケ映像の中の女性、50代になってるその女性を演じられた方がとっても魅力的!!
その女性を見つめる行天・松田龍平さんがまたよかった。ここでこの50代の女性に恋をしてもなんら不自然さはないほどに。
撮る方が、そういう年代の女性が持ってる色気をよく理解していたり、何かしらの憧れを抱いてたりしなければ、あんなに魅力的に撮れないんじゃないかとすら思えました。
それに、この女性は昔は薬もやったしAVにも出た、アル中にもなった。そんな女性の疲れた人生をネガティブに撮るのではなく、酸いも甘いも経験した女性の憂いへのリスペクトが感じられたのです。
3話では、これまたダメ女が出てきます。
川村ゆきえさん演じるキャバ嬢は土下座をされれば1回だけ体を許しちゃう。
心の中で「こいつもダメだな・・・」とつぶやくや否や耳に入った行天のセリフ。
「あんた、いい子だね」
かわいくて胸が大きくて、しかもそれを強調する服着てて、挙句ガードがゆるい。
これは普通、女子が蔑む格好の女子像なわけですが、行天にこんなことを先に言われてしまったら、不思議と愛着が湧いてくる。
また、湧くような女優さん使ってんだもんな!
そして私がずっと気になってたのは広島弁を使う警官。
「このカバチタレが!!」
笑えるな~。
しかもなかなかな男前。「誰?」と思わず調べてしまいました。
本業はお笑いの方でしたか~。
「まほろ」の宣伝であちこち目にした「音楽はあの坂本慎太郎さん!」
誰だっけ・・とこれまた調べてみたら、元ゆらゆら帝国の方なんですね。
しかも!「愛のむきだし」のエンディングの「空洞です」はゆらゆら帝国で、あの声はつまり坂本慎太郎さんで・・・といろんなことが芋づる式に発覚。
買っちゃいましたよ、ゆらゆら帝国のアルバム。
ここのところは「くうぅぅっっどぉぉぉ・・・!」と1日に1回叫ばないといられないほどヘビロテ。
それにしてもやっぱりオシャレ文化人な作りだな~と斜めな気持ちはまだあるものの、すっかり「まほろ」のほとんどを気に入ってしまった私は、今期は「北の国から」と「まほろ駅前番外地」を楽しみに1週間働こうと思う。
追記:映画では、まさかの多田と行天がバツイチ・子持ちの経験ありの事実がさらっと明かされる。
でも、このあたりの話が弱火のようにずーーーっと映画の底辺でふつふつしてるので、どことなくけだるさのある2人のそのゆえんを知るには、やはり映画もしくは三浦しをんさんの原作は欠かせないのじゃないかなと思う。
そして映画でも、ふと流れる音楽がやけに沁みると思ったら、くるりの岸田繁さんが手がけてた!やっぱり~。
瑛太さんという役者さんはその目に母性も父性もあふれてて、表情がぴくりとも動かなくても切ない雰囲気を生み出すことのできる方。
その魅力を最大限に発揮できてる役を目にすることができて、ただひたすら嬉しい。