北の国から15~17話あたり

「北の国から」、録画しといて視聴がなかなか追いつきません。
第17話までは見ました。
ここまで、いろいろショッキングなことが起こってます。

正吉のおじいさんが亡くなりました。
大変にショックな亡くなり方で。
この役者さんは大友柳太朗さんという方なのですね。
これまで何回も「北の国から」を見ていて、初めてお名前を知りました。
ものすごい存在感です。
村の人たちから敬遠されがちなのに、視聴者はこの方を敬わずにはいられない。
そんなふうに丁寧に描かれている。
倉本聰さんのこの方への愛を強く感じます。

そして純くんの性の目覚め!
「僕は、女の人の胸ばかり気になり…」
「父さん、僕は病気に違いなく…」
東京の友達から持たされたエロ本をお父さんに見つかり、これまた正直に謝りに名乗り出る純くんですが、こういう目覚めを、男子は本当に「病気かも…」などと誰しも思うのでしょうか?
そんな純くんをまぶしく見つめる五郎さんですが、まぁモゴモゴして聞き取れないことばかりです。

「病気なんです!だって僕、朝になると…」
「男はみんなそうさァ…父さんはァ最近は※△◎▼だけども…」

あんだって??
何を言ってるのか本当に聞こえないのです。おそらく純君にも。
最高ですね。

そして印象的なのが、純くんと蛍ちゃんと正吉くんがUFOに遭遇するところ。
夕暮れ時に子どもたちが丘を駆けていくブルーグレーのシルエットは、影絵のようじゃないですか…。
そして、「あれはUFOかもしれない」とかって描き方なんかではなく、確実にUFOと遭遇をさせている。

倉本聰さんってなんて素敵な方なのでしょうね。
大抵、「UFOはいる」派と「いない」派に分かれさせるものじゃないかと思われます。
そして大抵、大人には見えないとか、信じてもらえないとか。
けど、富良野では五郎さんも見てるし、豚舎では大人たちもこぞってUFOの話をしている。
「ジグザグにだろ?そうそう!」って。
しかも原田美枝子さん演じる涼子先生は、宇宙人からパワーまでもらってるかもしれない。
恍惚の表情浮かべてましたよね…。

「いるんだよ」
この断定が、私の中の何かを後押ししてくれるような、そんな心強さすら感じるのです。

17話は、これまた「北の国から」といえば必ず流れる、汽車から身を乗り出すいしだあゆみさんと、その汽車を追いかける蛍ちゃんのあの名シーンがある感動的な回。
病気をおして、いしだあゆみさん演じる令子さんが富良野に来る。
それだけでもう「あのシーン来るっしょ…」と泣けてきます。
この回で、五郎さんと令子さんは正式に離婚となるわけなのだけど、心が引き裂かれそうな子どもたちの心を慮るだけで泣けてくるんですよね。

そしてまた令子さんが美しい!
あんなにラベンダーが似合う人は、いしだあゆみさんをおいて他にいないのではないでしょうか。
令子さんの憂いのある色気には、さすがの雪子も及びません。
雪子さんはまだ未婚の20代なんだと、改めて思いました。

そして、15時34分のお母さんの汽車を空知川沿いで待ち受ける蛍ちゃん!
何度見ても、いしだあゆみさんは窓から身を乗り出しすぎて危険なんじゃないかと少し案じてしまいます。
そして、「ほたるーーっ!!」と叫ぶいしだあゆみさんがとっても美しかったと記憶していたのですが、実は、髪の毛で顔が覆われてほとんど真っ黒!

これは、現代のドラマなら撮り直しってことにもなったりするでしょうか?
見えるのは歯だけ。
けど!その口元が美しいのです。
だから歯だけでも、むしろ説得力・迫力で、ぐっと来る。
なんといっても泣きながら走る蛍ちゃんです。
お母さんの見送りを拒否したはずの蛍ちゃん。
分かっているのに涙が出てしまいました。
汽車が通り過ぎたあと、そっと近づく草太兄ちゃん。
どうしてかな。
いろんなことが想像されます。
ほんと、視聴者にいろいろ想像させてもらえるのが嬉しいのです。北の国から全般。

草太兄ちゃんは、雪子おばさんが帰ってきてることなどつゆしらず、純くんと蛍ちゃんにいかだ祭りの話をしに来たのですが、突然の雪子との再会に動揺しまくり!
ぶっきらぼうに家を後にしますが、これまたいい年の男が、外で会った五郎さんに恋する胸の内をとうとうと語るわけですよ。
「雪子さんのこともうやめるって言ってなかった?」
「変わんべ!変わんべ!人は毎日!」

岩城さんは30歳ぐらいかもしれませんが、田中邦衛さんは、役の設定はわからないけどご本人50近いはず。
だからなのか、草太が動揺した想いを熱く語っても、ぴくりとも反応しない五郎さんの後ろ頭。
その後ろ頭に私は吹き出してしまい、うなってしまいました。
この前も描いた瑛太さんや、中村勘三郎さんのお芝居でも思ったのですが、少しも動かないという演技で人を感動させる役者さんって、どういう境地に達してるのでしょうか。。
これは撮る方のテクニック?
五郎さんの表情がはっきり私の脳裏にイメージできるのです。

五郎さんこと田中邦衛さんの真似をされる方はたくさんいらっしゃいますが、大抵は、とても間をおいた、タメのある話し方ですが、これはおそらく2時間ものになってからの年をかなりとった五郎さんと思われます。
連続ドラマ時代の五郎さんは、そんなにタメたしゃべり方ではなく、割と率直。
「お前、何しにうち来たの!?」「おら、そんな暇じゃねんだ」
恋の話につきあいきれない五郎さん、男前です。

ここからは、まだまだいろんな展開が待っています。
草太の失恋、涼子先生との別れ、令子さんの死。
楽しみ!
けど、それだけ北の国からとの別れも近づいているということ…。

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