「高校教師」5話~衝撃の一夜~

「例えばそれが、どう思われようと
例えばそれでどうなろうと
彼女を愛おしいと思う気持ちは変わらないだろう。
僕は彼女を愛していた…」

5話の、まさに衝撃の一夜に
羽村隆夫が語った独白です。

はぁ・・・(うっとり)
私は毎話、「高校教師」の感想を書いてしまうのだろうか。
自分でもわからない。

でも5話こそは書きたい。
私の一番好きな回であるし、
タイトルだって「衝撃の一夜」
そうやって
毎話書いてしまうのだろうか。。。

「高校教師」の話を友人とするとき、
繭の数々の名台詞を熱く真似してくれる人は多い。
その中でも最も嬉しくなった台詞。

「だって時計ばっかり見てるんだもん!」

しかも鼻声気味のとこまで真似してもらったなら、
もう尊敬の念すら湧きます。
私はつい
「本当のあたしを知っても、嫌いにならないでね…」
を挙げてしまうのだけど、
これはかなりメジャーな台詞なので、これを浮かべてしまうとほかの台詞がなかなか思い出せないものなのです。

持田真樹ちゃんバージョンだと
「女の子は、ずっと真剣してるよ!」
かなぁ。
これはドラマの終盤のほうで出てくるので、まだ見返せてないので正確さには欠けますが。
でもこれもメジャーなんですよね。
ドラマをよく見てると、いろーんな伏線があったり、表情の機微とかちょっとした仕草とか、とにかく楽しめる。
味わい尽くせます。

1話か2話では、羽村先生こと真田広之さんが、職員室で赤井英和さんと会話するシーンで、真田さんがカーディガンをさらっと羽織ってボタンを閉めてるのだけど、1段ずれてる!
特にツッコミ・ボケなし。
確かに始業のチャイム鳴って慌しさはあるけどさぁ、あのまま授業行って、女子生徒から「クスクス…」みたいなその後の情景まで想像できるじゃないですか!
あれは真田さんのアドリブ?
どんくさいなぁ。。。
可愛いなぁ。。。

そしてこの5話。
前回、動物園デートの終わりに繭に涙を見せてしまった羽村先生ですが、翌朝にはすっかり2人の距離は縮まって、この回ではもうその加速が止まりません。
それにしてもこのドラマは、夜にものすごくドロドロに思いが募って、
募って募って、朝にはぐっと距離が縮まるのです、しかも爽やかに。
恋をすると、こんなに朝の晴れ間が気持ちよく感じられるのですね…。

持田真樹ちゃんは、今回も藤村先生からの呼び出しに応じざるをえない状況となってますが、この回では今までになくアダルトな装いでした。
店が大人な雰囲気のとこだから、いい服着てくるように命じられたのでしょうか?

藤村先生も、「本物の愛」が欲しくて人知れず思い悩んでいるようです。
外見ばかりよくたって、本物の愛をくれるやつなんて誰もいなかった…。
そんな苦しさをちょいちょい吐露しますが、じゃあ中身も磨けばいいものを、この人の性分というか性癖が事をそうまっすぐには運ばなかったのでしょうかね。

ワインがこぼれて赤くにじんだテーブルクロス…。
それを、じ…っと見つめる持田真樹ちゃん。
「こうせざるを得なかった…」
同じく赤いシミを見つめる藤村先生。

こんな描写、初めて気づきました。
ずいぶんスルーしてた描写がありますが、やっぱり年齢で見方や受け止めや
感受性が変わるのだなぁ。

5話では羽村先生のお兄さんも出てきます。
新潟で長男として農家継いでるお兄さん。
羽村先生が結婚をやめたこととか、研究室に戻らないことを責めるとこから殴り合いの兄弟げんかに発展するあのシーンには、どんな意図があるのかが、私にはよくわからない。

結構暴れる大男たちですが、最後は羽村先生が全身でブチ切れて、お兄さんがふっとばされて頭打ったところでけんかは終わるのですが、そのブチ切れ方が、研究室で暴れたあれとまったく同じ。
私はそこに恐怖を感じてしまいました。
切れると何するかわからない羽村先生、っていう伏線??
それとも、あんなに激しいけんかしても、すぐに仲直りして穏やかに相手を思いやれるのが血のつながりのよさ…みたいなメッセージ??
自由には生きられない農家の長男VS都会に出て夢を叶える自由のある次男、
それぞれのそれなりの苦悩?

まぁ、正解はないのでしょうが、私としては、とにかくテーブル上の食べ物やコーヒーもふっとぶほどのけんかシーンというのは、恐怖なのです。
羽村先生の性質の伏線…と捉えてみようかな。

それにしても羽村先生って本当にわかりやすいです。
涙を見せてぐっと距離が縮まった繭を、今度は
できるだけ視界にとらえたくなってる。
繭も、もうわかってる。

羽村先生の気持ちがこちらに傾きつつあることを知ってからの繭は、
もう強気で大胆です。
赤名リカも及ばないのじゃないでしょうか。

吉祥寺で映画見たあとは、いきなり
「海、見たい」
と強気に提案し、
そんでいきなり北鎌倉駅。由比ヶ浜。

「先生のふるさとに海はある?」
からの、(海あるよ、日本海)
「そっちの海とこっちの海どっちが好き?」
と他愛なさそうに、(そりゃ新潟さ)
「あたしも見に連れてって!」
ときて、(…えっ?)
「連れてけ!」
と海に先生を突き飛ばす繭。
(わかったよ、わかったよ)

…こうなってくると、羽村先生がどんだけ繭手法にひっかかりやすいんだと、やっぱりどんくせーなぁと思ってしまいます。
砂に猫の絵を描く繭を見つめる羽村先生、
そして自分も裸足になって一生懸命下手な猫を描く羽村先生、
そのまま明るいうちに帰って翌朝平和に学校に行っていたら、
今度は何の映画見よっかって、またちょっとずつ穏やかに距離が縮まって…。

羽村先生の脳裏をかすめたであろう繭という生徒との淡い吹き出しみたいなものを、マジックで黒く塗りつぶしたいようないじわるな気持ちになりました。
そうはいかないんですわ、と。

そしてまた繭手法で、羽村先生が気にしてばかりいる腕時計を巧みに外させ、岩場に投げて、どしゃ降りの中、
「帰りたくない!ずっと一緒にいたいの!」
と、ごねる。
「勝手にしろ」
と駅に向かう羽村先生だけど、終電行った後の駅には、
また濡れ鼠の繭がしゃがんでる!
見方を変えればホラーですが、でも私はどしゃ降りのシーンから
ずっと涙をにじませてました。

「(時計)壊れちゃったみたい…」
羽村先生がたまらずに自分のダッフルコートを繭に着せるその仕草は、
教師として出せる「男」ぎりぎりで、胸が熱くなる。

宿でそれぞれ布団に入ってからの羽村先生は、もう「男」で、
あとはそれが出てしまわないような必死さがずっと漂う。

繭手法は布団に入ったこんなところでも大胆に繰り出されます。
「さっきの、約束だよ」
と、先生の故郷の海&実家に行くことを挙げて、
「ああ、わかった」
これだけでも、羽村先生って誠実だなぁ…と感心してしまうのですが、
繭はさらに、「約束だよ」
と、小指を差し出す。
小指をつないだ羽村先生には嘘はないことはわかる。
羽村先生が、一生懸命「男」を盛り上げないように眠ろうとしたり平静さ装う表情が気になって仕方ありません。
ってか、真田さんがうますぎる!
真田さんは、いつから「男」が出ちゃわないように意識した演技されてたのだろう…。
宿に入ってからかな、とも思うのだけど、やっぱり北鎌倉駅で即刻腕時計見たあのときからだったかもしれないとも思える。

この頃までは無邪気だった繭だけど、何か意を決したように、自分の置かれてる状況とか苦しさとかお父さんのこととかを、「よく見る夢の話」に包含させてぽつぽつと語るのですが、この時の繭だけは「手法」なんかではなかった、と思いたい。
だって、羽村先生が「はっ」として繭を見つめたとき、繭もまた我に返ったように「はっ」として先生に背を向けたから。

手をひっこめようとしたその繭の手首をつかむ羽村先生!
もしかしたら、羽村先生が千秋の手首を引き寄せたあのシーンも、羽村隆夫の愛があふれたという合図・その伏線だったのかなぁ。
エロティックじゃん・・。

「本当のあたしを知っても、
嫌いにならないでね…。」

そのあとの情景が切ないです。
やけどの痕に口づけるシーンは、
私の中の№1。
つながれた手と、こんな情景だけで、
十分じんわりと重みのある甘さを感じられます。

そんで、これまた初めて気づいたのが、
2人が重なったであろう瞬間に下に落ちたコートですが、
これは、単に「落ちてしまった」ということの象徴だと思ってたのですが、
それだけじゃない!
ハンガーに吊るしてあった羽村先生のダッフルコートが、
繭のコートの「上」に、
ドサッと落ちていた!がばっと。
繭のコートについてるファーが、繭の髪の毛にすら見えて。
(白色のファーだけども)
コートで重なりを表現するとは…。
このシーンで目を細めてしまったけど、
こんな表情、誰にも見られたくありません。

2人のキスシーン、見たいけどさ、
でも思えば真田さんのキスシーンなんて濃厚そうで、
しかもドラマとはいえ生徒役に。
こんなメルヘン調で、ちょうどいい。
また、どんなに怪しげなお父さんに育てられ生活を共にしていても、「性」に大きな苦悩と問題を抱えていそうでも、
桜井幸子さんが演じれば「性」のにおいが純白さで緩和され、それもちょうどいい。
後に上戸彩さんも演じられてましたが、「性」のあたりが中和されてなくて、そのきわどさがいいのだという人もいるでしょうが、私はちょっとだめでした。

そしてまた翌朝、上り電車を待つ2人が爽やか!
うっかり羽村先生は腕時計を見ちゃうんだけど、ずっと一緒にいたいという想いが遂げられた繭には、
もうそんな仕草はチクリともしません。
「ほら、見たいだけ見ろよー」
と言わんばかりに羽村先生の腕つかんで、時計を先生の顔にぐーっと押しつけます。
そんで2人で大きなあくび!

ベタ!

でも、ばかにしたくなるほどのベタは、いざ目の前で繰り広げられると
全面降伏したくなります。

このドラマは、当時見てた時も服装とかに一歩遅れた時代感を感じてた。
今見ると、おしゃれなのは峰岸徹さんくらい。
藤村先生も、キマッてるかな。
異常性がある人をファッション性で緩和するってのはいいですね。
本当に輝いてる人は、その笑顔とか表情で光を放つし、
主役たちもおしゃれなんかより、
もっと大切な何かを磨いたり見つけたりすることに必死。

そういえば、好きなドラマの主役たちは、
みんなどんくさくて服装おかまいなしだったかもな。
(純しかり蛍しかり、満島ひかりさん演じるいつかちゃんやヨーコしかり…)

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