先日、青山ブックセンターにて開催されていた南方熊楠イベントに行ってきました。
南方熊楠もうすぐ生誕150年記念ということで、何回か行われている講義。
辛酸なめ子さんがゲストの回でした。
南方熊楠<みなかたくまぐす>って、誰?何者?と聞かれたとき、はて、なんて答えたらいいのでしょうね。
1867年に和歌山県で生まれた研究者。
菌とか植物とか、なんかとにかく研究にひたすら没頭する変わり者。
変わり者なんだけど語学に堪能で、若い頃はずっとイギリスへ留学していて、いわば天才。
昭和天皇に認められるほどの…!
でもやっぱ奇人変人エピソードがいっぱいの…。
この「猫楠」によれば…
猫をこよなく愛したという熊楠。
一日中全裸で過ごしていたという熊楠。
胃の中のものを反芻して吐き出す・吐瀉が特技だったという熊楠。
吐瀉物の菌の発生を観察したいから、片付けるなと家人に言いつけていた熊楠。
こわ~
そうそう、あと相当スピリチュアルな人だったようです。
なんでも夢の分析にも力を入れていたとか。
しかも北条政子とかローマ帝国のお偉い方とか、昔の夢話の文献まで読みあさってたほど。
この、「昔の文献からとにかく探る」「とにかく比較」というのが、熊楠の研究の特徴のようですね。
今回、この講義に参加を申し込んだのは、タイトルに惹かれて。
「辛酸なめ子編 幽霊と妖怪と変形菌と。熊楠がみた不思議の世界」
なんてゾクゾクする!!
幽霊まで見えた人とは、初めて知りました。
熊楠の研究を続けてらっしゃる田村義也さんが提供してくれた資料によれば、幽霊は自分の垂直に見えるけど、幻?脳の誤作動?みたいので見える人物は自分と平行の位置で、それで今見えているものが幽霊か幽霊じゃないかを見極める…とのことで…。
それを熊楠とつながりの深かった僧侶との手紙に図解入りで示されていてね。
なめ子さんは、その僧侶と熊楠とのボーイズラブを最後まで疑ってましたよ。
そうそう、だって熊楠は奥さんと結婚する前は女性を知らなかったんだけども、男性とは関係を持ったことがあるなんてエピソードがさらっと語られるもんだから…!
なめ子さんがそこをスルーするわけは決してなく…。
去年は、なめ子さんと会田誠さんのトークショーを聞きに行きました。
そのときも今回も、決して口数多くないなめ子さんの一言一言で、ドッカンドッカンと会場が沸くのです。
しかもほとんどが男性の笑い声。
じわじわ来るものも多く、打ち寄せては返す波のようなざわめきを巻き起こすなんて、なめ子さんのトークに何が宿ってんだ!?と思うほど。
会田さんも、今回の田村さんもそうですが、男性ってやっぱり「オタク」なのですよね。
語り出すと止まらない。
しかも「論理的」っていうのは男性脳特有のものなのでしょうか。
こっち側への「共感」を求める語りではなくて、こっち側が「理解」できるように、それはとても丁寧に語ってくれるんだけど、んーでもだんだん高度な内容に…!
OK理解!OK理解!って、一個一個クリア、話についてけてるように思ってても、どっかで「ん?」「理解失敗!」ってつまずいちゃうと、がらがらと集中力が崩れていくもんだから。
そういえば大学の講義とかもこういう感じだったかな。
そこで、「俗爆弾」を落としてくれるのがなめ子さん。
和歌山県には、南方熊楠についての資料館が2つあるらしく、その2つの違いを田村さんは説明してくださってました。
冒頭は田村さんによる熊楠の概要説明。
なめ子さんが初めて口を開いたのは
「その2つの団体は仲はよいですか?」
初ドッカンでしたね。
だけども田村さん、「仲がいいかというとちょっと…」というような微妙なお答えでしたよ!
「グッズとかも売ってるでしょうか?」
どうでもいいような、でもみんなが待ってたような俗っぽさ。
なめ子さんの和歌山旅行の写真とかもスライドで追いながら説明をされているのですが、温泉とか、ホントどうでもいい写真ばかりってのがまた笑える上に、「混浴」のエピソード。
女性は一応薄い浴衣みたいのを着て入るのですが、男性は真っ裸。
おじさんがいろいろなめ子さんに話しかけてきて、なめ子さんがもう上がろうとすると「なんだ、もう行っちゃうのか…」って。
このどうでもいいエピソードで一番会場は沸いてました(笑)
熊楠と関係ないし!!
俗だなぁ~なんて俗なんでしょう~。
けどもそこにあるのはワクワクするような「共感」。
ぎゅっと会場のみんなをひとつにしちゃうような。
辛酸なめ子さんといえば、松村潔先生との共著がありましたね。
「人間関係占星術」
もう一回引っ張り出して読んでみたらば、なめ子さんの正確な出生ホロスコープがありました。
松村先生も「特徴的」と挙げてたのがなめ子さんの太陽と火星。
前々からなめ子さんは、「書く」という部分が強調されたホロスコープの持ち主なんじゃないかと思ってましたが、やはり!
社会的頂点のMCに、火星と水星が乗ってるのですね。
太陽も近くて、しかもライター素質のある乙女座!
松村先生も、「これはワーカホリックになるでしょう」とおっしゃってました。
なめ子さん自身も「霊障」エピソードが多数ある方で、「海王星」と何かがアスペクトしているのだろうと思ったら、太陽と海王星がスクエアなのですね(図には海王星載ってないですが)。
ブログを読むと、「霊障」にそれなりに苦しめられてるようななめ子さん。
でも読んでるこっちはすごく楽しい。
霊障すら「書いて」「発売して」「社会の顔」にしてるなんて!
太陽と海王星スクエア。
海王星といえば、現実から「遊離」するようなもの全般。
でもなめ子さんは、つらいはずの霊体験を「売り」にしてね。
これがまさに「惑星をうまく使う」ってことなのですかね~。
水星は魚座の木星とオポジション。
ということはICの上に木星があります。
ドッカンと沸かせる「おとぼけ俗感」は、これかっ!
なめ子さんから生で「俗」を感じた時の私の印象はいつも「落としてきたっ!」ってこと。
爆弾のように落とす…。
格調を落とす…。
つまりそれが「俗」ってことなんだけど、まさにIC魚座方面になめ子さんは「発言」を落としてたんですね。
なめ子さんの書籍は今年すでに2冊は出てると思うけど、まだまだこのあとも出そうだし、イベントも多そうだし、ブログとか連載の掛け持ち度がすごい!
猛烈に働く・働ける火星期なのでしょうね。
木星期にもし「地下的」な活動に転じたとしたって、オポジションの火星と水星に引っ張り上げられて、やっぱりまだまだ忙しく、明るい俗で楽しませてくれると思うのです。
・・・なめ子さんに書いてもらったサインを貼り付けようと思ったけど、なぜだかPCに共有されない…。
霊障的な…?