この間、BSで放送されていた池中玄太!!
連続ドラマではなくスペシャルでしたが、実家で録画したのを見てきました。
池中玄太ドラマの感想を書いてるサイトがあまり見当たらなかったので、備忘録も兼ねて書いてみます。
私ってば小さい頃から家族ドラマが好きだったのですが、「北の国から」と「池中玄太」は同じ家族ものでもムードは全然違います。
どっちも温かいんだけど、玄太のほうがずーっと温かい。
「北の国から」は倉本聰さんのちょっと怒りや無常感みたいのも感じられます。
残酷なシーンは本当に残酷。
でも倉本さんが地星座(山羊座)だからか、「淡々と」「黙々と」「耐えてこそ」という、自然の脅威の前ではそうであるしかない人間の姿が印象的で。
それは一度心にインプットされてしまったらば、生涯胸に残るような説得力があるのです。
「池中玄太」の脚本家って、そういえば誰だか知らなかったのでした。
松木ひろしさんという方だったのですね。
去年お亡くなりになられました、蠍座の方。
そして西田敏行さんも蠍座。
のちに玄太の妻となるアッコ=坂口良子さんも蠍座でした。
長女・絵里役の杉田かおるさんは太陽射手ですが金星は蠍でした(出演時金星期)。
池中玄太は3人の娘を1人で育てつつ、通信社でカメラマンとして日々、長門裕之さんや三浦洋一さんと丁々発止の口喧嘩・罵り合い。
そしてすっかり忘れてたのが、杉田かおるさん長女の3姉妹と玄太には、血のつながりがなかったこと!
3姉妹は、亡き丘みつ子さん演じる先妻の連れ子。
玄太の奮闘が人の涙を誘うわけです。
そして、複雑な池中家の状況を、周囲のみんなが我が事のように思うドラマ。
普段喧嘩ばっかりしてる職場の楠公さんや(長門さん山羊)ヒデ(三浦さん水瓶)、半ペラ(井上純一さん獅子)にアッコ。
そして行きつけの喫茶店のママ(松尾和子さん牡牛)や店員のチエちゃん(藤谷美和子さん魚)。
家族も職場も喫茶店も、みんな地続きみたいな一体感、これが蠍座的なのかな。
スペシャルに藤谷美和子さんが出られてないのが、かなりショックでした。
リアルタイムでは、私は末っ子の弥子(やこ)ちゃんと年が近いためか、いつも弥子ちゃんの目線で見てましたが、次女の未来(みく)ちゃんのクールさも相当好きだった。
だけど「好きなお姉さん」という憧れの目線で見るとき、杉田かおるさんと藤谷美和子さんどっちにも惹かれてて、どちらかを選べと言われたら、うーん…。
幼いながらに、「女」として愛されやすいのは藤谷美和子さんだとわかってたんだけど、「こうでありたい」真面目さを保っていたかったので、大人に聞かれたら「杉田かおるさん」と答えたんだろうと思います。
同級生とは「やっぱ藤谷美和子だよねぇ~」とはしゃいでそう。
そして藤谷さん演じるチエちゃんの彼氏は半ペラ・井上純一さんで、この若々しいキャラクターは幼い私にも親しみやすく、またイケメンだったので素直に心を寄せてた気がします。
が、スペシャルを見たら半ペラは職場に薄ピンクのジャケットを着てきたり、パステルカラーのシャツ着てたりとすっごい軽薄で、しかも新しい彼女まで連れちゃってた。
チエちゃんは半ペラと別れてたのですね。
スペシャルは、杉田かおるさんと三浦友和さんの結婚をめぐる玄太とのドタバタストーリー。
アッコは玄太と結婚しています。
また、玄太の恩師とも言える本城さん=宇野重吉さんとの別れ。
いやぁ宇野重吉さんが出られてたことも全然覚えてなかったのでした…。
三浦洋一さんがすんごい男前で。
風貌は、柄物セーターやリーゼント、それに色付きメガネからしてチンピラなんだけど、ハートがかなりあっったかい!
アッコ「あたしがいけないの、ちゃんと玄太のこと…」
ヒデ「アッコは悪くねえよ」
このセクシーさは、幼い私には感じようがなかった。
いや、セクシーということはわかってた気もします。
それも含めて「見てはいけない」という拒絶感があった。
いやしかし、三浦洋一さんは確かになくてはならない役者さんでした。
玄太は、杉田さん絵里に初めて彼氏ができたという事実をどうしても受け入れられない。
だって、家の前で友和さんと抱き合ってたのを見ただけで絵里をひっぱたいちゃうんだから。
「何するのよ!!」
玄太を止めるアッコ=坂口良子さんはまだこのとき30歳くらいですが、ものすごい貫禄です。
そして熱い!
演技はどこを見ても本当に熱くて舞台演劇風なんだけど、あのハキハキした感じにとても胸を打たれます。
玄太は結構どうしようもないヤツで、娘ひっぱたいたあとに激昂して三浦友和さんの歯科医に押しかけて罵倒しまくったり、ギリギリ警察沙汰なことばかり。
絵里ちゃんとしては当たり前の流れのように家を出てしまって、そういうときに限って誰も玄太と連絡取れない。
いくら昔のドラマでも、玄太あまりにもひどいんじゃないの?
ってことばかりやらかして、そんな玄太に一喝したのがこれまたヒデ・三浦洋一さん!
「てめぇは何やってんだ!!」
視聴者すら愛想尽かしそうなギリギリのとこでのこの一喝に惚れ惚れです。
あんなにチンピラ風なのに、言動どれもまともなのです。
三浦友和さん演じる奥村は歯科医でシングルファーザー。
息子を幼稚園に連れていく、その幼稚園の保母さんが絵里なのでした。
2人の間には15歳くらい年齢差があるし、しかも子持ちだなんて玄太はますます許せない。
さらに通信社でも変化が。
楠公さんは編集長を辞めて、新しい編集長は小林克也さん。
ヤラセでもなんでもスクープとってこい!という方針に、玄太もヒデも反発しまくり。
女優の恋愛ネタより、都会では珍しい鳥の巣作りを載せてくれと玄太は編集長に懇願するけど一蹴されちゃう。
そりゃそうだろうけど…。
「内容よりも、いかに売れるか」
新しい編集長や時代の流れに猛反発する玄太とヒデ、それにのちに編集長に復帰する楠公さんの嘆きは、ぐっさりくるほどのまともな指摘。
ああ、やっぱりそうなんだ。
時代はこんなにもはっきり移ろっていて、玄太のこの時代では確かに誰かが必死で食い止めてたんだけど、その反発がマイナーに転じた時代が今なのであって。
本城・宇野重吉さんもとても素敵でした。
「鳥から生き方を学べ」と、迷える玄太を導く。
親鶴があえて子鶴を攻撃して子どもを自立させる「鶴の子別れ」を、本城さんは玄太に説く。
本城さんはスペシャルで息を引き取ってしまうけど、この臨終の演技がまたリアルな老人の最期でした。
「北の国から」で高齢の俳優の方たちに感じたことと同じ荘厳さ。
仕草や声はやはり寺尾聡さんと似てました。
そして弥子ちゃんの玄太へのストレートな愛情表現。
絵里も未来ちゃんも年頃になってパパ離れしつつある冷たさの中で、中学生になっても弥子ちゃんは、シラけた家族のフォロー役。
「弥子が結婚してもパパのそばにずーっといてあげる」
最近、職場や家族内でイライラしっぱなしの玄太もさすがに癒された、その隙に弥子ちゃんもう一言。
「だからお姉ちゃんの結婚認めてあげて!」
おうちの中で一番小さいのに、パパとお姉ちゃん結びつけ役を買って出る健気さに泣けたのは、私もまた末っ子だからかなぁ。
西田さんのこのときの表情にも泣けました。
本当はそうしてあげたいけど、今はまだ寂しさに負けてんだ…というような。
弥子ちゃんの体当たりの訴えは、実は未来ちゃんと打ち合わせ済み。
「(演技)どうだった?」
「まあ効果あったんじゃない?」
結局、いろんな人の進言で玄太は心を入れ替え、奥村さんの歯医者に治療に伺ったり、一人息子を絵里の保育園に連れて行ったり。
「その子なら大丈夫だ、なんたって俺の孫になる子だからな」
めでたく結婚が許されたときの、三浦友和さんの太陽まぶしげにあおぐ表情がまた男前でした。
三浦洋一さんの色気にクラクラしたばかりですが、やっぱ私は友和タイプに弱いです。
「北の国から」よりずっと温かさを感じたのは、口喧嘩のシーンが多いからかもしれません。
楠公さんと玄太、ヒデと、3人での罵り合い。
アッコと玄太も家で丁々発止。
「あんだと?こんにゃろ、もっぺん言ってみろ!」
「なんこうさんよぉ!」
「さらっと」なんてくそくらえ!っていう、今の私の心境に寄り添ってくれるドラマでした。
そういえばこのドラマにはクールな人なんて、誰もいない。
次女の未来ちゃんくらいかな。
基本みんな熱い。
それは情熱につながってるってわかるから、見てて安心するんだろうな。
蠍座って心を明かさない寡黙な印象があったけど、実はとてもホットな人たちなのですね。
副支配星がやはり火星だからかな。
またテーマソングの「もしもピアノが弾けたなら」がいいんですよね!!