Categories: TV・ドラマ

梨泰院クラス並列

長い長い「梨泰院クラス」をやっと見終えました。

1話およそ65分、全16話。
最終話は流血大会&謝罪大会の様相でした。

しかし韓流ってやっぱり蠍座的と思う。
1人の人をずっと思うとか(愛にしろ復讐にしろ)
梨泰院クラスは主要人物が10年単位の片想いと復讐心を抱いてて、しかも韓流がすごいのは、1人を想ってる間、他に心移りもしてなさそうというその一途さ。
「愛の不時着」のリ・ジョンヒョクもそうですが、「梨泰院クラス」のパク・セロイも、あんなに男前でいて30過ぎまで誰ともキスしてないというにわかに信じがたい一途さ…けど想いを馳せるにはとても都合の良い設定。
韓国のドラマはそういうとこ、視聴者にすごく寄り添ってるというかサービス精神を感じます。

あと「父権」を求めるムードがすごいのですね。
最初から最後まで「父親」の存在が強調されていた。
父親によって愛を知り、父親愛を渇望し、それが得られない人は代わりになる人を猛烈に求めるか、実父への復讐のように人を傷つけまくる。
「責任」「守る」という言葉が男女問わずたくさん出てくるのですが、何かで読んだのは、韓国は「責任取ってくれるちゃんとした大人」をずっと求めてるんだということ。
それは政治への失望などから沸き起こるムードなんだろうか。
父親とお酒を飲むのも横を向いて(正面で飲むのは非礼とのこと)。
韓国は目上の存在に相当な敬意を表する文化なのだと改めて知ったところです。

「愛の不時着」の登場人物の人間性もとても興味深かったのですが、「梨泰院クラス」の愛憎乱れる人間関係と星関係が気になったので、先にこちらの登場人物並列をしてみます。(敬称略)

パク・セロイ(パク・ソジュン31歳・太陽期)
太陽射手、月魚、水星山羊、金星蠍、火星牡羊、P太陽山羊

パク・ソジュンさん、よくぞセロイを演じきってくれました!と、最終盤での笑顔には涙があふれました。
父親の死を軽んじた長家(チャンガ)グループへの復讐心と、長家を超える飲食店を立ち上げる夢をずっと抱き続け、その歩みを止めないパク・セロイ。
本当にまっすぐ・純粋なその目が美しかった。世界で一番美しい仏像を毎回拝んでるようでした。
あの不思議な髪型も気にならないほど表情や佇まいが素晴らしかったです。

やっぱり太陽火星が火星座だけあって、純粋・血の気も多めです。
そして金星蠍だけあってこれがまた忘れない!一途!!
P太陽山羊だけあってとにかく成功・上昇を夢見て地道に成し遂げていくのです。
こういう役ってやっぱり太陽射手座が一番合ってるんじゃないのかな。
同じ火の牡羊より知的な冷静さがある射手、獅子よりずっと後ろに下がれる射手。後半星座の老成感は必須。
でも山羊や水瓶だと衝動より理性が目立っちゃいそうだし、蠍や魚だと恋愛が第一選択になりかねない。
熱いビジネス物語の主役を本当にさわやかに演じてくれたパク・ソジュンさんです!

長家会長チャン・デヒ(ユ・ジェミョン47歳・木星期)
太陽双子、月蟹、水星金星双子、火星魚、木星水瓶、P太陽蟹

セロイの前にいつも立ちはだかる憎っくきチャン会長、「チャンガのおやじ」と呼びますが、びっくりしたのは演じられたユ・ジェミョンさんが40代ということ!!
65歳くらい、いや、70代だと思ってたのに…。
セロイはチャンガのおやじが憎すぎて、人生のターゲットにするんですよね。
商売を始める際の参考書もおやじの著書。
おやじもおやじで、「セロイなんて…」と軽んじながらも、セロイをぶっつぶそうとするあの執念。
さすがオポジションの関係です。
そしてN月P太陽蟹座だけあって、チャンガ立ち上げのきっかけが、自分の幼いきょうだいを飢えで亡くしたこと。また長期にわたって韓国の飲食店で1位のポジションをキープし続けてきました。
ま、不正とか嘘・殺人教唆などなどあらゆる手を尽くしての地位ですけどね…
セロイの土下座を待ち望む瞬間の顔芸…ってか演技がものすごかったです。すばらしき双子座変態性と思いました。

 

オ・スア(クォン・ナラ29歳・太陽期)
太陽魚、月水瓶、水星金星牡羊、火星双子、P太陽牡羊


クォン・ナラさんインスタより。隣はチャンガのおやじユ・ジェミョンさん)

この方のお顔、さっしーに似てると評判らしいですね。
確かに指原さんと水野美紀さんを混ぜ合わせたようなお顔立ちです。

パク・セロイの高校時代からの友人であり、ずーっとくっつきそうでくっつかない関係がまた太陽スクエアっぽい!!
しかもセロイの一番の理解者でありながら長家に就職し、社長の側近にまで上り詰める。
内面はいつだってセロイの味方なのに、社会的立場は敵。ここもまた、仕事の方針がスクエア的に相容れないわけです。よくできてる!
でも月が水瓶だけあって、スアは本当に強い。
セロイに時々「お前が好きだ」と言われ、それだけを励みにセロイの敵企業で15年も頑張ってきた。
また気が強いんですよ。ここが太陽以外男性星座っぽいとこなんでしょうかね。
韓国では主役の恋人役であっても決して弱々しく従順になんて描きません。
ライバル・イソに対しては最後、「セロイを幸せにしてあげてね…」と心でつぶやく。
魚座の慈悲!泣けてきます…

 

チョ・イソ(キム・ダミ25歳・金星期)
太陽牡羊、月蟹か獅子、水星牡羊、金星魚、火星獅子、P太陽牡牛

このチョ・イソこそ、第2の主人公とも言うべき梨泰院クラスの重要人物です。
第3話から登場するので、ここがスアより遅れをとった感がある。
だけどその分の頑張りがものすごいんですよね、イソ。
ソシオパスという設定ですが、「反社会的人格の一種」ということで確かにイソは口が悪い。そこがまた牡羊×獅子っぽいです。
人並みの心なんかないように見えるけど、その分頭脳が飛び抜けてるというキャラクター。
その頭脳ならどこの大学にも行けそうなのに、その将来性を蹴ってセロイの飲食店「タンバム」のマネージャーに名乗りをあげる。
また、セロイを深く愛するんですよねぇ。
「社長を愛してます。愛してる。愛してるの」
この三段活用にはしびれました。またよっぽど寒い中での撮影なのか耳がいつも真っ赤。ここがいじましい。
愛が深いのです。セロイを本気で守るんですよ。海のような愛・金星魚っぽいです。
あと服がすごい可愛かった、ここも金星魚っぽさですかね。


キム・ダミさんインスタより

 

チャン・グンス(キム・ドンヒ21歳・金星期)
太陽双子、月双子、水星蟹、金星獅子、火星天秤、P太陽蟹

チャンガのおやじの次男。若くて可愛らしい子だなと思ってたけどまだ全然若かったのですね。
ドラマだとイソと同級生役です。これまたイソへの片思いが長い長い…
「冬ソナ」のサンヒョクを思い返しました。
このドラマはいろいろ見どころがありますが、グンスの変化も見ものでまた。
愛人の子だからか、父親からの期待ナッシングで、それに傷ついたグンスは家を離れ、セロイの「タンバム」従業員に名乗りをあげる。
セロイのことをまるで兄とか父親みたいに頼もしく思ってたはずなのに、イソが好きすぎて、「長家を継いだら付き合ってあげる」を本気にしてしまった…
実家に舞い戻ったグンスは跡継ぎを目指すあまり父親のコピーになり下がり、ずるいことばっかりして心をなくしていくんですよね。
P太陽蟹だけあって、家族問題に巻き込まれっぱなしです。
あと双子座の役者さんは、スイッチが入るとヤバさ突き抜ける役がよく似合うと思うのです。


キム・ドンヒさんインスタ

最終盤ではセロイと敵対する2人ですが、セロイが目の前で車に轢かれた時、グンスが「セロやーん!」って何度も叫んでた。憎んでたのにセロやん…?
と思って調べたら、韓国では親しい関係のある人の名前の最後に「ヤ」をつけるそうで。
「セロヤー!」だったのかな?一応タンバムでの仲間でしたからね。
セロイが「イソや…」と呼びかけるのもおじいちゃん風ってわけじゃなく「イソヤ」という仲間呼びだったのか。
そういえば冬ソナでユジンがサンヒョクを呼ぶときも「サンヒョカ〜」、チュンサン→ユジンは「ユジナ…!」だったな〜。「ミニョン氏!」って聞こえたのは、「ミニョンシ!」で、「シ」とは「さん」とのこと。これが知れただけでスッキリ。

 

チャン・グンウォン(アン・ボヒョン32歳・太陽期)
太陽牡牛、月牡牛か双子、水星金星双子、火星水瓶、P太陽双子

チャンガのおやじの長男。こいつがまたワルで、セロイの父親を轢き殺してしまった。
でもおやじの力で不起訴になる。
このグンウォンとセロイはどんだけ殴り合ったでしょうね。
グンウォンはちょっと・かなりアホなので、おやじも見放してしまう。
過去の悪事はグンウォン1人の仕業なんだとのおやじの記者会見はいわば親子断絶宣言。
それにショックを受けたグンウォンは、4年の服役を経てさすがに目が変わった!と思ったんですよね。
これまたスアに高校の頃から長い片思いしてきて、出所後にスアに笑いかけたときに「もしやこのままいい人になるのでは…」と思ったら甘かった。さらなる悪事方面へ心を固めた落ち着きだったのかも。
でも嫌いになれなかったんだなぁ。松田優作さんに似てるからか、太陽牡牛だからか。
この方むっちゃうまいと思うんですよ。そしてスタイルがいい。
最初から最後までヘラヘラ軽薄な笑みを浮かべるところは双子座持ちっぽいです。
でも真顔になった時がすごい男前!(牡牛的ハンサム)
この人がちょっと優しい顔になったり真顔になったとき、すごい掴まれました。一番好きかも。
チャンガのおやじ・グンスとは家族っぽく太陽隣同士です。


アン・ボヒョンさんインスタ

 

マ・ヒョニ(イ・ジュヨン28歳・太陽期)
太陽水瓶、月双子か蟹、水星水瓶、金星火星山羊、P太陽魚

「タンバム」のシェフ役。そしてトランスジェンダーの役でした。
私はLGBTについて最近まで知識がすごい乏しかったのですが、トランスジェンダーとは生まれながらの性別と、自認する性別が違う方ということで。
イ・ジュヨンさんは女性ですが(たぶん)、ドラマ始まった当初は少年のような登場でした。
それが、仲間でクラブに行ったらヒョニが女性の格好で踊ってるとこに遭遇したところでヒョニがトランスジェンダーだと気づくと。
本当はこの状態が自分らしいんだというヒョニの気持ちを知った仲間たちは、ただ仲間として昨日と変わらず一緒に働く。
性転換の手術に成功したヒョニを「おめでとう」と迎え入れる。
他にも、黒人で韓国語ぺらぺら・しかも英語しゃべれないというトニーも従業員として雇い入れ、韓国は「これが普通の景色だよね」ってことを積極的に描いてるなぁと思いました。
が、ヒョニがトランスジェンダーだという事実をグンスがネットにばらまく話があるのですが、それは差別的な民衆の反応を浮き彫りにする。
差別がまだあるからこそこういうドラマを作るというのはやっぱり大切だなと思いました。
「差別なんてないから(描かない)」というよりずっと。

ヒョニは視点がいつもフラットで、そこはもう水瓶っぽいです。
イソのとんがってるところも、セロイの怒りが行き過ぎてるところも、グンスが長家の次男と知って受け入れるところも、「ま、いいんじゃない?」ってとてもオープンなんですよねぇ。感動しました。
そして韓国一のシェフという称号を得る。山羊座持ちっぽいです!

私、この方前から好きだったんですよね。俳優さんとか全然知る前。かっこいいからインスタフォローしてました。
「こんな感じのショートで」って美容師さんに見せたこともあるこの方が梨泰院クラスに出てたとは!


イ・ジュヨンさんインスタより

 

チェ・スングォン(リュ・ギョンス27歳・太陽期)
太陽天秤、月牡羊、水星金星蠍、火星蟹、P太陽蠍

「タンバム」の従業員で、セロイとは刑務所仲間。
セロイは父親を轢き殺したグンウォンを殴りまくった。
そのセロイだけ起訴・収監されてしまったんですよね。
前科ものの自分なんてなんの価値もない…とやさぐれてたスングォンに、セロイが「自分の価値を下げるな」と諭す、そこから「アニキ!!」とついてったスングォン。
韓国はついてくと決めたら本当にそこも一途です。さすが蠍座持ちっぽくもあります。
スングォンもアホっぽいキャラで頼りない感じがずっとありましたが、喧嘩となると強い。
韓流は、軍人とかワルは喧嘩がめっぽう強いという前提があるのが見てて安心できます。(ここ乗り切ってくれるんだよね?という期待が叶えられる爽快感)
イソともずっとバチバチだったのはオポジション的でしょうか。
それにしてもこれ↓↓がスングォンとは!!かぁ〜っ!韓流俳優の潜在性よ!!


リュ・ギョンスさんインスタより

 

パク・ソンヨル(ソン・ヒョンジュ55歳・木星期)
太陽蟹、月牡羊か牡牛、水星金星蟹、火星乙女、木星双子、P太陽獅子

セロイの父。
この方は年齢相応ですね。
よかった〜。チャンガのおやじ若かったショックが強すぎて…。
このお父さんがまた泣けてきます。
韓国の俳優さんはみんな涙の演技がボロボロとすごいんですが、このお父さんと相対したら私も大粒の涙流れちゃう。
本当、蟹!!!って感じの家族愛をセロイに植え付けたお父さんです。
年齢域惑星だとセロイとはオポジション。
セロイがここまで上り詰めたのは、お父さんの存在があったからなのです。

 

あとまだ大事な登場人物いますけど、このへんにします。
誕生日わからない人もいました。

韓国のドラマって、「石の上にも三年」とか「雨垂れ 石を穿つ」ということわざがベースにあるのかと思うほど、とにかく粘り強いです。
人の心ってそうは変えられないと思うんですよ。
人を土下座させたりとか、そうはできないはず。
しかし韓流はその「できないはず」というストレスをものすごいエネルギーで突破していく。
ドラマの経過年月が長いので、「結果変えられた…」という説得力あるにはあるんですけどね。
あと「愛」ですね。愛の力をすごく信じてるなと。
でもどっちだろう、「こんな愛なんてないよね…」って絶望がこういうドラマを生み出すのかな。
「こんな責任取ってくれる大人もいないよね…」って??
愛というか「時間の経過が育むもの」を信じてるということなのかも。
「関係性」ということがいつもみっちり描かれてるという印象です。

あとわかんないけど、愛と性の間にきっちり壁を作ってる感じもします。
この手の韓流ドラマに激しい性シーンってあるんですかね?
日本がネトフリドラマやると、地上波でできない分のカラミを描くはずと思うのですが、確かにそれがなくても成立するならそうしてほしいかも。
映画「パラサイト」ではまぐわいシーンがありましたが、あそこに愛は感じない。ただ性だった。
韓国では「好き」「サランヘヨ」と目を見て言ったからとて、相手役が唇に吸い込まれることはありません。
日本だとすぐ吸い付くからね。
だけどキスは韓流でもとても大事な最終愛情表現であることはわかる。

とにかく女性が従順に描かれることがまずないですね。
みんな意思がはっきりしてて気が強いし、「あなたを幸せにしてあげたい」という気持ちは男性→女性だけじゃないんですよ。
それは全世界誰だってそうだろうとしても、「そのために何ができる?」という行動力まで描かれる。
例えばイソならセロイのために「俺が殺したんだ」というグンウォンの肉声録音に成功するのです。
グンウォンに殴られて流血しても、「社長、証拠とれました!!」と目を輝かせて駆けてくる。
これは日本では描けないと思った。
女が殴られても命がけで前線へ向かうなんて、女の頭の中にない。私の頭の中にもない。
イソが働きすぎて鼻血を出すところにはドキっとしました。
なんかの伏線じゃなきゃいいと願ったほど。
それもこれもセロイの夢のために働きすぎたんですよね。イソ。
梨泰院クラスはこういうところに感動します。
「やれない」とか「諦める」とか、その前に頭使って考えようよ!というイソとセロイの前向きさに何度胸打たれたことか。
仲間がその前向きさに協力的で、みんな互いの人間性を信じてる。この仲間なら失敗しても「経験」としてきっと何かにつながる。

ただ暴力はやっぱ多いかな〜。
「勝つ」ということへの執念も強い。このドラマだけかな。
相手を土下座させたりどんなに殴って負かしても、負けた方の恨みを増幅させるだけじゃないの?って怖さは拭えません。それって本当に解決になる?と。
「愛の不時着」でも一番悪いやつだいたい死んじゃうから、ドラマ的にはいいのかな。

死の淵にあったセロイが目を覚まして大号泣するところは本当に泣けた。
新しく生まれたんだなと思った。やっとちゃんと呼吸ができた赤ちゃんの激しさのようでした。


リュ・ギョンスさんインスタより。タンバムの仲間たち)

 

この曲に何度も泣かされました…!

shikinemoli

2009年からホロスコープ・タロットを学んでいます。 ドラマ、ミュージシャンが好きなので、好きなものと星読みをつなぎ合わせてみた場所です。 鑑定の折にはよろしくお願いいたします。

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