筒美京平さん亡くなられたのですね。
筒美京平さんといえば希代のメロディメーカーですが、国民曲ともいえるのはサザエさんですかね。
オープニングもエンディングも筒美さん作曲。
ほぼ毎週何十年も耳にしてるのに、こうやって書いててもたまらなく聴きたくなる。
筒美さんってそんな曲を作る方。
ほんっとワクワクさせてくれるんですよね。
特にイントロ。
他の曲となんか違う楽しさ・痛快さを感じて、作曲者を調べると筒美さんだったりするのです。
東海道新幹線の到着お知らせ音、TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」など、生活にも浸透してますね。
筒美さん訃報でまず思い出したのがこちら。
小沢健二「強い気持ち・強い愛」(1995年)
筒美さん55歳の作曲作品です。
正確には共作ということですが、私はオザケンといえばそりゃ「ラブリー」も「愛し愛されて生きるのさ」も「今夜はブギー・バック」も好きですが、この曲への「大好き!」という気持ちはちょっと格別です。
オザケンはこの曲でTV的にメジャーになったんじゃないかと思うほど。
筒美さんは「メジャー力」がすごい強い…と言うのか、メジャー鉱脈がどこにあるかズバリ探り当てられる方じゃないかとつくづく感じますよ。
メジャーといえばこれ。
太田裕美「木綿のハンカチーフ」(1975年)
出だしの「こ・い・び・と・よ〜」で永遠にノれる気がします。
あと「い・い・え〜」がなんかダンシングなんですよねぇ。
筒美さんの作る曲ってダンスしたくなるっていうか、転調部分でハメ外したくなるというか、メジャーもマイナーも合流させるポイントがあると思うのです。
これもそんな曲。
C-C-B「Romanticが止まらない」(1985年)
「木綿のハンカチーフ」でも組んだ作詞家の松本隆さんと筒美京平さんがまたゴールデンコンビなんですよね。
友達の領域と書いて「エリア」と読ますなんてイケてる!!
これも「だ・れ・かっ」のところで「おぉっ!?」と思わせる。イントロで忌避していたメジャーもマイナーも音楽知らずも、きっとここに惹きつけられると思うのです。いつの間にかみんなで「く〜るし〜くなるぅ〜」って悩ましげに合唱してるはずで。
あとイントロのソラ・ラシ・シレ・レミっ(適当)みたいなとこが、なんでそうした〜…というくらいやたら掴まれます。子ども心を刺激する曲ですよ。
ダンシングといえば本当に踊れる曲。
田原俊彦「抱きしめてTONIGHT」(1988年)
トシちゃんに「案外、下手だね…」と言われたら、「なにがっ!?」とキレるところから恋が始まりそうです。
平成のダンスブームよりずっと先取りでトシちゃんキレッキレに踊ってる。
それにしても股間に手を当てる仕草がセクシーすぎます。
しかもこの曲はサンバに転調!どんだけおめでたい曲なんでしょう…。
いや、その先にもっと深刻な転調がありました。
「触れたらぁ〜…(壊れそうな…)」悩ましげ!!!
そして最後に「守りたぁ〜いぃぃ〜」と熱く歌うトシちゃん。
トシちゃん賛歌になりましたが、トシちゃんがこんなに生き生きと歌ってるのはほかにあまり知りません。
トシちゃんの全部を引き出した曲と言えるはずです。
しかし筒美先生のバラードもまた素敵なのです。
少年隊「君だけに」(1987年)
小6のときに運動会でリボンダンスした記憶があります。
男子は指鳴らしでマウント合戦してた。
ニッキの「I Need You…」の転調のとこがやっぱ好きですね。
からの「My Sweet Heart …!」ですよ〜。
女心の掴み方知ってらっしゃる筒美先生。
カラオケで最後の「君だけに」のとこも下から歌う男へのがっかりは立ち直れないほどです。
(最後だけ上・下なんですよ。下・上じゃない!怒)
そして平成の筒美バラードといえばこれじゃないでしょうかね。
NOKKO「人魚」(1994年)
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この壮大さは筒美先生の曲でも珍しい方じゃないですかね。
恋心がこんなにドラマチックに歌われるとは…そんな感動に多くの人が包まれたはず。
最初は可愛らしさが散りばめられてます。
「アカシアの雨にうたれて泣いてた」「春風のように」「その笑顔をしぐさをいとしくて」…可愛い。
しかし「抱いて抱いて抱いて」でなんとなくの予感があり、「見つめあうとき…」でまた純な曲調。
からの「つめーーー」の迫力。ここがどんだけ聴いても難しいです。
「つめぇたぁぁい夜は…」「こどーーもー」のリズムが難しい。激しく歌わなきゃなんないから。
しかし「きせぇーーきを…」を歌いきれば、「涙が枯れる…その前に…星を見上げて…」でまた可愛らしく回収できるという奇跡。
「すてきな事もさみしさも輝きに似て…」
思えばこの旋律・畳み掛けも不思議なものです。本当不思議な曲。
NOKKO独特の世界観に半ばやっつけでメロディーを当てたんじゃないかと思ったりする。
そしてテイ・トウワさんがおしゃれにアレンジして完成という。
いやいや、筒美先生渾身の一曲のはずですけどね…。
この間書いた「80年代アイドル並列」では、中山美穂さんの「C」と本田美奈子さんの「Oneway Generation」が筒美京平さん曲でした。
中山美穂さんの「WAKU WAKUさせて」とか「ツイてるねノッてるね」
その他キョンキョンにもたくさん曲を書かれてます。
「なんてったってアイドル」「ヤマトナデシコ七変化」「魔女」「迷宮のアンドローラ」そして「夜明けのMEW」(1986年)
筒美先生の曲は暗さと明るさが同居してて、それが切なさってことかもしれません。
でも激しさもあるんですよ。
「愛を…(ごめんね)」「君をすべて知っていると思っていたーーー」の演歌のような激しい畳み掛けとか。
一人の人間の感情やドラマが1曲に込められてるのですね。
筒美京平先生のホロスコープです。
太陽双子、月水瓶か魚、水星双子、金星蟹、火星蟹、木星牡牛、ドラゴンヘッド天秤
双子座は「時代性」を最も敏感にキャッチできるサインと思います。
太陽だけでなく、水星や金星双子ってだけでも時代性が「わかる」という感覚があるはずと思うのです。
そして筒美先生の圧倒的なメジャー性はやはり蟹座の金星・火星でしょうかね。
月は水瓶か魚かわかりませんが、私は魚座じゃないかと思うんですけど…どうだろう。
牡牛座には木星・土星・天王星があり、音楽性の高い人は牡牛座や天秤座に惑星をお持ちの方がとても多いです。ドラゴンヘッドが天秤座。「一般・メジャー」を探り当てる鉱脈はここなのかなぁ。
牡牛・双子・蟹・天秤が数々の名曲の源泉という感じがします。月が魚座としたらやっぱ完璧ヒットメーカーじゃないですか!
松本隆さんもちょっと似てる配置です。
太陽水星が蟹、火星が双子。金星は獅子で冥王星とコンジャンクション。
月は魚か牡羊か不明ですが、魚座じゃないのかなぁ。あの優しげな感じとか、やっぱり独特のセンスとか。
水瓶座や牡羊座がセンスないわけじゃないですが、水星座の共鳴力をお二人には感じるんですよね。
それは蟹的メジャー性だけじゃなくて、なんかわからないけど胸の中にある「何か」を言語化・メロディー化してもらえたような、「それそれ!」という共鳴。
本当に胸にあったかわからないのに、「同じだ」と思わせる暗さ・明るさも。それを作品にするセンス・能力がおありだったんじゃないでしょうかね。
筒美先生は木星期(46〜55歳)以降はずっと牡牛座期でした。(土星期56〜70歳・天王星期71〜85歳ごろ)
そう思うと、「人魚」の独特さがたちまち理解できる気がします。
火星期までに作られた曲は、メジャー性・話題性・ノリの良さ・キャッチーさが特徴的な気がしますが、木星期以降は時代に流されない曲を作りたかったんじゃないのかなと。1940年生まれの筒美先生。
後に貼った森高千里さんの「八月の恋」も美しいメロディーで、時代性というよりかは懐古的で、どこか安心できるような曲なんですよね。
筒美先生の太陽サビアンは双子座7度。
「古風な井戸」
このシンボルは、持つ者と持たざる者、与える者と与えられる者との落差が生み出す明暗を描いています。
人を出し抜くのではなく公平さを発揮することによって、多くの人に幸福をもたらすことに喜びを感じるのです。
とはいえ自ら市井の人々の中に分け入って、直接行動をともにすることはありません。
しかし万人の琴線に触れるセンシティブな感性はやはり特筆に値するでしょう。
まるで筒美先生のことを言ってるようなサビアン。
私が興奮した数々の転調は、「明暗」「落差」への感動ということかもしれません。
森高千里「八月の恋」(1991年)
南沙織さんの「17才」がそもそも筒美京平さんの曲だそうです。
森高千里「17才」(1989年)