大橋裕之さんの漫画「シティライツ」完全版を買いました。
上巻の巻末に岡村靖幸氏との対談があることも購入の後押しになりました。
岡村ちゃんがもう何年も前から推していた大橋裕之さんの漫画。
大橋さんが手がけられた岡村ちゃんのツアーグッズイラストを見たとき、正直ムッとしてしまった。
なんだ!このイラストは!と。
大橋って誰なんだ!この両脇も一体だれ?なに!?
今でこそ、これ見てワーッと盛り上がる。
圧迫大好きアッパくんと(左)、ボブディラン埋蔵金探索のボスですかね(右)。
大橋さんの印象が変わったのが、岡村ちゃんユリイカ特集号です。
大橋さんが寄せられてた漫画がやけに忘れられなくて、涙が出そうなほどだった。
ユリイカ内で一番印象に残るものとなったのです。
この簡易すぎるロケットと宇宙服と、案外そっくりな岡村ちゃん。
胸のピーチマークの細かさが嬉しい。
そして実際に一時期、人の性生活をやたらインタビューしてたらしい岡村ちゃんエピソードが、なんと宇宙生物に向けても!
この「ズバズバ」とかっていう擬態語が気持ちいのも大橋さんの特徴です。
最後は宇宙でデンス。
これがなぜか泣けた。
一番岡村ちゃんのことをよく知ってる人のように思えた。
誰もいない宇宙空間でもきっとデンスするひたむきな変人であろうことを、なぜか私もよく知ってるように思えた。
そう、そういう切なさです、大橋さんがかもしだすものは。
今回、「シティライツ」を読んで改めて思ったこと。
この人は乙女座に星を持っているに違いない。
というわけで大橋さんのホロスコープを見てみたくなりました。
やっぱり!!
大橋さん、乙女座に3つ星があって、しかもリリスまで。
乙女座マジョリティーでした。
大橋裕之さん(38歳・火星期)
太陽:水瓶、月:双子
水星:水瓶、金星:魚、火星:乙女
木星:乙女、土星:乙女
P太陽:魚、リリス:乙女
太陽は水瓶座で水星とくっついてます。
この「水星とくっついてる」というところがまさにシティライツの特徴っぽく、小中高生が主人公というものが多いんですよね。
いつも若者が主人公。
大人だとしても相当幼い。
そして水瓶ですから、設定はありえないほどユニークです。
大体ありえない力が働いたり出現してきたりします。
でもこれは、魚座的とも言えるかも。
大橋さんの金星が魚座。宇宙とか超能力の話が多いです。
それがまたロマンティックでドラマティック。
月は双子ですが、この双子・乙女・水瓶持ちで漫画家だと、ほぼサブカル的になるでしょうね。
双子と乙女は漫画家に向いてるようですが、水瓶座のマイナーシュール感が、よりサブカル心をくすぐります。
月が海王星とオポジションというのも、何か宇宙的な力をパワーにするストーリーが多いゆえんにも思えます。
なんたってやっぱり乙女座。
やはり強く利いてる。
たいてい切ないですよね。
乙女座持ちの人が書く物語というのは。
そして報われないです。
いや、報われるとしても、相当ささやか。
自分だけが満足できる幸福。そこに泣けるのです。
大橋さんを推した岡村ちゃんも金星乙女の人。
私がいつもその脚本に震える宮藤官九郎さんも金星乙女の人です。
あと山田洋次さんは太陽・金星はじめ乙女座に星が集まってます。
私もまた金星乙女だから、この方達の作品がとくべつ刺さるみたい。
いつまでも成長しない青さの表現が光る方々。
それが乙女座の支配星でもある水星的ということなのでしょうか。
自分の未来が果たして幸福に向かってるのかわからない時代の・わからない瞬間を切なく切り取る。
シティライツは1話完結ですが(シリーズストーリーもある)、主人公はいつも目立たない人。
嫌われがちでもある。
誰かに話しかければ「は?」ってだけ返され、人の忠告にもあんまピンとこない人。
人をイラつかせる。
トンチンカンにツッパったりしながら、人並みに感動屋さんだったり。
キラキラした女子に振り向かれたりしないし、女子だってモテたことなどない。
私がとりわけ好きなのは、北石器山高校の超能力部女子3人の物語。
この3人は本当に報われなくてねぇ〜…。
普通こういう女子って主人公になりませんよね。
そこに大橋さんは光を当てた。
いないわけないのに、世の中から「いない」とみなされる。
どの雑誌にも載ってない、自分みたいな人。
目立たないからって”いい人”ってこともなく、結構嫌なやつ。
でも嫌なやつ度合いなんて、美人とさほど変わりゃしない。
経験がない分の純粋さでバカばっかりやって、それでなんでこんな泣きたくなるのかな…っていう作品ばかりです。
大橋さんは金星が魚座で、確かに描かれる女の子がみんなキュートなんですよね。
ただ超能力部の3人もある意味魚座的で、自分たちにはすごい力があるんだと信じ込んでいる。
いつかその力で何かを動かせる・見返せるんだと、盲信…(泣)
対向にある乙女群の星々が、キュートな女性に振り回される男どもという感じもするし、超能力少女の現世からの孤立にも見えてきます。
とりわけ好きなのがこのお話。このシーン。
この右のロボットは、猫を失ったしげるさんが寂しさ癒すために自作した、いわば人形。
なぜか病床のしげるさんに寄り添ってる。膝折って…。
この「え、なんで?」っていうツッコミどころ。人形なのに…。
しかしそのツッコミを、これほど野暮に思ったことないくらいの気持ち。
この気持ちのこと、なんて言うんだろう。言葉で表せない!
ってか、こんなに漫画貼り付けちゃっていいのかな…。
好きなシーンがありすぎて。。
どこかから指摘を受けたら、画像を消します。
大橋さんは、太陽も月も水星も風星座だけあって、全体的にライトでユーモアたっぷりです。絵の余白からしてもライト。
主人公は、変なオヤジに絡まれる乙女部分だったり、シュールな水瓶的青年。
また自分が浮いてると気づいてんだか気づいてないんだかの魚的女子だったり、わけのわからないものに突き動かされる月双子的な僕である。
ホロスコープの円盤を見つめると、あの主人公もあれもそれも、独特のタッチで描かれた笑顔で幸せに暮らしてるように見えてきます。
誰かのホロスコープ見て、なんか泣けるって、なかったかも。