「わたしを離さないで」

4年前の記事、再掲します。

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TBS金曜ドラマ「わたしを離さないで」見てます。

TBS金曜22時ドラマといえば、「高校教師」はじめ野島伸司作品のような、重め性生死グロドラマの定位置ですね。

Wikipediaで調べてみると、この枠ほかには「想い出にかわるまで」「ずっとあなたが好きだった」「誰にも言えない」「人間・失格」「愛していると言ってくれ」「未成年」「聖者の行進」「世界の中心で、愛を叫ぶ」
などなど…
90年代は、内館作品か冬彦さんか野島作品でローテーションしてるかのような、ドロドロした時間帯のイメージがあります。

セカチューは一見純愛ドラマだけど、「死」と向き合わざるを得ない残酷さが、やはり漂ってましたね。

さて「わたしを離さないで」。

視聴率が芳しくないようです。
でも、それくらいでちょうどいいドラマのような気もする。
大衆にスルーされるひっそりさ。
だからこその良さがこのドラマにはあると思うのです。

綾瀬はるかさんの「垂れ目」の愛らしさを存分に堪能できますし…。
あとやっぱり胸が大きいのね…ってことを、共同で暮らしてる男達みんな気づいてる。
しかも抱かせてくれるらしい…。
っていう役柄の綾瀬さんって、すごくすごく貴重です。
そうです、そういうドラマです。

臓器移植用の人間として、細胞段階から開発されて生まれてきたという若者たちのドラマ。
原作は海外の小説です。

私は何を楽しいと思って観てるのかな…と考えてみた。

やっぱりなんといっても綾瀬はるかさんの演技に引き込まれます。
いつでも朗らか・明るく無邪気なイメージの綾瀬さんですが、あんなにダークさも演じられるんだってことに毎週感動してるのです。

お茶の間に国民的明るさをもたらしている綾瀬さん。
だけど人知れず、苦悩を抱えながら笑顔をたたえる日々もあったのかもしれないな…なんて、綾瀬さん演じる「恭子」を通り越して、綾瀬さんの日常にまで思いを馳せてしまうほど感情移入しています。

綾瀬さんだけじゃなく、相手役とも言える三浦春馬さんもとっても素敵。

三浦春馬さんは思えば、中学生で父親になってしまう役から、教え子に手を出したかもしれない…なんて危うい教師役、そして年上女性と性を謳歌する役と、どうも性行為を連想させる役が多かったですね。

だけど斎藤工さんのようなダイレクトなエロイメージはないんだよなぁという、不思議な役者さん。
実態はそれほど性にふけってない方なのでしょうかね。
(確かめようもないけど)

今回の役も、童貞前後という境目部分を三浦さん演じられてます。
幼いころから綾瀬さん演じる恭子と心を通わせつつも、恭子の親友、水川あさみさん演じる美和の強引な押しに負けて、結果、美和と付き合う「トモ」という青年。

ほんと、これまで性にまつわるいろんな役をされてきてるのに、よくぞ童貞感も出してくれました!と、そこにも感動しきりです。
あのダサい髪型がいいんでしょうかね。
乾燥肌に見えるような色白加減とか、あと長すぎて持て余してるような手足に、勝手にウブさを感じてしまいます。

幼いころのトモを演じてくれた男の子もまたとっても可愛くて、しかも幼いトモはみんなにいじめられるくらいかんしゃく持ち、興奮するとおならしちゃうし、恥ずかしいほど純粋で、恭子以外誰からも相手にされてなかった。

そんなトモの純粋さは三浦春馬さんにも受け継がれてて、今では恭子にすら「バカみたい」って言われても、奇跡を信じてる・信じることをやめられない…そのピュアさが泣けますね~。

恭子もトモの必死さに、封じ込めてたピュアさを取り戻してさ。
だけど、もう恭子はトモの数倍オトナになってた。

いつだって2人は、トモの彼女・美和を怒らせないように気を使いながらも、でも信じられないような奇跡を恭子とトモで体験してしまったとある日、美和の目を盗んでタクシーの中でトモの手を握る恭子に、成長していてね…。

指と指を互いに交差する、あれは何つなぎっていうんだっけ?
ナントカつなぎは、やっぱりそういうことの暗喩なのですかね。
電車内とかで見かけるたびに、何かを露骨に見せられてるかのような気まずさ。
明るいシティーのカップルは意識してるのかしてないのかわからないけれども、あのドラマの恭子は、脚本家は、そして綾瀬さんも三浦さんも、私たちは結びつきたい…!結ばれるべきで…!という爆発しそうな性とか願いとか、あの手に込められた色々が卑猥さとなってあふれてたようでした。

その日も翌日も、トモの自分への行動を期待している恭子。

「わたしは興奮していた」

綾瀬さんの低いトーンのモノローグが本当に挑戦的で。

綾瀬さん演じる恭子の初体験の相手となったのは、年上の井上芳雄さん。
このしっくり感もね!
演技とか舞台活動において格段の頼もしさを放つ井上芳雄さんは、傷つきながらも性の爆発をもう抑えようもない綾瀬さんを受け止めるのに、ぴったりじゃないですかね~。

綾瀬さんの胸元のボタンを静かに一つ一つ外していくのが許されるのも井上芳雄さん。
綾瀬さんの首筋に埋もれるのが許されるのも井上芳雄さん。

三浦春馬さんだと、ちょっと生々しいのです。きゃーっと・ぎゅーっとなる。
そこに愛なんてあるんだかないんだかみたいな水川あさみさんとの抱擁シーンくらいが精神衛生上ちょうどいいというか。
このあと、恭子とトモのラブシーンがあるかもわかりませんけどね。
きっと美しくぼかされるんじゃないのかなって予想します。

こういう、そんなダイレクトに描いてないのにエロがあふれるドラマが好きです。
想像力が働くのが楽しい。
その想像力から湧き上がるものは、エロいくせに美しいのです。
見せられているものよりも、自分の中で描くものの方がピュアなんだと言い張るようなね。
ピュアさに、プラス哀しみとか妬みを勝手にカスタマイズして、結局視聴しながらわたし独自のストーリーを作っているんだな…。

最後に出演者たちのホロスコープを並列ということで。

綾瀬はるかさん(恭子)
太陽:牡羊、月:牡羊か牡牛(境目8時半ごろ)
水星:牡羊、金星:牡羊、火星:牡牛

三浦春馬さん(トモ)
太陽:牡羊、月:獅子
水星:牡牛、金星:水瓶、火星:水瓶

水川あさみさん(美和)
太陽:獅子、月:山羊
水星:獅子、金星:乙女、火星:蟹

水川さんは太陽と月でオポジションを形成しています。
獅子座の太陽が蟹座とぎりぎりのところにあるのですね。
火星と月もオポジション。
パーソナル天体にオポジションを持ってる方というのは、人を振り回す傾向がありますね。
なるほど~。

しかも水星が「上から」という尊大な言動が出やすい獅子座。
これは恭子とトモを辟易させるわけです。
この二人だけじゃなくても、幼い頃から美和はみんなの注目を浴びたくて(獅子)、ちょっとお高い優等生然としてて(山羊)、だけど本当は誰よりも神経質で傷つきやすく時に批判的で(乙女)、結局は人の懐に入ってしまうような甘え上手(蟹)。

恭子のやることなすこと、美和は全力で邪魔をしてくる。
綾瀬さんの牡羊部分VS水川さんの蟹火星ー山羊月のスクエアっぽいです。

三浦春馬さんも牡羊座。
水川さんとの火星金星の相性からすると、「よくわからない」まんま付き合ってる性愛みたいにも思えるんだけど、でも物語が進むにつれてトモのほうが美和への「人間愛」みたいなのも育ってくるんですよね。
毎日顔を合わせる共同生活・同棲生活では、半ば夫婦みたいな太陽ー月でのお付き合いとなるのでしょうか。
もはや性愛だけじゃないようなヒューマンの部分も漂わせてきたような。

この間の回では、もういよいよ恭子とトモが心身通い合う寸前だったのに、美和が「恭子の噂」をトモに耳打ちして(また邪魔してきた!)、トモの心変わりを食い止めてました。
その噂とは、「恭子は誘われれば誰とでも寝ているらしい」というもの。
ホントなんだけどね…。

恭子にもおんなじ「ピュア」が流れてることを知って、恭子と結ばれたかったトモだったけど、「性」の部分のそんな噂は受け入れられなかった。
性=火星とするならば、綾瀬さんと三浦さんの火星はスクエア。
牡牛座と水瓶座。

実際には、スクエアだから結ばれないということは決してなく、スクエアだからこそ燃え上がるようなものもあるとは思います。
だけど一度嫌悪しちゃったらば、そこからの結びつきってのはどうなんでしょうね~。

と、ここでもう一人。

井上芳雄さん
太陽:蟹、月:蠍か射手(境目21時半頃)
水星:獅子、金星:双子か蟹(境目17時半頃)、火星:双子

井上さんは太陽蟹座ですか…。
綾瀬さんの悲しみに満ちた性を受け止めたものの、「提供者」としてあえなく去ってしまいましたものね…。
綾瀬さんの月は牡牛座であってほしいと常日頃勝手に思っているわけですが、そうだとすると井上さんの月も蠍座であってほしい。
性的な惹き合いの強さがストーリーにまで表れたのだとしたら、なんともお見事じゃないですか…。

井上さんは金星がどっちかわからないけど、あのマイルドさは蟹なんじゃないかなって。
そんで火星が双子ですか。
物語でも「たらし」みたいな慣れてる雰囲気たっぷりでした。
そのくせ洞察力も鋭くて(やっぱ月蠍であってほしい)、恭子・トモ・美和の関係までじっくり見極めつつ、トモにも恭子にもまろやかに「進言」するようなまめさ。
双子+蟹、双子+蠍は、軽さとまめまめしさを併せ持つ「モテ」の要素が詰まった人に多いと感じます。

ドラマでもドラマじゃなくても、男女は「スクエア」があればこそ、Hot!Hot!な盛り上がりを見せるんじゃないでしょうかね。
最初は嫌悪感。
でも抗えば抗うほど、本当は欲しいのか本当に嫌いなのかわからなくなってくる。
だけどスクエアってのは、身も心も「ぶつかる」ってことを試さないわけにはいかないのかもしれないです。
泥仕合すら愛みたいに思えて、ドロドロの執着の不健全さに自分を責めるんだけど、そうでなければ生きた心地がしないという人もたくさんいますね。

この物語、どうなるのかな。
原作を読んだけどもう忘れてしまった。
原作通りじゃないかもしれないし…。

綾瀬さんと三浦さんは太陽牡羊座同士。
二人溶け合うようにして、物語は終わるかな。
美和もトラインの獅子座だもの。
最後は邪魔しないであげられるかな。

 

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