私がTVを見る理由

私は昔からTV大好き人間。
親からも「朝から晩までTVの前で…」とよく呆れられていた。

「TV持ってないから見ない」「なんで見るの?」と言われたこともある。
確かに、なんでこんなTV見てんだろうね。
全部面白いかと言われればそんなこともない。
見てられなくてチャンネルをすぐ変えたりもする。
ほとんど見ないジャンルもある。
それでも朝起きればまずTVをつけますね。
私にとってTVは「時代」「いま」を感じるためのものだから。

でもTVの話題って少なくなった。
これは「笑っていいとも!」「タモリ倶楽部」がなくなったからと思ってますがね(どんだけ前だよって)。
タモさんのマニアックさで人間関係が築かれることって結構あったからさ。
そのタモさんが2022年暮れの「徹子の部屋」で、「来年は新しい戦前になるんじゃないですか」と言って、心がシン…となった。
ネットでもざわついていた。
やっぱりそうか…
信頼してる人の思いをTVでふと感じられるのも感慨深いことで。

選挙とか政治の話になると、「TV見てもしょうがない」「ちゃんと報道されない」っていう声が聞かれる。
確かに「これから選挙だ!」って折にTV見るのはタイミング悪いと思う。
一斉に報道がセーブされますからね。
でも毎週、特に週末の朝や夕方・夜には、政治の話を扱う番組が放送されてるし、そこでは問題点が鋭く斬り込まれている。

私はTBSの「報道特集」が好きなのですが、金平さんや膳場さんがいなくなっても質の高さが維持されてるように思えて、自分自身の考えのよりどころにできる。
特に記者が政治家にマイクを向けるときが好き。
しどろもどろにさせたり、うまくごまかされたり、人柄がよく表れるんですよね。
ああいう番組が長く続いているのに、なぜ選挙結果とリンクしないんだろうと不思議に思ってたけど、「なぜなのか」というのも放送を見てると感じられる。
ただ、自分が「感じられる」だけで十分と思っているので、ここで書くことはしない。
発信に慎重にならないと、今の時代ちょっと怖いです。

「報道特集」で放送されるのは政治の話だけじゃない。
国際情勢にも時間がたっぷり取られてるし、差別など人権侵害が繰り返される現場の取材も多い。
今の時代、何がどうだったら鈍感で配慮がなくて…というのは、TVを見てると自然に感じられてくるものです。
「まだこんなドラマの設定なのか!」と驚くものは、去年まではあったけど今年はずいぶん減ってるような。
といって、ドラマもあんまり見なくなっちゃったんですけどね。
バラエティー番組はずいぶん苦手になった。
それでも昔と比べると、優しげ〜な感じになってて、失礼な茶化しとかは減ってるだろうけど、私は大量に食べ物が出てくるものとか、「おいしい〜」という連呼が予想されるもの、何をやっても笑ってくれる女子が配置されてるものはあんま見ないですかね。

NHKは偏ってると言われて久しいのだろうけど、ドラマは群を抜いて素晴らしいものが多いと思う。
「こういう世の中にしていこう」という意図が感じられて、熱意がある。
ニュースでは、「この問題の扱い、ちっちゃ!」と思うこともあるけど、世の中で沸いてるものが無視されることはほぼないと思う。
あったとしたら、それはそれでヤバさが裏で働いてるということなので、そういうのを感じるのもワクワクしてしまう。
そういうヤバさをラジオとX民は見逃さない。
きっとYouTube民も逃さないんでしょうけどね、YouTubeは苦手で見ないからわからない。

*****************************

この間、日テレ深夜のNNNドキュメントを見ました。
大島新監督が自民党と立憲民主2つの選挙戦を追ったルポ。
立候補者全員に30分のインタビューを試みたもので、応じてくれた人もいれば、応じなかった人もいた(小泉進次郎氏、高市早苗氏)
加藤勝信氏と林芳正氏について「どういう人だろう」と思ったこともなかったけど、大島監督との会話のさりげないキャッチボールで人柄が滲む。
いい人そうだった。
が、国民感情に鈍感そうになぜか思えた。
立憲の候補者はみんなじっくり語ってくれて、イメージ通りの真っ当さを感じました。
国民の痛みを「わかってる」という感じは嘘じゃないらしいということも。
でも「まとも」で「いい人」というだけじゃダメなんだなとつくづく思った。
何がダメってうまく言えないけど、「権力」がそこそこないと周りがついてこないんだなというか、大きなムーブメントを起こすには「いい人」とかじゃダメなのかも…とか。
そう思うと、石破さんよく総理になれたなと思う。
「党内の支持が圧倒的にないのです」と自分で言っていた。
「若手を飲みに連れて行くことをしない」「会合をしない」「仲間を作ろうとしない」
「なぜなら、この世には知らないことがたくさんあり、それを読書でまだまだ取り入れたいから」
石破さん本人談。
と、かばんの中の本を見せてくれた。
何か信頼できそうなものを感じた。
「ただし総理になるまでは」と大島監督も言う。
総理になってからの言動の変節に失望した大島監督が、その理由まで石破さんに聞いてたんですよね。
「うーん、だからそれはね、そうなりますよ」
「議員になってから今が一番苦しい」

顔もずいぶん変わった。疲れ切ってるというか。
食べなきゃやってられないんだろうと思うくらい食べてるのだろう。そんな映像も多かった。
米農家視察で「おにぎり5個目」って得意げなシーンがあって「はは・・(多すぎだろ)」ってその場の誰もが引いていた。
しかも「一口で食べるのが美味い」とかって頬張っちゃって、それがネットに出回る。
「汚ねぇ」と。

あんなに政治に関心なかった自分が、政治家それぞれへの何がしかがポッと胸に湧いたりするのがまた楽しい。
YouTubeだともっといろんな映像が転がってるんだろうけど、私はTVで見れるもの・見れないもの・漏れ出たものをこれからも楽しみたいです。
TV独特の偶然性が楽しいから。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です