べらぼうと「しあわせは食べて寝て待て」

NHKのドラマには感心しっぱなしです。
べらぼうも1話1話が濃厚で、オープニングの壮大さに泣けてくるほど。
映画に匹敵するくらいのスケールで作られてるんじゃないかと感じられる。
「しあわせは食べて寝て待て」は最初、地味そうで「なんとなく」見てたつもりが、どんどん引き込まれていくんですよね。
「ワタシってサバサバしてるから」も見てます。
この間のシーズン1再放送からハマりました。
丸山礼さんすごいですね(笑)

さっき「べらぼう」の再放送も見ましたが、いい話だった・・
染谷将太さんが唐丸だったとは・・
ってか、染谷さんって横浜流星さんより4つ年上。
それでも染谷さんがあてられたのは童顔だったからかなぁ。
そりゃ演技力もでしょうけど。
だって登場1発目で唐丸の重い人生を表現してみせた。
さすがだなぁ〜って思う。
もしかしたら染谷さんは早々に歌麿役に決まってて、唐丸役は染谷さんに似てる子があてられたんじゃないのかな、どうだろう。二重の目のうつろさが似てんですよね。

この回は「性の表現」に関する注意テロップがついてたけど、なかなか攻めてましたね!
上の筆と下の筆って…
「最近、息子さんはどんな調子で?」と聞く横浜流星。
「放蕩息子だぜ!」とはしゃぐ尾美としのり。
大蛇の化物も、夢とはいえなんかリアルだった。
しかも、染谷さんの客が岩井志麻子(笑)
でも「ワタサバ」でも結構下ネタ出てくるんですよね。
それが下品な卑猥さにならないとこはNHKの並々ならぬ配慮ゆえなのかな。

最初、「べらぼう」って火星座の人が目立ってる感じだった。
平賀源内役の安田顕射手座、小芝風花牡羊座、高橋克己牡羊座、正名僕蔵獅子座。
私、正名さんの松葉屋の演技にすごい惹かれるんですよね。うまいなぁって。
寛一郎さんの太夫とかすんごい色気でした、獅子座。
井之脇海、里見浩太朗、中村隼人、唐丸役の渡邉斗翔くんなど射手座陣も多数です。綾瀬はるか牡羊座。

蔦重が耕書堂を開いてからが第2章として、最近は柔軟宮の存在感が光る。
横浜流星さんが乙女座柔軟宮で、染谷将太さんも乙女座。
尾美としのり射手座、福原遥乙女座、中村蒼魚座、安達祐実乙女座、飯島直子魚座。
片岡愛之助魚座、風間俊介双子座。

第1章は蔦重がまだ20代と若く、横浜さんの金星も獅子だからか「アイデアがんがん出してくぜ!」みたいな熱さが人を巻き込んで、周辺はそれを笑い飛ばしたり怒ったりにぎやかだった。恋も丁々発止。
第2章では蔦重にだいぶ落ち着きが出てきて、いろんな状況を柔軟にさばく余裕も大人っぽい。
蔦重だけじゃなく、周りもしなやかな機転を利かせる。安達さんや飯島さん、中村蒼さんなど吉原の面々。

横浜さんの服装も大人っぽくなったし声も低くなった感じするし、演技変えてますよね?というのが感じられる。
そう、最近横浜さんの細かい職人感が光ってるんですよね。
太陽地星座の役者って努力家というか器用というか、地味な所作をしっかり魅せる人たちと思う。
横浜さんはどれだけ江戸っ子を研究してるんだ?と目を見張るほど所作が粋というか、物の食べ方やキセルの吸い方が決まってる。
横浜さんの作品をそんなに多く見てるわけじゃないけど、私が見始めたころは、何考えてるかわからない暗そうな役が多かった(あな番やシロでもクロでもない世界など)。いつの間にか暴力性も時にあるような熱さのある役が増えて。
でも涙をぽろぽろ落とす演技はすごいなぁと思って見てた。
ここ数年でさらに進化を遂げられてるんだろうけど、なんか「自分に課す」ことが好きそうだなと思ったんですよね。
江戸っ子の所作を身につける課題を自分にどんどん課して、研究するような真面目さがすごい伝わってくる。
Xとかでよく見かけるのは、蔦重は主役だけどあくまでプロデューサー役で、その「大物の脇にいる感じ」を横浜さんが見事に表現されているという賛辞。
本屋・耕書堂を立ち上げるというこの地味さを丁寧に演じてくれていると本当感じますよ。
イケメンとかそういうのを感じさせないくらい。
でも、「はっ」としたときの目がまた澄んでるんですよね〜・・
横浜さんの純粋さと真面目さ、そして美しさにとにかく胸を打たれる。


そんで「しあわせは食べて寝て待て」
すんごいひっそりしたドラマと思ってたけど、不思議な重さと深刻さがあってこちらもどんどん引き込まれてます。
スーパーやカルディなどであんずが最近見当たらないんですよ。喉にいいらしいというあんず。
職場の同僚もそう言ってて、まさかあのドラマはそこまで影響力ないよね?と思ってたけど、今もあんずは見つからないし、薬膳と漢方の本を書店で見かけるようになった。
もしかして、ドラマでさとこがよく読んでるあの本なのかも。

(画像は「しあわせは食べて寝て待て」HPより)

この2人はくっつくのだろうか。
漫画原作でどう描かれてるのかはわからないけど、この第5話で宮沢氷魚さん演じる司の過去が明かされた。
自分とさとこ(桜井ユキ)をくっつけたい鈴さん(加賀まりこ)の思惑はわかるけど、「それはありえないでしょう」と言う司。
「自分は結婚に向いてない人間だから」と。

祖母と母の介護&家事に長いこと携わってきて、当時交際してた女性から結婚しようと言われても「まだ続くのか…(誰かをケアする人生はもう無理)」としか思えなかった司。
この独白はとても重く、ドラマだし演技だしと思っても、私の心にずしんと響いた。
私は最近、ChatGPTにいろんな悩みも相談してますが、自分がこの部屋に1人でいるということこそが「静かな宝物」とGPT氏から励まされ(どんな相談だよ)、実家で過ごした30年がふと思い返された。
実家では誰かの怒った声、機嫌の悪さが常に蔓延してて、誰も声を荒らげない静かな日は奇跡のよう。
でも、夜に誰かが帰宅したら、この穏やかな静寂もぶち破られるのかもしれない。
どうか何も起こりませんように。
何度願ったかというあの日々を最近忘れていたけど、ふとよみがえって、あの耐えた日々がこの自分を形成したんだとしみじみ思い返しましたよね…

私はにぎやかな人間関係内で振る舞うのが自分っぽいと思ってたけど、それはそうやって生きてきたリピート再生というだけで、本当は時間を自分のためだけに使う静けさでこそ安心できる。
部屋に1人でいれば、誰にもなびかなくていい。誰かのための自分じゃなくていい。
今やっと自分の部屋という安心基地があって、それはなんて幸福なことだろうと思うけど、巻き込まれた過去や、人の顔色をうかがって気を揉むのはもううんざりだと体の芯が記憶している。
司の独白に、その芯が共鳴した気がした。


宮沢氷魚さん、この役すごい合ってんですよね〜。
桜井ユキさんがまた麦巻さとこという持病に悩むひっそりした役が意外にぴったり。
加賀まりこさんが珍しくがっつり老婆役だけど、昔の髪長かった鈴さんはやっぱ色気がにじんじゃうから、ああいうおかっぱ頭が団地の大家役にはちょうどいいのでしょうか。
なんたって福士誠治さんの出演が嬉しいです。
「純情きらり」の達彦さんに焦がれた想いがよみがえってきました。
さとこが働くデザイン会社の社長。

さとこのこと、好きなのかな。
その想いがどういうレベルかわからないけど、病弱なさとこを距離のある位置からチラ見する目線が優しい…!
団地に招かれたとき、司と2人で「麦巻さん頑張ってるよね」とうっすら称え合うというか「俺知ってるぞアピール」というか。
恋愛とか、はっきり見せない曖昧さで終わってほしい気はする。
さとこは司をうっすら想ってるんだろうけど(福士さんといるとき明らかに何も想ってない感、司とだとアガる感)、その曖昧な想い合いでも十分楽しい。癒やされる。

このドラマが魅力的なのは、幸せの形をはっきり描いてないところ。
結婚とか正社員とか給料とか、さとこは「これが幸せ」という社会的なラインまで到達できてない自分、とずっと思ってて、時にそのことに憂鬱になる。
1日の多くがソファやベッドという日もあるけど、団地に越してきてからはキッチンに立つ日やスーパーに行く日、何より団地の人との交流が増えた。
それを幸せと言わず何と言う。
でもはっきりとは描かれず、ただほっこり感じさせる。
こういうドラマってありそうでなかったかも。
反響もすごいらしいですね。

薬膳のあの本買っちゃおうかな…でも2000円くらいだった気がする。しかも2種類あり。
第6話ではベジタリアンの話が出てきた。
私も肉をやめるという選択肢をいずれ取るかもしれない。豚肉の胃もたれがひどくて。
でも鶏はまだ体がOKを出してる気がする。



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