米・韓・日のドラマ(ユニ愛あま)

「愛の不時着」もいよいよ最終回を残すのみとなりました。
終わりを迎えたくなくて、同時進行のドラマに逃げています。

もともと愛不時より先に見てたのがアメリカのNetflixドラマ「ユニークライフ」
自閉症のティーンネイジャー、サムが主人公。
シリーズ3まであると知った時、果てしなー…と見続けられる自信がなかったですが今もうシリーズ3の半ばまで来ています。
素晴らしいドラマ。
「感涙」ってこういうことかと何度も思うけど、ベースはかなりコミカルです。
愛不時もそんな感じだし、全世界に共通するセオリーなのかな。
基本むちゃくちゃウケるドラマで、涙パートはほんの数割。
この感動は、ミュージカルを観に行ったときのすがすがしさと似ています。
私の知ってる明るいミュージカルって、「キンキーブーツ」なのだけど。

今見てるネットドラマ。
・愛の不時着(あと最終回のみ)
・梨泰院クラス
・ユニークライフ
・あまちゃん

ついに「あまちゃん」に手を出しました(U-NEXTのポイントで観られる)。
ま、最初数話だけね…と再生ボタンを押したらもう止まらない。
やっぱりおもしろかったなぁぁと。
でもそのベースは、ユニークライフや愛不時とどこか地続きに思える。
なんというか、誰もイケてない安心感というか。

アメリカのドラマに触れるのってほぼ初かもしれません。
しかも洋画もさほど観ない私が思うアメリカ人のイメージって、相当偏ってると思う。
・パーティー好き
・とにかくポジティブ
・アメリカンジョーク頻発
・ピザをよく食べる
・ファミリーが大事
・みんなちょっと上から目線

でもこれら、ユニークライフ見て「やっぱそうなんだ」ということがわかりました(笑)
だからイメージとさほどかけ離れてもなかったんだけど、とにかくポジティブさがすごい。
相手にネガティブな感情抱いてても、「(あなたのこと気にくわないけど)その服はステキよ」って賛辞を必ず贈るんですよね。
というかアメリカ人だって率直じゃない人もいるし遠慮もする。
神経質な人もいれば、浮気に対する潔癖性も強い。性進展に慎重。
私たちと同じじゃんっていうところの意外な驚きが実はありました。なんか日本人の方が数倍卑屈だと勝手に思ってたから。
率直さは確かに日本人と大きく異なるけど、それでどれほど傷つくかという繊細さのあたりは全世界さほど差異はないのかも。

そんで明るさの分、結構ヘコむ。
でもカウンセリング文化なんですねぇ、アメリカって。(一概にアメリカ全土とは言えないかもだけど)
ここが日本と大きく違う。
メンタルの弱さをさらけ出したり、子どもや夫婦の悩みをシェアできる場所があるというのは、「生きててもいいんだ」というまず安心感がありそうと思いました。
「ユニークライフ」シリーズ1は、まずサムと女性カウンセラーとの関係中心に描かれますが、このカウンセラー役の方がまたうまい…。
もしかして一番イケてた方かもしれません。
「イケてた」→だんだんぶっ壊れてくる。(また盛り返すけど)
人のカウンセリングどころじゃなくなるんだけど、なぜか取り乱してからもずっと誰かの支えなんですよね。観てる私の支えでもあった。登場するとすごくほっとするエイミー・オクダさん。

「ユニークライフ」って誰もが誰かに「どうした?」って聞くところがあったかい。
コミカルさがベースと思ったら、その下に優しさという大きな層が横たわる。
そして人種の多様さ。これがどれだけ素晴らしいだろうとね。

あとアメリカは基本、家がめちゃ広いので「一緒に食事どう?」「寄ってく?」ってそもそも声をかけやすいんでしょうか。誰にでも声かけちゃう。そんでパーティーの始まり。
んなこたぁない!ってのはアメリカ人の言い分かもですが、このオープンさとパーティー気質はちょっと特有じゃないですかね。日本人が特別閉鎖的なのかな。家が狭くて密閉だと心も狭くなる、あるかも…。

ひどいいじめやからかい、重い差別も描かれるけど、みんな何度も過ちを犯して、それを過ちと気づいて謝る・許さない・許してもらうまで謝る…ということが繰り返し描かれるドラマ。
だいたい新しい登場人物の最初の印象は最悪です(笑)
でもみんな己の最悪さを振り返るから、そのうち愛すべき仲間になる、そこに惹きつけられます。
ユニークライフロスも起きつつある!

 

「愛の不時着」を観て「ホント?」と思うとこが多いのは、「財閥」と「北朝鮮」という2大永遠の謎がテーマだからでしょうね。それがおもしろいんだけど。
「ホント?」と思ったあれこれ。

・韓国の財閥は基本性格悪い
・韓国の財閥は金を湯水のごとく使う
・韓国はコネがあればだいたいなんとかなる
・北朝鮮の軍人(田舎出身?)は韓流ドラマも自動販売機も、電子系ほぼ知らない
・北朝鮮では宿泊検閲がある

財閥の性格の悪さは「梨泰院クラス」でもたっぷり描かれるので、誇張と思いたいですけどね。
特に悪事も警察にもみ消してもらうとかは、ナッツ姫が民衆にさらされてたのを思い返すと、ないんじゃないの〜?と。
北朝鮮の宿泊検閲というのは、外泊してないか?という抜き打ち検査が実際あるらしく。
とにかく北朝鮮っていちいち「死」や「処刑」がちらつくのでむっちゃスリリングです。
でもおもしろがっちゃいけないほどリアルで深刻な実態というのもあるらしいですね。

「愛の不時着」の北朝鮮生活はどこまでリアル?

北朝鮮のことを少し笑っちゃうよう描かれてることはあっても、やっぱり基本優しいというか。
ああいう集落で本当にあんなふうに明るくキムチ漬けて元気に生きてる主婦たちだったらいいな…と遠く思いを馳せちゃう、そういう描かれ方です。

「梨泰院クラス」はコメディーというほど明るくないけど、ベースにフラットさがあるというか、他人へのオープンマインド具合は広めです。財閥はひどいけど。
Netflixドラマの基準に「”違い”を超えること」とかそういうのがあるの?と思うほど、様々な”違い”を確かに乗り越えようとしてるこの3作。
日本だと、”違いなどないじゃん”という前提がもうズドーンとありますからね。
それがもう優しくないかもねと思っちゃう。

せいぜい「格差」でしょうか。日本が描こうとする違いといえば。
でももう、畳の部屋からタワマン生活夢みる…金持ちの男と結婚して幸せ…みたいなドラマはないしリアルでもないわけで。
リ・ジョンヒョクなんかユン・セリが調理しなくても食事できるように乾物を棚に詰めてあげてた…(涙)
畳にちゃぶ台がリアルな生活だった時代まではドラマもなんか和めたのかも。
「あまちゃん」は岩手と東京の格差みたいのがなんともあったかく描かれてた。

夏ばっぱの家の居間とか。

これ、うちの実家じゃん、高齢者寝転んでるのもコミで、という嬉しさ。
ちゃぶ台の端っこに急須・湯飲みが寄せてある感じ。
毎日使うものだから…と、ちゃぶ台の端が定位置になるなし崩し感。チラシを折って作ったくずかご。
高齢者はラジオ聴いてるうちに寝ちゃうんですよね。

今の日本のドラマは、例えば40代独身の私からすると「私がどこにもいない」と感じるものが多い。
それは当たり前かもしれませんが、「当たり前?」という疑問符がついたのはまんまとこのコロナ禍において。
わざわざ40代独身を登場させてほしい・主人公としてということじゃなく、例えば「ユニークライフ」ならカウンセラーのジュリアに自分を重ねたくなる。
パートナーがいて妊娠発覚というのは自分とかけ離れてても、ジュリアのスムーズに生きてるよう見せつつドタバタ人生の一部は自分っぽいようにも思える。
「愛不時」だと図々しくも30代女社長のユン・セリと自分を重ねたくなるし、なんたってユン・セリ自身が図々しくイケてないとこ多めなので(笑)それだけで重ねていい気がして。
「梨泰院」なら独身で仕事メインの女性が描かれてますけどね。
ハセキョー×滝クリみたいなあの美魔女との共通ほっこりはナッシングですが…そうだ、トランスジェンダーの料理人、ヒョニの存在が心の支えです!

結婚・主婦・家庭というところからフリーな存在、海外ではそれがスタンダードになってるんだなぁと。
「あまちゃん」ではキョンキョンや、片桐はいりさん演じる「安部ちゃん」に心寄せられた。
クドカンドラマが好きなのは、主人公がさほどグレードアップしないまま終わるからかも。
あってもせいぜい監獄からシャバぐらいな感じ?いだてんでも田畑まぁちゃんは引き摺り下ろされました。
あまちゃんはアイドルという飛躍があったけど、エンディングは全般、ステータスや正義・社会性とかの立派系ではないような。
誰にも重ね合わせられないような自己失望みたいのを味わわなくてもいいドラマなのかなって感じます。

 

この間、友達の女性上司の言動がひどいという話をしていて、「その人独身?」という声が出た。
既婚だったけど、もし独身だったら「やっぱねぇ」だったのかなとちょっと気になった。
いやいや、体感では既婚女性の方が言動きついでしょと言いたかったけど、どっちもどっちな偏見であり。
そういう偏見がまだ根強い世の中なんだったら、せめてドラマや映画では理想的に飛躍しててもあらゆる固定概念からのフリー、それが普通の日々、このあたりがもっと描かれてもいいのになと思いました。医療ものにしても刑事ものにしても、上下の格差バナシが多いかも。横のフラット化ドラマって最近あったっけな。ジェンダーのドラマは増えてきましたね。

ただ、女性目線で見てきちゃったけど、男性の描き方もまた難しいのかもですね。
とにかくリ・ジョンヒョクはこの世のどこにもいるわきゃないんですよ…。
その失望を和らげるために部下の4人+耳野郎がいるのかな…喧嘩強いし頼もしいから、あの人たちでもいっか、みたいな(失礼)
とかなんとか、”男らしさ”にこだわるこちらも変わらねばならないはずで。
この作品の中で一番現代に沿って描かれた男性は、「ユニークライフ」のエヴァンですかね。
高校中退で、周りから「大学行った方がいい」と言われるけど「俺は俺なんだ」を貫こうとする。人生設計はスローペース。
でも周りの「声」に流されない慎重さと、なんだかんだその声に傷つくナイーブさ、彼女・ケイシーに対しても男としての性急さをぶつけないエヴァン。
韓流はちょっと暴力や銃撃事件多いですかね。
ユニークライフでは男性の暴力性ほぼないです。

 

 

 

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