境界と孤独

ドラマ「うきわ」がどんどんおもしろくなっています。

このドラマは「境界」が印象的。
門脇麦さんと密かに心を通わせる隣人の森山直太朗さん。
ベランダの避難板を挟んで会話することが日々の小さな癒やし。

ドラマうきわHPより)

浮気って「境界を越える」ってことでしょうけどね。

麦ちゃん演じる麻衣子が何度も境界を越えようと、そのアクションがどんどん激しくなる。
ついにベランダにまたがってこっち来ちゃうとか(危ない笑)

夫に浮気相手がいる。自分の妻も浮気してる。
そこで通じ合った二人。
でも麻衣子が二葉さんを好きになったのは、わかりみだけじゃない。
「この人は救ってくれる人だ」
溺れて息ができなくなってる私に浮き輪を投げてくれた人・二葉さん。
夫じゃ埋まらなかったものを埋めてくれた人。

麻衣子は「境界線」がない人だと思った。
自分を重ねたということもあります。

ここんとこの私は自分の内面と向き合わなきゃいけないことの連続で、「境界線が引けない人」と自覚された。
境界線が引ける人は、「あなたはあなた・私は私」「これ以上は関与しない」
それがナチュラルにできる人。
私もそれくらいできてると思ってた。
でも例えば、誰かが不機嫌だったらすぐ「私のせい?」と思ったり、仕事でも人からの期待でももっともっと応えないと見捨てられる気がしてしまう。
どうしよう・どうしよう。頑張るほどに搾取されていくような、みじめになる気持ち。
みじめになって初めて気づく癒されない心。
そんで、困ってる私に手を差し伸べてきた人をまっすぐ見つめてしまうと。
一気に救われる感覚。こういう人を待っていた。
これは「依存」とも関係があります。心の依存。
あなたじゃなくちゃと思いやすい。思うほど「なんでわかってくれないの?」ともっと不安になる。

ここんとこの麻衣子はかなり大胆で、二葉さんと八王子まで行って夜に食事したり、思いが募って二葉さんの手に触れてしまったりする。
そんでベランダ伝っていっちゃったり、落ちそうになった麻衣子はまんまと二葉さんに助けられて抱きついたりもする。
ベランダで息を潜めて丸まって、二葉夫妻なんだかんだ仲いいし…と聞き耳を立てる。
夜に散歩に出た麻衣子は、ベランダでタバコ吸ってる二葉さんにこっそり手を振ってみたりとか(二葉さんも嬉しくなって振り返すんだけど)
社宅なのにあぶねーなと思うものの、二人の心の距離は縮まっていく。

二葉さんは境界線引けるタイプに見えます。
いつでも理性が働いて、抱き合ってしまったことに甘い思いを抱きながらも、麻衣子の夫に「奥さん大事にしなきゃ」と言える男。
でも本当は心がすごく寂しかった。もしかしたら麻衣子より何年も前からずっと寂しかった孤独な男。
そんな自分に助けを求めてきた部下の妻。
ほら、男は助けを求められると弱いから…

孤独×孤独=孤独でしかないのかもしれません。
二葉夫妻も中山夫妻もそんなふうに見える。
麻衣子の夫がなぜ浮気をしたか。そこにもクローズアップされていました。
「お前ってそういうとこあるよな」
うまく言葉で言えないけど、なんかいつも心がない。そう見える。
「好きだよ」って言われても本当は求められてない虚しさ。
麻衣子の夫も埋められないものを他で満たそうとした。

二葉さんの妻・聖も、「本当の私を見てくれない(なんか見せられない)」と感じていたんですよね。
陶芸教室の若い講師の表現力と、「普通」からちょっと外れたワイルドさに惹かれたんでしょうか。

実は「孤独」もここんとこの私が突きつけられたこと。
こんな本と出会いました。


孤独がすぐ消える本

私自身、一人でいるときに「孤独だ…」と寂しくなることはほとんどありません。
孤独をどんなときに感じるかは人それぞれと思いますが、私が感じるのは「みんなについていけない」「合わない」と思ったとき。みんなの中の私。
それは仲のいい友人といても思うことだし、職場の輪に入っていけない…ということも思いやすいです。

孤独を感じつつ、時に罪悪感や攻撃的な気持ちが湧いてしまうとき、「それは他の人の感情が伝染してきてる」と。そうかもしれない。
これは私の境界線の薄さとも通じそうですが、孤独だ・孤独だ…と膨らんでいくような拭えない気持ちは、実は誰かの孤独の感情かもしれなかった。話してるだけで罪悪感や孤独が湧いてくる人は、その人自身のさみしい気持ち。

この本では、「とある言葉に意識を傾けると、人の孤独が感じられる」という孤独の癒し方のようなことも載っています。
「この黒い感情は自分のじゃなかったんだ」と安堵できると同時に、「みんなも孤独だったんだね(だからそれを隠すために社交的になるんだね)」と感じられると不思議と孤独を感じなくなるというもの。
自分を攻撃してきたり、裏切ってくるような人に向けて言葉をつぶやくのも良いそうです。
自分に対する不快な言動はその人の孤独ゆえ・その人の孤独がこちらに伝播してきてるだけとわかると、また別の穏やかな感情が湧き上がると。

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