「もっと泣いてよフラッパー」

先日、松たか子さんについての記事を書きましたが、その日から程なくして、
「もっと泣いてよフラッパー」の優待割引案内メールが届きました。

この舞台、音楽は松さんの旦那さんの佐橋佳幸さんが手がけられているというし、松尾スズキさんも出演されている!
かねがね松さん主演の舞台を見たいと思っていたし、しかも旦那さんである佐橋さんの奏でる音に乗って歌う松さんが見られるとは!
そして、やはり前にこれも記事で書いたことのある「松尾スズキさんが舞台で演じられるお姿を見たい」という、なんだか一度に3つくらいの夢が叶ったような興奮を舞台前から抱いていただけに、観終わった後の心境としては、とってもとってもスペシャルな一日すぎて、これはいったい何なんだ!?とういことでした。

作・演出・美術を手掛けられたのは串田和美さん。

私は野田秀樹さんの舞台は何度か見に行ったりBSで見たことあったりして、あと中村勘三郎さんのこともすっかり大好きになって。
このお2人に触れるといつでも串田和美さんという方の存在が意識されるものの、TVドラマで「演じられる」お姿以外の、本業である「演出」になかなか触れる機会がなかったため、知ってるんだけど全然知らない状態だったのでした。

舞台で一番最初に出てくるのは串田さん。

その身のこなし、手や足や首の角度や、声の張りや抑揚、もうとにかくすべて、「うまい、うますぎる」と、
私も人生でどれほどのお芝居や役者を見てきたともとても言えない身なのですが、「こういうことか!」と、
何か真実・本物を「見せられた」ような、それはそれはインパクトのある「つかみ」なのでした。

それは松たか子さんが出られたときもそう、松尾スズキさんが出られたときもそう。
舞台上の役者さんみんな「そう」なのですが、特にこのお三方は、その細かい動作ひとつも見逃したくないと思わせるほどの吸引力を感じました。
赤ちゃんが、とあるものに目を奪われてもう1ミリも動けない、そのわけがわかったような…。
そのとき赤ちゃんは何を見てるのでしょうね。
いや、見てるんじゃないのかも
「????? → !!!!!!!!!! —–!」
みたいな…?

松さんはねぇ、最初は男装して出てくるのですが、まぁキュートでした。
松さんに「ぼく」と言ってもらうプレイがあったら、ハマってしまいそうです。
男装姿でコミカルに踊るシーンの、また動きの細かさ!
ザ・職人、と思いましたよ。
(松さんは金星火星が牡牛座ですが、まぁ牡牛座は職人気質なのですよねぇ)

本当は女性なので、後半はドレス姿になるのですが、ああいう男性のキャラクターのままでまた別の物語があったら楽しいだろうなぁと思いました。

なんといっても楽しみにしてたのが松さんの歌。
思ってた以上の声量と美声に、ドカン!とやられました。
でんじろう先生が、たまに実験で空気の塊みたいの送るやつやってますが、本当にあんなぐらいの空気が届けられた気がしましたよ。
空気砲っていうんですか?

伸びがねぇ~本当になんて清涼感のある…。
そして伴奏は旦那さんの佐橋さんですよっ。
うっとり・・・

なんかもう、夫婦で同じ作品に携わることの幸せを、まるで自分が松さんの一部にでもなったかのように
「あぁ幸せなことよ…」とずっと感じてました。
100%全力で仕事してる情熱を互いにぶつけ合えるって、なんて心強いことなのだろうと、そこにすごく感動したのです。
そういうの、夢だなぁと。

そして松尾スズキさん!

あぁ~もうあのクネクネした動作!
体の芯、どうなってんだろう?と心配になるほどの柔軟性で、でもずるいくらいにカッコいい!!

舞台の前に友人とランチしながら、芸能人の色気について話していたのですが、
というのも、私は人気絶頂の人が向かいやすい「爽やかイケメン」な感じにどうも不満を覚えることが多く、だってそうなると濃厚なラブシーンも演じなくなったりして。
誰が仕事を取らないのか、本人なのか事務所なのかは知らないけども。
ということで、じゃあ今色気ある人って誰だろうねと互いに考えに考えて、
私が挙げたのは新井浩文さんでした。
好きな色気というよりは、目をそらしたくなるような色気でねぇ…。

さんざん舞台の前にそんな話してたのに、松尾さんを見たら「若造に出せない色気」を、むぉんと感じ…。
なんでだろう、なんでだろう。
だってあんなクネクネなのに…。
色も白いし、目も妖しいし…。

でもたぶん、ほとばしる「適当さ」に生命力感じてんのかもしんない。
柔軟だなぁ~自由だなぁ~と。
(松尾さんは太陽射手座で、柔軟宮だし自由の星だしね…)

あー…もう本当に生で拝めて感激です。

あともう、鈴木蘭々さんのお歌も素敵だったし、石丸幹二さんも声量・その響きに「かぁ~!」と、うっとりでした。

そして片岡亀蔵さんです。
この方のピエロの衣装。
なんだかそのお姿に泣きそうになるほどでした。
ほとんど表情のわからないメイク。
動きも少ないし。
表現してるのかしてないのかわからないその表現に、胸を打たれました。
そういう役者さんって、いらっしゃるのですね…。

まだ男装姿の松さんの語る「モモンガの話」にはすんごく引き込まれました。
なぜか、一番このとき泣きそうで。
モモンガが、自分の一面にも思えたのかなぁ。
松さんの少年っぽい語り口が、モモンガを連想させたのかなぁ。
とにかくこの男装・松さんに惹かれっぱなしだったのでした。

でも踊り子になってからの松さんもまた、色気あり・無邪気さありで、
松さんって、目を離せないほどのまっすぐさをキラキラ放つ方ですよねぇ。
明るい無邪気風なんだけども、タバコを吸う仕草がカッコいい!!
かーっこよかったです。
女ってさ、いろいろあるわよね…。
そんな包容力が、楽しかった。

私は「表現」を見ている。

松さんの表現、松尾さんの表現、串田さんの表現。
役者さんや演奏者それぞれの表現。

いま、それを見ている、受け取っているんだというその意味は何なんだろうなと、大きな感動や興奮を感じると、受け手側もただ「感じる」のみで、思考など働かなくなるのかもしれません。

でもこんな大きな感動。
自分にとって「何か」なんだろうなと思うし、そう思いたいです。

ただ「楽しい」だけじゃなくて、
憧れや羨望や距離感や衝動。

そんなエンターテイメントはいくつも目にしたけど、
私そこから何かを吸い取れてるかなって、「元気」とか「商業」とかを差し引いて残ったもののことを、今夜は考えてみてるのでした。

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