(一時noteにアップした記事を再編集&早速移してきました)
昨日、えりぃと同じ「一風館」で暮らしていた島田さんが、みんなとのお別れ会をすっぽかして1人去ってしまった。
その去り際にどうしようもなく泣けましてね…
そして今日の手紙ですよ。
島田大心を演じるのは北村和夫さん。
ご子息は北村有起哉さんです。
昨日、島田さんが一風館の前のベンチで、やたら猫を可愛がっていたのは確かに気になった。
あれは「じゃあな」というお別れの抱っこだったんだ。
島田さんは立ち上がり、一風館をまぶしげに見上げたあと去っていく。
そのシーンにやたら心がつかまれて、だーっと涙があふれてしまった。
北村和夫さんのあの演技にただただ感動したというか。
年配の役者さんのああいう演技を見られるというのはなんて幸せでしょうね。
すごいものを見ていると。
良い朝ドラは、私個人としては「年配の役者をいかに見せるか」ということに制作側の気合いが感じられるものと思ってて、「ちゅらさん」は平良とみさんがまずとにかく魅力的です。
そして、えりぃがお世話になるアパート「一風館」の館長が丹阿弥谷津子さん。
島田さんと愛し合っているみづえさん。
ドラマの中の年配者は大抵、主人公を気にかける優しい存在。
時には、ただそれだけのために出てきたりするけど、「ちゅらさん」の年配者はただ優しいというだけじゃない。
とても個性豊かに描かれている。
おばぁはえりぃを適度な距離でおもしろく見つめて、適当なんだか直感に基づいてるのか、あれこれ行動をけしかける。
みづえさんは多国籍の料理を作ることが得意で住人をもてなしたり、島田さんとお茶を楽しむ。
おばぁが一風館に来たときは、みづえさんと2人、沖縄戦をつらく振り返っていました。
こんなに老人が生き生き描かれるドラマって今、珍しいと思う。
私がこよなく愛する山田太一さんや倉本聰さん、そして山田洋次さんの作品でも、やはり中年や老人が主役・重要な役に据えられているから。
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島田さんは最初、えりぃのことを疎ましく思っていた。
謎の住人・島田さんが倒れたあのころ。
私はえりぃの献身が押し付けっぽい・いかにも朝ドラヒロインっぽいと感じてたのですが、島田さんもそんなことを言っていた。
いや、朝ドラヒロインっぽいぞとは言ってないけど、「ほっといてほしい」「そう望む人もいる」「その気持ちを尊重するべきだ」みたいなことを言っていたような。
私も島田さんに深く共感しましたよ。
でもえりぃは「ほっとけません!」を貫いて、結果、島田さんは根負けした。
確かに島田さんを看病するえりぃは何かが過剰で、ドラマ内でもうっすらヤバさをにおわせるんですよね。
その過剰さは「いい人」だからではない。沖縄出身だからでもない。
「誰にも死んでほしくないんです」というえりぃの個人的な思い。
小浜島にいたときの文也くんの死を目にしたあのころ由来の。
えりぃの涙を見た島田さんはハッとした顔をする。
一般的な優しさとか心配以上に、彼女の奥深くの恐れがこの子を突き動かしているようだと。
それでもしばらく島田さんは「俺と何の関係ある?」なんて背を向けてたけど、えりぃに無理やり頼まれた他の住人が服薬管理を押し付けられたりしていろんな人とふれあっていく中で、島田さんは生きる方面へ徐々に気持ちが向かい始めた。
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みんな「人のため」とか言いながら、どれだけ自分中心さが幅を利かせていることか。
島田さんは人間のそんなところにうんざりしていたのかもしれない。
妻を亡くしてから孤独の時間が長く、人に期待をかけることも捨てたように思えた。
だって、人とふれあってしまうと心を埋めたくなってしまいそう。
何かがあれば頼ってしまいそうだし、そういう期待を一切捨てて俺は生きるんだというあきらめが当初の島田さんからは溢れてて、私はすぐに心を寄せましたよね。
だけど、えりぃが近くにいるんじゃそうはいかない。
スーパーボールをえりぃが公園でなくして、住人総出の捜索を見かけたりする島田さん。
看護師を目指すことになったえりぃに、島田さんは実務的なアドバイスをするようにもなる。
なぜならかつて医者だったから。
みづえさんの入れるコーヒーが実に美味く、いつしか「生」に能動的になっていった島田さん。
「みづえさん、踊ろうよ!」
ってダンスなんか誘ってたっけ(あのシーンは特に男前だった)
その島田さんが去ったという喪失感よ…!
今日の放送では島田さんが一人一人に宛てた手紙が柴田さんによって読み上げられる。
号泣!
役者も本当に泣いてたように思えました。
また恵達が思い返す島田さん!!
大好きなクラシックをかけて自室で熱く指揮棒を振っていたであろう年寄りの姿は、ロック好きの自分とどこか重なっただろうか。
それでも島田さんが真理亜の入院先へ顔を出してたことはホッとしました。
「(ああいうお別れ会は照れくさいって)君ならわかってくれるんじゃないか?」
島田さんは一人一人のことをよく知る人になっていた。
真理亜も相当な孤独を抱えている。
「元気でね。死なないでよ」
真理亜からそう声をかけられたときの島田さんの微妙な表情!
どういうこと・・
これから息子家族と暮らすのは、ほとんど死…?
いやいや、一風館があまりにも「生」に満ちてたから、日々の輝きがいっとき色褪せた、そう思いたい。
それにうっかりWikipediaを目にしたらば、また島田さんにお目にかかれるようなので、そのときを楽しみに待ちたいものです。