呪いからの脱却試み

最近、読んでる本。
「自己否定をやめるための100日間ドリル」

著者は坂口恭平さん。

坂口さんといえば長年の躁鬱状態を公表されていますね。
また、自身の電話番号を公開して死にたい人の話を聞く「いのっちの電話」の活動をされている。
私は12年くらい前に「TOKYO0円ハウス0円生活」や「独立国家のつくりかた」を読みました。
そのころ坂口さんも岡村ちゃんを聴いてることを知って、岡村ちゃんのライブで会ったこともある。

「あ、坂口さん!」と声をかけてしまったけど、怯えた目だったことが思い返される。
まだあのころは「知る人ぞ知る」という存在だったのかな。
その後、ワタリウム美術館でのサイン会に行ったとき、私のことは覚えてないと思うけど、目も合わさず本を返されたことが少し悲しかった。
その後イベント終了の挨拶で、「おもしろいやつ、俺のとこに集まれ!」と呼びかけていて、集まったのは見た目からしてクリエイティビティあふれる人ばかりだった。
ライブの時とは違った華やかな坂口さん。
でもこの本読むと、坂口さんのギャップはわかる気がする。

****************************

自己否定とは、自分をいじめる言葉を自分に浴びせ続けること。
他人に言わないようなひどいことを自分にかけ続ける。
「なぜあんたができると思うの?」
「夢ばかり見て」
「またバカやってる」

ちょっと水谷千重子入っちゃったけど、私の場合は否定というより「呪い語」かも。
「その選択、絶対失敗するよ」
「将来不幸になるよ」
「お前だけ変だよ」
最後、ふかわみたいだけど心の中じゃ笑えない。
これらがバージョン違いで脳内めぐるととても苦しい。

坂口さんは自己否定のゆえんを幼少期に見出した。
私もたぶん幼少期の家庭内。
年の離れたきょうだいが良かれと思って人生アドバイスをしてくれたことが一部呪いになっている。
しかも脳内でめぐるときの声は昔の友人だったりして。
何もかもうまくいってるような友人たちから見える私は、心配の種だったかもしれない。

やめたほうがいいよ、あなたに合わないよ、うまくいく人なんて数%だよ。

こういう制限系の呪いも多い私だけど、自分が特徴的と思うのは、それでもやってみようと賭けてしまうところ。
なまじ行動力があるために、挑戦してこそ人生だ!みたいなテンションには一応持っていける。
転職も恋愛も何らかの応募も。
だけど50歳にしてこの挑戦マインドはさすがにおかしいと思った。
最近も転職に前のめりになり職務経歴書を書いたけど数日後、急に熱が冷めた。
坂口さんも著書で、躁状態の自己肯定感が高いときも「見えにくい自己否定」が行われていると書いてて、確かに能動性がやけに高まってるときって「もっと挑戦&努力で高みへ!」という危険ないざないにあおられてる気もする。

そんで苦しいのは挑戦のあと。
賭けが実らなかったり、数年後に行き詰まりが発生したとして。
誰にでもうまくいかない時期はあるはずなのに、私はそれを「選択の失敗」と捉えてしまう。
これまで積み上げてきたこともオセロみたいにひっくり返されて全部黒。
やっぱり自分はバカだった、みんな警告してくれてたのに。
自分の選択、判断は誤り。
みんながまとも。自分がおかしい。
数日間、こんな自己否定。

「みんなが」という価値判断にはどれだけ苦しめられたかと思う。
私は昔からなんか変なのかもしれず、それは平均より家族の年齢が高いゆえとは思う。
「幼稚園の遠足でサラミ持ってきてたよね?」って覚えてた子がいて、時を超えてひどく傷ついたこともあった。本人は意外と笑い話にできない。

*************************************

今の職場では、「みんなの常識」と「我慢」に打ちのめされることがある。
「しくじったかも」と、それがささやかな体感でも自己否定の嵐にさらされる。

そりゃ私だってある程度の我慢はするけども。
「みんな」という横並びルールにどうも慣れることがない。
我慢できない人がいるから諸々の改善につながるのに、そんなボヤキもただの愚痴。
最近はフラワーレメディーを数滴ふくんで心を落ち着かせてます。

「我慢を続けると、人にも我慢を強いるようになる」

何年も前だけど、これをある人に言われてから我慢はやめていこうと思った。
この国は我慢する人ばかり。そりゃいじめやモラハラは減らないでしょう。
でも我慢できなきゃ「変な人」になってしまうから、押し込めて頑張って、涙が止まらなくなったりする。
「あなたは変なんだよ(間違ってる)」
この呪いから脱却するには、「変じゃない!変じゃない!」という味方を心に登場させなくちゃならない。

というわけで、自己否定をやめるワークを始めてみた。
私は「相手に何か不快なことをしたかもしれない」とも思いやすいので、「自分は攻撃的な人間じゃない・その証拠」をメモしてどんどん重ねていきたいです。
呪いをかけてくる亡霊にその証拠を突きつけるために…!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です