映画「彼女がその名を知らない鳥たち」

蒼井優さんがこの映画で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞されたので、上映中のアップリンク渋谷へ観に行ってきました。
蒼井優さんは受賞時、壇上で「出てくる人みんな最低」と言ってた。
その最低ぶりがたちまち気になったのでした。

確かに関西弁でクレームまくしたてる蒼井優さんは常にイライラしてて、同居人の阿部サダヲさんは、どうしたらそんなに汚くなれるんだというほどに真っ黒い顔(笑)
うどんも肉もじゅばっとすする。蒼井さん演じる十和子も当然嫌悪アピール。

阿部さん演じる陣治は、悪いやつじゃなさそうなんだけど、下品なんですね。歯の詰め物?をテーブルに置いたり、食事しながら汚い靴下脱いだり。
でもって、十和子をマッサージする手が小刻みに上下しててキモっ!
ただ、十和子は陣治のマッサージだけは唯一受け入れてる風。
気持ちよさそうな声や顔は性的快感と地続き……そうなんやろ?と、陣治じゃなくても惑わされます。

そう、この映画はアダルトビデオのようでもある。
特に松坂桃李さんがAV男優に見えました。
松坂さんのベロがエロい!!
この映画は蒼井さんにいろいろ・いろいろさせちゃって。血まみれの蒼井さんを痙攣さすとか、どんだけいたぶるんだよ!!と、不快感ギリギリ。
しかし絶妙なギリ感なのです。

正直、この映画をどう見たらいいんかな?というのが途中までの感想です。
ふわふわした土台のない物語をずっと見せられているようで。

ところがどっこい後半!
やはり土台は存在する。
原作はミステリーですものね。
前半が十和子の物語としたら、後半は陣治編。
後半を見ながら前半部分がうわーっと巻き戻される。
脳内映写機・十和子の記憶。揺さぶられているのは自分なのか十和子なのか、見失いそうになるほど立体的な何かが迫ってきて、泣けたのです。

ってか阿部サダヲさん、なんで助演男優賞にもならなかったんだろう?
陣治編では、座席のところどころで鼻をすする音が聞こえました。
表情はいつでもギャグなのに、そうであるほど人を泣かす。
蒼井さんとそう変わらない身長にも泣ける。
「anone」見てても思うし、なんなら持本とあんま変わらないのに、なんであんなに説得力を放てるのだろう。阿部さん。
ツボだったのが、十和子の姉の家に招かれたときの陣治の服装です。

いつも汚い作業着かTシャツなのに、お姉さん家に招かれると一応ちゃんとするのですね。ギンガムチェックのシャツと水色のニット。この似合わなさ。
誠実さだけは伝わりました(笑)

松坂さんはハマり役と思いました。
竹野内さんのあのガラの悪い役にはゾッとするほどだった。
眼光が本当にヤバい人みたいに鋭かったのです。
この2人は、「そういうこと言うやつやっぱダメだろ〜」ってことをよく言うのですが、その答え合わせができたみたいな痛快さもあった。
あぁ、松坂さんの役へのツッコミ欲が今でもずっと疼きます。
だけど性のエンジンかかったときの目つきは怖かった。
男のそれが怖いのだと、唾を飲んだ。

そして、竹野内さんを裏でコントロールする國枝役は、あの中嶋しゅうさん。
鷲尾真知子さんの旦那様で、昨年、舞台上から落下して急逝されました。
國枝も、十和子が忘れられない一人なのです。
「今、ホテルで待っててもらってるから、行ってもらえないか?」
ホテルにあの男がいるという想像をこちらにもめぐらせる。
それがどれだけ怖かったか…。

蒼井さんは、出会う男性に狂わされるのか・蒼井さんが狂わせるのか。
魔性の女。
ただ正直、蒼井優さんは、この十和子というキッツくてSEXも激しい役をやるのには、あまりにも森ガールじゃないかと思ったのです。そして木綿の笑顔。

これは、マッサージ調子に乗りすぎた陣治に激怒した十和子ですが、修学旅行のパジャマかよ!ってくらい可愛すぎます。
ま、男性からしたら、何か少女性のむき出しのあたりにタブーなような色気を感じるのかもしれません。
ただ、最初の疲れきったクレーム女とか、まだまだ可愛らしすぎる。
まるでEXILEを率いているかのような竹野内豊さんのオンナにしては、どうもoliveすぎるのです。
でも「よくがんばったで賞」という意味も相当込められての最優秀賞であることは間違いなさそうです。
いや、後半・陣治編の十和子の少女性・涙の演技にはぞわぞわ震えました。

奇しくも「生まれ変わり」を感じさせるセリフもあった。
えっ…?って思うけど、やっぱりそういう生まれ変わりって、腑に落ちる。

ミステリーですので、どうミステリーなのかはぜひ観てほしいところです。
松坂さん…もとい水島の性癖もうかがえる予告編を貼り付けてみます。

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