最近、ドラマなど作品を見ながら「どういう意図なの?」と、つい思う。
映画「君たちはどう生きるか」はどういう意図でこの声優陣にしたんだろう、とか。
というのは、声優陣が豪華すぎて物語に集中できなかったから。
菅田将暉の声の出し方とその変化(うまいですね、とか)
あいみょんの関西弁の気配(全然感じなかった)
これは本当に火野正平なのか?(渋すぎる)
どれが竹下景子で阿川佐和子かわからない(大竹しのぶは分かった気がする)
なんのためにこういう人たちを抜擢したの?と思うけど、その「俳優感」を感じてほしいという意図なのかな。
でも本当に作品を感じ尽くしてほしかったら、声優に存在感を持たせないと思うのだけど。
この声優陣を提案した人は、豪華×豪華をぶつけて2倍の豪華にしたかったのかな。
メイキング映像も豪華になるだろうし、動員人数も普通に増えそう。見ながらそういうことばっかり考えた。
声優・俳優という職業によらない表現力を求めたのかもしれないけど、俳優感と作品とアニメの質を同時に感じることは私には難しかった。意識が「声」に持ってかれちゃって。
なので映画は理解できなかったけど、ワラワラとインコに「わー!」とか思えればそれでよかったのかな。
それにしてもワラワラの声が滝沢カレンとは!(わからなさすぎる)
でも自立への道のり理想論をおじさんに説かれた感覚はちょっと残ったような。
そしてテレ朝の日韓共同制作ドラマ「魔物」ですよ。
このドラマは何を第一意図として描いてるのか・・
ま、第一は塩野瑛久さんをエロスの方面で描きたい、ということですかね。
しかも相手を46歳の麻生久美子さんにすることで、「最もドラマが好きな世代女性」を取り込む意図だったり?
麻生さんは独身役ですが、「最もドラマを見る層」も40〜50代の女性なのかも。
しかもその層は「光る君へ」で一条天皇に恋焦がれた層と重なってるんじゃないのかなぁ!
「韓流ドラマが好きな層」ともリンクしてそう。
自分、まんまターゲットにされてる感ありますね。
テレ朝って、40半ば以降女性をよくドラマの中心に据えてて、視聴者層をすごく意識してるんだろうなと感じる。
米倉涼子や内田有紀は私と同い歳だし、7月の新ドラマ「しあわせな結婚」では阿部サダヲの相手が松たか子と発表されましたね。
ただ、仕事ができて貯金もありそうな女性ばかりなので、もうちょっと庶民感が描かれてもいいのにと思う。役員とかになりそうなエグゼクティブ女性ばっかりなんですよね。
しかしこの「魔物」、いまどき珍しいくらい「エロス」を描いてて。
韓国との共同制作だけあって、ストーリーに丁寧な説得力を感じてたのですが…
エロスは唐突なんですよね!!
ちょっとこれはよくわからなかった。
このドラマは「性」をどう描こうとしてるんだろうと。
「性行為楽しんじゃお!」みたいなメッセージ??
日本の作品だと性行為はあくまで恋愛の延長線上、愛の高まりとして描かれがちだけど、このドラマは愛なんて芽生えようがない段階で求め合ってて、唐突にもほどがあるだろうと思った。
橋桁の下で絡み合ったり、トイレの個室に直行したり。
しかも塩野さん既婚者役。不倫の罪悪感もほとんど描かれてないという。
そんないざないをしてくる男と出会ったら、いくら顔面が塩野さんといえど通報案件と思う。常識的に考えればね。
だけどこのドラマの意図は、「女性主体の性を楽しもう!」なのかもしれない。
なんか海外・韓流っぽいし。
そうはいってもテレ朝なので、革新とダサが絶妙に入り交じったババくささが漂ってて、「なんだかな」と感じる隙もある。
まぁ性の唐突さだけは違和感だけど、これまでのテレ朝ドラマとちょっと違う魅力はありますよね。
やっぱ塩野さんの素敵さと麻生さんのかわいらしさ、そして説得力に優れた韓流的構成が要因じゃないでしょうかね。
タイトルも毎回おかしいんですよ。

だけど3話、やっぱ変だったかも。
塩野さん演じる凍也(いてや)がDV男に変貌していた・・
3話のラストで麻生さん演じるあやめが殴られてひどいショックを受けてたけど、4話予告では一層激しく抱き合ってた。
いや〜どんなドラマになってくんだ?
壮絶な家庭環境を生き延びてきた凍也とはいえ、あの暴力を「かわいそう」からの「愛してる」に突き進んでいくとしたら、ちょっとヤバくないか?
それとも、天使と魔物の両面性を持つ男・凍也の変貌ぶりが見ものということだろうか。
でもこんな男と絶対、性に溺れたくない。というか溺れたい女いないだろう。
年下男性と性を楽しんだ後で殴られる40独身女。気の毒すぎるだろう!
でもまだ3話。こんな凍也を理解したくなる何かがこの先にあるはず…という期待は捨てない!
この暴力的でエロスな凍也がまた、雪だるまのキーホルダーを持ち歩く男なんですよね。
冬ソナが交じる謎の世界観。
でも、かわいいぬいぐるみに頬を緩ませるシーンとかちゃんと描かれてるとこに「韓流こまけぇ!」と感動した。
かわいいものが好きな男子なんだね・・
あと韓流がいいのは、「嫌な感じ」をとことん描くところ。
あやめが独身であることをすんごくバカにする年下女とか、あやめの母の言動とか、めちゃ良かったですよね。
実際あそこまで侮蔑的なことを言われてなくても、そう人から思われてるのかもという被害妄想が映像化されると、謎の爽快感が湧いてくる。
自分をいっとき正当化できる気持ちになるからかな。
そんな自分を救ってくれた凍也。浜辺へ駆け出す2人。
どんなに抱擁を美しく描いても、夜にはやっちゃうんだ。
こういうシーンでいつも思うけど、ベッド上での会話いる?
ああいうむつみ合いをTVで見せて、性の活性化でも促してるんだろうか。
あの会話に真実の愛や永遠性があるように見せる手法にうんざりしてんですよね。
こういうのを見るたびまた「意図は?」と思ってしまう。
少し前のテレ朝ドラマで亀梨くんと石原さとみが恋人同士だったけど、2人が「最上の思い出」として脳裏に思い浮かべるのがいつも裸で抱き合うシーンで、ベッド内でのコトが「1番の思い出」になることってあるか?と違和感だった。
あやめたちも「楽しかった時間」として思い返すのがやっぱりベッドシーンになるのかな。
ただエロいだけだろって思うけど、やっぱエロス上等メッセージが投げかけられているのか・・?
私がエロ作品に急に嫌悪感を抱くようになったのは、男性主体のメッセージ性を感じ取ったからかも。
男に都合のいい展開がこれでもかと描かれた。
女性主体のエロメッセージドラマはこれから増えてくるのかな。女性用風俗の深夜ドラマもやってますよね。
それならそれでいいんだけど、私はエロと「真実の愛」「永遠性」を掛け合わせるのが好きじゃない。
女性主体だと、そういう建前のエロがまだ多いような。
エロはエロで素晴らしいかもしれなくても、「いっときのこと」じゃないのか。
永続的な愛・誠実さとエロって両立できるのかも疑わしい。
両立してるよ、という人はそれでいいんだろうけど、それがなかなか難しいからこそ両立アピールをしたり、人の刹那なエロを罰したくなるんじゃないかと勘ぐってる。
あやめは「継続的な関係が苦手なの」と言った(ベッド上で)
でも、することはしてきたという(そこで嫉妬&ムクれる凍也)
「性の正直なトコ」を女性視点から描く作品って日本の内側からじゃ生まれにくそうで、かといって欧米だと距離感がある。
韓国ってのがちょうどいいですね。
また麻生さんがいいですよね〜。
あの弁護士・あやめみたいな人はいかにも韓流だけど、麻生さんが演じるとなぜか親しみやすいしエロすぎないし、なんでだろうと思う。
またいずれ星など見てみたいです。