横尾さん

横尾忠則さんの本を1冊読み終えました。

見えるものと観えないもの」

私が横尾さんのことをちゃんと意識したのは、岡村ちゃんとの結婚についての対談でした。

「結婚とは?」「なぜ結婚するのか?」などについて、誰とも違う答えだった横尾さん。
しかも子を持つことは「カルマ」と言っていた。「持たない方がいいんですよ」と。
この答えに衝撃を受けたと同時になぜか救いのようにも感じたりして。

その後、横尾さんのツイートを目にしたのをきっかけに、横尾忠則さんがどっぷり気になってしまってるこの夏~秋です。

この本の対談相手は実に豪華。
淀川長治、吉本ばなな、中沢新一、栗本慎一郎、河合隼雄、荒俣宏、草間彌生、梅原猛、島田雅彦、天野祐吉、黒澤明。

特に気になった草間彌生さんとの対談。
草間さんが「この対談を私はもう降りたい」とおっしゃられたというエピソードを書評で目にして、すごく興味を持ったのでした。
そしてなんたってタイトル。
「見えるものと観えないもの」

横尾さんのつぶやきでも、目に見えないことをすごく大事にされていることは感じられた。
しかし予想を超えてダイレクトに、いろいろ体験されていらっしゃる。
幽霊、UFO、霊媒師。
そして宇宙的存在の作ったカリキュラムに5年取り組んだこと。

対談者も大抵その世界を肯定されていて、同じく幽霊やUFOを見た方もいれば、不思議な夢のお話をしてくれる方もいる。
草間彌生さんとは話がかみ合わないながらも、草間さんこそ霊的なものをよく目にしてらした方。
そこに共通点があるのに、アートへの考え方は確かに全然違うものでした。

そしてこの間放送の「探険バクモン」
そこで聞いた横尾さんの生年月日に「ん?」と一瞬フリーズした。
横尾さんはうちの母と同い年で、しかも誕生日が3日違い!
私が横尾さんに強い親しみを覚えたゆえんがわかった気がしたし、それと同時に「なぜこんなにも違うのか」と、母と横尾さんは。

母は目に見えないものについて特に真剣に捉えてない人。
占いなど、私が勉強してること全般否定は決してしないけど、いつでも「ふ~ん」って格別関心もなし。

横尾さんはかなり「直観」ということを大事にされている。
そして「目に見えないもの」を、もしかしたら「見えるもの」以上に大切にされているんじゃないかと感じるほどで、横尾さんが描いてきた絵も「自分が描いたかわからない」とまで言う。

「何かによって描かされた」「”これは俺が描いた”と思ったら、もう人を感動させないと思う」と、守護霊とかもっと大きな力が自分を通じて描かせているんだと、そこが誰と対談しても一貫していた。
母は表現欲とか一切ないです。
コーラスはやっているけども。

横尾さんのホロスコープ

蟹座マジョリティーですね。

横尾さんはテイルー太陽金星合
金星ってとこが「アート」、しかもあの世的というか精神世界的というか。
なんだか気持ち悪いという印象を抱かせるような作品も、多数描かれてると思うのです。
太陽ってとこが、それらを職業にされたことと結びつく気がします。

横尾さんの本を読んで興味深かったのが、「模倣」が横尾さんの絵の出発だと何度もおっしゃられていたこと。
蟹といえば模倣なのです。

独創的で個性的な絵を描くことに興味がなく、すでに日常にあるものを切り取ってコラージュ作品にされたり。
草間彌生さんとそこがまったく違ってて、草間さんは「人の作品を模写したりコピーなどはいっぺんもない」とおっしゃる。
草間さんはオリジナリティーの牡羊座だからでしょうね。

草間さんが「(アンディ・ウォーホルなど)彼らのあの作品のヴィジョンはみな私から来ている」「私がその先駆者だった」「私がオリジナル」とおっしゃるところは、ことごとく横尾さんの考えとは正反対。
それでもしばらく草間さんを立てているように見えた横尾さんだけども、「日本の画壇のレヴェルが低い」と草間さんがおっしゃったあたりから、もう沿える部分を見つけようとすることをやめたのか、「自分はそうは思わない」と、がらっとムードが変わった。

横:レヴェル?何を基準にしてレヴェルと言うんですか?自分がその作品をどれだけ愛して描いたかということのほうが大事でしょう?
はっきり言って僕は人のためとか社会のために絵を描いているわけじゃない。

草:(死んだら作品が)でも残っちゃうわけよ、現実として評価されるわけです。
作品が人格を持ってひとり歩きすることが怖いんです。そのときに作家の価値が決まるわけなんですよ。
横:それは残れば残ったらいいですよ。僕にとってはいまこの瞬間、ここで話しているこの時間が一番大事なんですよ。

やっぱり横尾さんはそういう方だった。
横尾さんは絵を描くとき「巫女になってる」と何度もおっしゃるけども、横尾さんからあふれる女性性がピュアなものであればあるほど、「人の上に立つ」という意識など意味をなさないことはよくわかる。
やっぱそういう人が好きで、つい信頼してしまう。

吉本ばななさんの対談では、吉本さんが占いが得意なんだというお話が出てくる。
小学校の頃からタロットを習っていて、今でもよく相談を受けるばななさん。

横:占いっていうのもいろいろあるけど、本当に神様とコンタクトしてる人の場合は、その人は単に受信装置になるだけだから。
吉:そうみたい。言ってること覚えてないとかね。「そんなこと言ったかしら」ってなるんですよ。

横尾さんのことがもっと知りたくて、本屋に走るのももどかしくつい検索してしまったワード。
「横尾忠則 宇宙人」
そしたらばこの本に書いてあることよりもっとディープな横尾さんのお話がヒットした。
その中でも特に目についたこと。

UFOを目にしたいという強い執着があるうちは現れてくれなかったけど、執着から解かれたらそれはやってきた。

時間がかかったのは思いが強すぎたからだそうで。
執着はバリヤとなってしまい、それが強すぎると何も信じてない・伝えてないのと同じことになると!!

そう、執着はよくないと、この数年でも何度も聞いてきたことですが、宇宙人がそう言っているのならやっぱりそうなのか…。
伝えすぎても伝えてないことになるなんて!!
でも「信じてない」っていうのは、確かにそういうことかもしれないですね。

横尾さんは自分のラッキーナンバーが「7」だとおっしゃってたけど、おそらく生年月日を全部足した数字かな(1936年6月27日)。
私もホロスコープで7度惑星3つ持ってるから、7は特別な数字。
その共通点で思わず喜ぶ。

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