本を買いたくなるときというのは2種類あって、
1つは前向きさでみなぎってるとき。
もう1つは逃避したいとき。
というわけで今日もまた本を買いました。
数秒の立ち読みなのに、ここに逃げ込みたくなった。
これは蛭子さんに寄せられたお悩み相談と、蛭子さんによる回答集です。
期待以上にしょーもない回答が、自分の心にフィットした。
それはまるで明るさや前向きさ、「ちゃんとすること」への反発心。
何より安いのです。900円。
ちょっとハクがついた人だと、1800円とかするでしょう。
蛭子さんは葬式でどうしても笑っちゃう人として有名ですが、そういったエピソードをはじめ、とにかく”ヒンシュク”を買う人間なんだと自身で言う。
孫や子どもに関心がない、孫のことはギャンブル、映画、カレーライスの次に好き、とかですね。
義理人情に厚い人は人望があるといいますが、本当ですかね。義理人情は”気持ちの貸し借り”ですよ。
確かにヒンシュク発言ばかりですが、これにはぐっときた。
日常に輝きをさほど求めなくなった今の私には、蛭子さんの世界がなんとも心地いいのです。
大体が、蛭子さんの大好きな競艇ネタで埋め尽くされているこの本です。
「息子が仕事を辞めてしまった。辛抱が足りない」というお母さんの悩みに対して蛭子さんはしょっぱなから、
「女房から競艇代を減らされているオレは、昼メシ代としてもらっている2千円を使わずにコツコツためています。というのも今度、住之江競艇場で…」
って人の話聞いてんだか、辛抱アピールなのか。大体こんな調子。
「楽なほうへ楽なほうへ向かっている息子さんは、そんなに間違っていませんよ」
一見カウンセラー並みのお言葉。
たぶん蛭子さんが楽したい人。
「上り坂になると太川陽介さんはすごい勢いで歩くんです。上り坂など大嫌いです。人生も下り坂だけあればいいんです」
やっぱり…。
この本のお悩みを見つめると、こんな生きにくい世の中だっけ?って心が重くなる。
従来からの、学歴がどう、お金がどうとかに加えて、今は“映え”も重視。
蛭子さんに“映え”のことを相談するのもどうかと思いますが、(案の定、いいねの数なんて妬みの数、と回答)、そんな悩みでこの世は深刻ムードです。
だから蛭子さんは少しでも明るさをと、大好きな競艇ネタを盛り込んでくれてるんじゃないかしら…って解釈はファンシーすぎるかな。
まだ一冊読み終えてないけれど、今まさにワクワクしています。
→今思ったけど、アドラーの「嫌われる勇気」をもじってるんですね。さすが・・・