「高校教師」まず1話

ついに買ってしまった。「高校教師」DVD。

やっぱ私の中のナンバー1ドラマと、その思いは年々強くなる。

真田広之さんがTVに出るたびに胸を熱くするのはもちろんで、でも引退された桜井幸子さんがもうドラマに出ることはないという現実が、取り戻せない青春みたいに遠い懐かしい感じがするからかな。

DVDにはこんなブックレットがついてました。


もうこの2ショットと真田さんの横顔だけで手に入れた価値があるというもんです。

しかも最終回で繭が羽村先生宛てに書いた手紙。
「先生、私は今急いでこの手紙を書いています」
から始まるあの手紙まで付いてる!

14の時、そう14の時
私のお父さんは、
お父さんじゃなくなった

なんてショッキングな手紙なのでしょう…

そして1話を今やっと見終えたのですが、1話ってものすごい濃かったのだなと、わくわくし通しでした。
みんなヘン。全員。
ヘンというか…みんな悲しすぎます。

そしてあの女子高。
羽村先生みたいな男盛りの独身男性が赴任してくること自体がドラマチックですが、京本政樹さん演じる藤村先生に、赤井英和さん演じる新庄先生。
こんな男前な独身男性が3人もいる女子高ってありうるのでしょうか。
いかにも何らかの問題を起こしそうです。
そして、並べれば絶対に男前No.1は真田さんのはずなのに、この3人の中で一番格好悪く描かれ、そしてまたうまい具合にどんくささの出ている羽村先生。

私だって、1話じゃあ羽村先生を好きになったりしないな。
夜間パトロール中の私服のダサさとか!
そしてどこか自意識過剰気味。
「ぼかぁ高校生なんて興味はないよ」
なんてとぼけた目をしながら、「助けて」とだけ書かれた下駄箱の中のメモを、いつでもふと取り出して見つめてみたりする。
純粋さなのか、やっぱり自意識過剰なのか、幼稚なのか。

でも、「誰かが僕に助けを求めている」
そのアンテナは間違ってなくって、純粋ゆえにいろんなもんをキャッチして抱えてしまう愚鈍さに、なんだかんだ惹かれてしまいます。

1話の重要場面を箇条書きにしてみると・・・

・「あたしが守ってあげる!」二宮繭のスピード告白
・藤村先生の異様なモテアピール
・フィアンセの父親である上司からの利用され感
・上級生にイビられ素足を踏んづけられた繭が逆上して刃傷沙汰
・バスケ部の上級生が繭を見初めた瞬間
・羽村先生へのプチストーカー&家に上がり込む繭
・そこで羽村先生のフィアンセと繭の対面
・フィアンセが別の男とどこかへ向かう車を、繭と持田真樹でタクシーチェイス!
・そんでラブホテル張り込み
・繭の父親は峰岸徹
・モデルが思いきりヌード
・彫刻家の父親の異常性クローズアップ
・新庄先生の異様な暴力行為
・片足不随の新庄先生の息子
(杖でふすま開け閉めする器用さが光ってました)
・どしゃ降りの中、羽村先生を待ち続ける繭
・「会いたかったの!」二宮繭のスピード真剣告白

いや、ドロドロ盛りだくさんすぎます。

だけどうっとうしく感じないのは、要所要所で森田童子さんの「ぼくたちの失敗」が流れるからかもしれません。
どんなドロドロも、一瞬で純白にしてくれます。

ドラマチックな展開だけでも上記のようにたくさんあるのですが、そうじゃないささやかなものにも
いちいち胸打たれるわけで。
例えば・・・

羽村先生と一緒に食べられなかったお弁当を、野良犬に食べてもらう繭。
いや、野良犬と一緒に食べてたな。
「おいしい?」「わぅ…」
みたいな会話付きで!

あと、コンビニの買い物すらどんくさすぎる羽村先生に一層想いを募らせた繭の、電柱の陰からの「バンッ!」
射止めちゃうぞってか?

それにしても、男性の靴下をあんなに強引に脱がせて、しかも素足に猫の絵を描くなんてストーリー、どうしたら創造できるのでしょうか。
野島伸司さんの実体験?
あんなヘンなことなかなかありえない気がします。
でも、それが不思議と心をつかむ。
自分の素足にも猫を描いてみたならば、先生とどこかつながってると信じられる。
か〜っ!素敵かっっ。

あと、相沢直子こと持田真樹ちゃんの会話の脈絡のなさ!
「あの子が通った審査って、実はAVのオーディションだったんだって!あーなんかいいことないかなぁ!」

演技の上手下手の関係なのかはよくわからないけど、あの突然感は、いかにも女子高生風です。
でも演技はどうであれ持田真樹ちゃんはすごく可愛い!

そして物語後半にドロドロの極みを見せる峰岸徹さん。
当時ドラマを見てた時は「とにかく気持ち悪い」という印象しかなかったけど、今見るととても男前で色気がものすごく漂っていることが感じられます。
真田さんより京本さんより男前に思える!
あたりまえといえばあたりまえなのかもしれません。
そんな年齢になったのだなぁ。

雨の中、ずぶぬれで先生を待つ繭の行為は、この1話で一番ヤバさがある。
純白のセーラー服だからこそ、濡れ鼠感が愛おしさを増幅させるものの。
純粋さと異常性って紙一重なのかな。

羽村隆夫みたいな男がずぶぬれの繭をそのまま帰すわけはないから、また家に上げてきっと何か衣類を貸してしまうだろう展開。
繭はそこまで計算済みであるようにも思えてくる。
純粋…風の、したたか?

本当に純粋なのは、
いつでも心揺り動かされる男性のほうなのかもしれない。

このドラマは、少なくとも1話は、必ずしも女性が羽村隆夫に恋するようには作られてないように思える。
どっちかというと「ばかじゃねぇの!」みたいな、イライラした気持ちを駆り立てるというか。
でも、「そっち行っちゃだめ!」
みたいな母性本能が、もう2話・3話…と、むくむくしてくるのです。
そして、フィアンセが渡辺典子さんという妙なエロさと違和感にも、「あーあー」なんて冷ややかな目を、平和ボケした羽村隆夫に向けてしまう。
そのくせ、「おいでよ」なんて、繭っぽく上から目線の母性で言いたくなってしまうぞ!!

そして、毎回必ず2、3は語られる羽村隆夫のポエム風独白。

運命はほんの小さな出会いで変わると、人はよく口にする。

平凡。それこそが僕の理想だ。

いやぁ、萌えすぎ・燃えすぎかもしれません。

でも繭を見てると、もっともっと人生にまっすぐ熱くなってみてもいいかもしれないと思えてくる。
でもこんなまっすぐさは怖いなとか、それでも、まっすぐさでもって伝えてみたいなとか。
羽村先生の優しさも。
いろんなものを受け入れすぎちゃうと、あなただめになるよ…って忠告したくなるけど、それでもきっと手を差し伸べてしまう羽村先生。
やっぱりこんな男性、第一印象は、どんくせーって思っちゃうんだろうな。
そのダメさと優しさにどんどん引き込まれていく物語なのです。

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