スローな武士とミュージカル

NHKで放送されていた「スローな武士にしてくれ〜京都撮影所ラプソディー」をやっと録画で見ました。

最近は星のことをなかなかテーマにできず、そんな気分じゃないような・コロナと無関係のようでいてありそうなこのところです。
今回もまた感想文。
ちょいちょい星も散りばめてみます。

この「スローな武士にしてくれ」
タイトル聞いたときはなんか恥ずかしかったけど、素晴らしいドラマでした。
この数年の中で最上のものを見た感じ!

 

ストーリーとしては、アナログ感満載の京都撮影所と、最新機器を駆使するNHKとで時代劇をコラボする物語。
映像実験的なドラマだと思ってました。
しかしストーリーがまた素晴らしい。
大ベテランの役者さんが多く出演するドラマってどうしてこんなに楽しいのでしょう。

立ち回る里見浩太朗さん(射手)をちゃんと見たのは初めてだったかもしれません。
美しい。。
監督役・石橋蓮司さん(獅子)の「カァーーーッツ!」っていう叫び声のすがすがしさと、ずっと漂うコミカルさ・ドラマチックさ(獅子的!)
本田博太郎さん(水瓶)のいちいち外すコメント、体張るカメラマン役(水瓶的個性!)
そして撮影所の所長は伊武雅刀さん(牡羊)。
はんなり京都弁からにじむ薄情さと不思議なあったかさ(やりまひょ、と牡羊的に何でも飛びつく)
そして空中に浮くドローンにベテラン陣が「おぉぉぉ…」とみんなでおののく姿の可笑しさ。

その中で可愛がられつつ小馬鹿にされてる斬られ役俳優が内野聖陽さん(乙女)なんだもんなぁ(乙女的に殺陣の完璧追求&小心者)
殺陣は一流なのに、台詞がてんでだめ。声が裏返っちゃうという情けない役が、いつしか内野さんにぴったりになっちゃって。
妻役が水野美紀さん(蟹)というのがまた嬉しい(蟹的地元の大福屋&愛妻弁当)
水野さんはアクションの修行をされてたんですよね。
それを知って当てたような「くノ一やらせたら日本一」の元女優役は、「アクション女優は清野菜名さんだけじゃないよ!」という声なき声をもしや拾ってくれたんじゃないかと(錯覚)。

何よりワクワクしたのが、ところどころ「蒲田行進曲」が散りばめられてたところ。
他にも有名映画のオマージュがあったようですが、とりわけ私の大好きな映画がこうやって使われるということは、やっぱ「蒲田」は素晴らしき日本映画だよねぇという改めての感慨。
(写真はHPより)

またNHK職員役の柄本佑さん(射手)ですよ!
こってりアナログおやじがエバる京映の中でも、ひょうひょうとしたマイペースさを崩さない器用な現代っ子(柔軟性と楽観性がいかにも射手)
だけど「階段落ちのシーンどうしようか…」と撮影のことで頭がいっぱいになるんだから、良質な時代劇を完成させたいという熱さは誰も一緒で。
そのほかラオウ役の藤本隆宏さん(蟹)とか、名前は知らないけど助監督役とかドローン操縦者とか、見てるだけで楽しかったです。
伊勢志摩さん(獅子)の記録係役も、「いそう!」ってな感じがなぜか笑えました(佇まいのドヤ感とコミカルさが獅子)
内野さんと中村獅童さん(乙女)の熱い喧嘩もほんと今時アツすぎるけど、ベタな焚きつけってやっぱ目が離せない(内野さんの奥さんをずっと好きだった乙女のこじらせ!)
スマホの手も止めて膝抱えてました。

というのも私は先日、とある映画のエキストラに参加してきたのです。
ドラマでは石橋蓮司さんのお名前から「国重組」とチームが名付けられてましたが、あれまさにそうだった。〇〇組。
「カーーーット!」「オッケェーーイ!」と監督が叫んだ時の全体の安堵感。
映画を作るなんてあんなに労力もお金もかかること、今の若者は果たして目指すだろうか?と思っちゃうほどスタッフの動きは複雑で大変そうだった。
何もないところからストーリーを生み出し、それを立体的に仕上げていくことの途方も無い労力。
それでも映画を撮りたいという熱意はどこから湧くのだろう?と正直思ってしまった。

だけどこのドラマを見ると、「とにかく好き」これしかないんだろうなとわかった気がしました。
あれ、好きじゃなくちゃできないですよ。
数年前に広瀬すずちゃんが音声さん?だかスタッフに「なんでこれをやりたいと思ったのかわからない」と発言してバッシング騒動になってましたが、すずちゃんの発言わかる!
女性が重くて長いマイクを持って動き回ってて、どうしてこれがやりたいと?と私も問いかけたかった。
しかもみんな美しかったのです。キラキラしてるというか。
なぜ裏方に?
それは表舞台にいるすずちゃんからしたら、見下すのとは真逆のリスペクトが込められているはずと思うんですよね。たぶん。

私のこれまでの世界には、映像制作に関わるなんてこと1ミリもなかった。
だけど数年前からこういう世界に関わりたいと、舞台やライブを見に行くたびに疼いてしまうのです。
けど、今の私の生活がその道に通じてると思えない。
たった数回のエキストラは、ものづくりにかかわる人の壮大な夢に触れたという強烈な体験でした。
だから余計に「スローな武士」を楽しめたんだとも思う。

 

金曜日にはミュージカルを観に行ってきました。
「ホイッスル・ダウン・ザ・ウインド」
三浦春馬さん(牡羊)・生田絵梨花さん(水瓶)主演です。

行くかどうか本当に悩んだ。
いっそのこと公演中止のお知らせ出てくれたら安心するのにと。
そしたら土日の公演が休止となり、金曜日が急遽千穐楽となってしまった。
これも何かのさだめかと思って姪っ子と行ってきました。
そしたら空席がずいぶん目立ってて…。
やっぱり心配な人多いでしょうね…遠方から来る予定の人もいただろうし。

しかし、いやぁぁ…行ってよかったです。
こんな感想も呑気すぎるかもしれませんが、舞台終わりに座長の三浦春馬さんが客席に語りかけてくれた、声を詰まらせながら。
生田さんも涙を拭ってた。
だってこの方たちのミュージカル・千穐楽が空席だなんて…。
しかもたった8日しか公演を果たせずに休演決定。
地方公演はまだなんとも言えないとのことです。

「エンターテイメントは、観てくださるお客さんがいなければ成立しない」

三浦春馬さんはそう言った。
エンターテイメントに携わる人はこんな状況になると、その意義とかを考え詰めちゃうと思う。
音楽、芸術、スポーツとか、こういう非常時に真っ先に切り捨てられてしまうと、携わる人はよく口にするけれど。
「元気をもらう」とか言われやすいこれら、私は果たして元気をもらいに行ってるのか?考えると、そんなはっきりした意図はない。
理屈じゃなく「あ、行く(行きたい」」ってチケット取っちゃうんですよね。
もちろん経済的に行ける現状ではあるけど、自分の元気どうこうより「会いたい」とね。
春馬に会いたい。生田さんの声を聴きたい。

そんで生田さんの声がまた本当に素晴らしかった!!
松たか子さんに匹敵するような福音感というんでしょうかね。
声が真っ白。
って透明?黄金?天使の声。
心も真っ白なんじゃないかと思わせる。
春馬さんはまたしても!追われる罪人の役。
牡羊・天秤の方は山羊座T冥王星スクエアの影響からか、大きな困難立ちはだかる役でとても輝くこの時期です。

自分のことを「ケダモノ」と歌う春馬さんの声は、全身から汚いものを吐き出すような野太いイガ声。
生田さん演じるスワローは、春馬さんのことを「イエス様」と信じ込んでしまう。
クリスマスの日に納屋に倒れ込んでた春馬(いっそ呼び捨て・役名なし)。
スワローの願いは「死んだお母さんがよみがえること」
その願いを叶えるためにきっと私たちのもとに舞い降りてきてくれたんだ…と。
本当は刑務所から脱獄した殺人犯。
春馬がスワローの清く白い手を振り払っても、スワローは美しく歌いながら腕にしがみついてくる。
「この人は神よ…!」と信じすぎ・トチ狂った生田さんというのはかなり見もの…というか、生田さんは優等生役が多い印象だけど、信仰深すぎる役がなんともぴったり。
そのいじましさに泣けてくるほどでした。
「ち、違う、オレは…」と後ずさりする春馬の手を取る福々しさ…。
生田さんは魚座持ち?と思いましたが魚座に星はなし。
水星と金星が山羊座。
確かに、っぽい優等生感はありますね。スワローも長女でした。
火星が天秤座でテイルと合。
しょうもない境遇の男前に身を捧げる役がやっぱり合ってるのでしょうか。
地球星座獅子座的に、これからもどんどん重要な主役を務めていかれると思います!

子どもたちの歌声がまた泣けた…。
とってもわかりやすいストーリーだったのは子どもが重要な位置を占めてるから。
子どもが体を張って春馬を守る!
あと生田さんに想いを寄せる遊び人・エイムス役の東啓介さんはとても高身長・スタイルがよくて素敵でした。
エイムスの彼女役・キャンディの鈴木瑛美子さんがまた素晴らしい歌声!
拍手が誰よりも大きかった。
なんと初ミュージカルとのことでびっくり。

一つ難を言えば、三浦春馬さんの役柄が脱走犯ということで身なりがボロボロ(笑)
遠くからあんまり三浦さんに見えなかったのが残念。
せめてポスターぐらいのサラサラ髪とシャツの白さ、あと役でもサスペンダーだったらちょっと可愛らしかったんじゃないかなぁと思いました。
終演後にステージ出てきたときの白い歯スマイルでやっと「あぁ春馬…!」と感じられた。

↓三浦春馬さんの汚さ(笑)と皆さんの美声はこちら

 

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