新朝ドラ「舞いあがれ!」が始まりました。
まだ3話だけど、「これこれ!!」という爽快感・安心感を久々感じまくりました。
なんなら第1話から「これこれこれ!!」という嬉しさ。
これぞ朝ドラですよ。
朝ドラってこうだったじゃないですか。
・「子役の子知らんし」という不安を一掃する可愛らしさ
・1話からうかがえるほっこり&プチ深刻度
・1話から大体把握できる近所&人間関係
・マイナー部分への光
(舞いあがれ!HPより)
舞ちゃん役の子がとにかく可愛いです。
「すみちゃん」ってウサギだったんかい!!という脱力&切なさ。
しかも「いつも隅っこにいるウサギだから」という命名理由。
そんな舞ちゃんはしょっちゅう原因不明の発熱で寝込む子という、奇しくも「ちむどんどん」歌子と同じ病気。
舞ちゃんは主役だからか、その病に家族が向き合うことがまずメインに描かれます。
発熱でふらつく舞ちゃん
(舞いあがれ!インスタより)
朝ドラのみならず、基本NHKドラマって「マイナー部」に光を当てる・当てまくる良作が豊富ですよね。
「舞いあがれ!」はまだ3話だけど、その「マイナー部」が浮き上がりまくってます。
発熱で学校を休みがちの舞ちゃんのみならずお母さんですよ!
舞ちゃんへの心配で心を痛める日々の中、夫の工場での手伝いや受験間近の息子のこと、立ち止まれずにいつも笑顔で乗り切ろうとする。だけどそれも限界。
この限界感がまた永作さん…泣けるんだまた…
こんなはじける笑顔の中に闇をまぎれさす永作さんです
(舞いあがれ!インスタより)
永作さんから笑顔が消えることがこんなに怖いのかというね。
しかも母親と長年の確執があるという。
これですよ!NHKの得意分野といえばリアルな社会問題をドラマで描くことなのです。
しかし!
舞ちゃんのためなら縁を切っていたはずの母親とも向き合う。
自然豊かな五島列島で健やかさを取り戻してほしいから。
子どものことももちろんそうだけど、自分の心の問題とこれから向き合う永作さんのストーリーも今から楽しみです。
「ちむどんどん」はやっぱり異質だったと思う。
引き合いに出すのもなんだけど、「マイナー部に光を当てる」ようなドラマではなかった。
でも視聴者は沖縄という最大のテーマに期待を寄せたんですよ。でもその描かれ方は「光を当てる」にはあまりにも一瞬だった。スポットライトというよりサーチライトという感じ。さっと一通り照らしておしまい、というような。
「舞いあがれ!」や、夕方再放送の「ひまわり」と明らかに違う。
BSでは「芋たこなんきん」も再放送されてたようですが、その丹念なストーリーは「ちむ」とたびたび比較されてたようですね。
私は「ちむ」は、朝ドラに極めてよく似せた「朝ドラパロディー」ふうに制作されてたんだろうなと、つくづく感じました。
「朝ドラって主人公がいつも明るくて困難を乗り越えるんでしょ?」
「そんで地元大好きな主人公とその家族の話でしょ?家族はみんな助け合うんでしょ?」
「でもドタバタな災難に何度も巡り合って、それでも夢叶えちゃうんでしょ?」
そういう「朝ドラあるある」的な表面だけを踏襲したパロディー。あれは朝ドラじゃない。マイナー部分を照らして寄り添う気持ちなんてあっただろうか。
朝ドラへの茶化し・冷笑がほの見える。だから多くの人が怒ったんじゃないだろうか。
・母親(父親)はいつだって優しく微笑んですべて許す
・子どもはそんな両親大好き・感謝
・きょうだいは何があっても仲良し
「ちむ」はこれがメインで描かれてたけど、「舞いあがれ!」はこのへん、そうストレートには描かれないようです。
確かに朝ドラってこの3点セットがあるあるなイメージだけど、実はずいぶん昔から母子の関係・きょうだいとの確執は描かれてましたよね。
「親がなんでも許してしまう」というところへの不満は「ちむ」のときあちこちで聞かれたけど、仲間さん演じる優子はそりゃ理想の母親かもしれなくても、あれを朝ドラで見せられると苦しくなる人の方が多いんじゃないのかなと。
三谷さんの大河ドラマが人気なのも、妻とか母が「いい人」にはまず描かれないからというのもありそう。
歴代の朝ドラでも子ども思いの良き母親に描かれてたとしても、貧困や苦労などの闇がたっぷり描かれるとかね。
優子さんも沖縄戦でのつらい思い出という闇はあった。「ちむ」でも感動を巻き起こしたのは仲間さんの独白の回でしたね…
また「ちむ」は、母親・妻・子育て、または女の友情ということに関して「未知!」とお手上げ状態の人がそれを深掘りすることなく描き切った作品だったんだなと改めて思いました。
女の幸せって結婚でしょ?最近では女も夢を叶えるって??という浅い観点で作られたのかと思うほどだった。
病弱の歌子は長い片思いを実らせてレコードデビューもしちゃう。
主人公の暢子は夢を叶えては新たな夢に飛びつく。そばには優しく微笑む旦那。
そういうストーリーに女が本当に心を寄せられると思ってるのかな。そこじゃねーよ!というモヤモヤ。夢とか男じゃねーんだわと。
例えば歌子なら発熱で行動が制限される苦しみ、それが人生のほとんどなのに、徹夜で100食の麺づくりを手伝わせるとかさ…(その直後に瀕死状態。そりゃそうだよ!というネット民の怒り)
業者に頼むから「100」というキリのよさになるのであって、業者トラブルで結局手作りするんなら素人ができる範囲の75とか50食でよくない?と、普通に見てても思うんですよね。それともやっぱり歌子を瀕死させるには「無理をする」という設定が必須だったのかな。あんだけ家族がいて誰も何にも言わない不思議さとかさぁ、そういうおかしなところが本当に多かった。
朝ドラは大河と比べても確実に「女性」というマイナー部分に意図的に光を当てようという試みがずっと続けられてますね。
そんなふうに朝ドラに深く思いを馳せられたのも「ちむ」があったからこそ…という意味では感慨深いものあるけども。
あのドラマはどこまでいってもパロディー風だった。「寅さん」がそこかしこににじんでたけどただの寅さんパロディー。社会問題・掘り下げる・マイナー部(朝ドラだと特に女性)ということに大きな欠落があった。欠落がまるでコントで埋められたかのような。
そういう朝ドラがあってもよかったのかもだけど、ある種のムーブメントが巻き起こったのもやむを得なかったでしょうよね。偉そうに言っちゃったけど、「舞いあがれ!」1話からもう舞ちゃんへの愛がほとばしってたからさ。
舞ちゃんをみんな愛してる・家族も近所の人も幼なじみもクラスメートも。
それが感じられるような第1話を作るってやっぱ相当すごいことですね。あっという間にそんな感動に包まれた新朝ドラでした。
そんで今日のお兄ちゃんへの手作りけん玉…(うぅ…感涙)!
オープニングの福原さんに早速感動しちゃったもんな…(夢の予言かな〜みたいな)
(舞いあがれ!インスタより)
そんでまたここんとこの「鎌倉殿」が恐ろしくなるほどすごい。
こんなのテレビで観れちゃっていいんですか!!?というくらいすごいもの見せられているというか。
オンベレブンビンバ〜♫(泣…)
(鎌倉殿の13人インスタより)
実は脱落してる時期もありました。
菅田さん演じる義経がどうも苦手だったのと、男たちが戦の計画を立てるところはいつも退屈してしまう(脳みそが追いつかないだけ)
大泉さん演じる頼朝の死が迫ってきたあたりから視聴再開しました。
大泉さんといういわば「華」がいなくなって大丈夫なの?と思ったけど、いやもうおもしろさの加速はずっとつきっぱなし。残酷さの加速とも言う。
佐藤二朗”比企”の最期、阿野全成に金子大地頼家、善児に畠山重忠。
そして時政お父さんとりく夫妻退場・・・
このあと、実朝もヤバいよね。今からそれを憂うほど、柿澤勇人さん演じる実朝が愛おしい。
和田義盛もそのうち…?
みんな愛らしすぎます。
「愛」ですね。
制作側の愛をすごく感じる。すごくすごく。
大竹しのぶさんとか、ツイッター見るまで気づかなかった!すごい老女ぶりでした。
どの役者さんにも深いストーリーや人格が刻まれていて、今の心の癒しは坂口健太郎さんと”トキューサ”瀬戸康史さんです。坂口さんは「心の堤防役」がうまいですね〜。父・小栗さんの冷酷さにいつも全力で異議申し立て。また、瀬戸さんがこんなに味出てくると思わなかった!
私はもう晩年の頼家・金子大地さんの美しさに感動しました。あんな若手で(26歳)よくあんな役を演じられたなと思う。40度くらい熱出そう。本当に残酷な展開でした…
若手といえばやっぱ中川大志さんでしょうよ。24歳。小栗さんとの戦シーンには驚いた。すごいものを見た。
小栗さんの2番目の妻役・堀田真由さんも24歳。表現力どんだけ〜!ですよ。
坂東彌十郎さんをあおりまくる妻・りくには毎度イラついてたけど、さすが宮沢りえさん、底力を見た気がした。時政じいのべらんめぇ調が聞かれなくなるのも寂しいっすね…
小池さん政子の良心に望みかけっぱなしですよ。実衣とはなんか微妙な関係だけど、宮澤エマさんだからこそああいう複雑な役を演じられるんだろうな。それにしても阿野全成とのやり取りが愛おしかった。笑えたし泣けました。三谷さんニクいですね!
三谷大河といえばおなじみの山本耕史さん。
どんなおなごにも時を越えてもドヤ顔(笑)
(鎌倉殿の13人HPより)