飲み会行く派・行かない派

この間、私は集まることが苦手と言ったけど、同期会や合コン、上司からのお誘いにはよく参加していた。

それも30代までかなぁ。
40代になってから、お誘いはとんと減ったのもあるけど、明確に断れるようにもなった。
かといって30代のころの参加が苦痛だったわけでもない。
「集まろー」というノリが苦手なのであって、「おし、行くか!」みたいのはわりと好き。

仲間とか職場の先輩とか男女混合で楽しく飲んでいると、誰かがしみじみ「このメンバーで温泉行きたいなぁ」とか言い出したりする。
それは大抵男性で、こうやって書くとキモいけど、あのころは「うんうん」って同感だったし、今うっかりすると私も言っちゃいそうになる。

適度な距離を保ちつつ、時間などの積み重ねである種の濃厚さが築かれたとき、「いい仲間」とつくづく思ったりする。
「いい仲間だなぁ」と思うと、なぜ「温泉」が頭に浮かぶんだろう。
一方で、仲間とも言えないうわべの間柄なのに、だからこそ?「温泉」とか「宅飲み」というイベントで絆を深めようとするのが私は苦手なのかも。
「温泉いこいこー」「そんで親睦深めよー」っていう女性のノリよりも、「いい仲間感」ありきでの、ふわっと頭に浮かぶ「温泉…」という赤面感が好きというか。
合コン後にすぐ「キャンプいこーぜ、キャンプ!」というノリなんて言語道断ですね。
イェーイ!とか言えちゃう友達はもっと信じられない。

 

「飲み会行く派?行かない派?」ともし問われたら、「行く派」かもしれない。
吐きそうな同僚の横でカラオケ歌ってたりとかビクつくこともあった。
中身のない話をいかにも興味ありそうに深夜までうなずき通しだったこともあった。
この間、親戚のおじさんと久々会ったら、おじさんの武勇伝は尽きなかった。
それでも、「嫌じゃない」と思う。
そりゃ「集まろう」というおじさん発信の企画が出た時はうんざりしたんだけどさ。

 

「行かない派」ときっぱり・はっきりしてる人もいると思う。
そういう人は本当にうんざりした体験ばかりだったんだろうし、みんな帰ってからやること何かしらあるだろうしね。
飲み会が「無駄なこと」に仕分けられるはっきりした理由がありそう。

大谷翔平選手はじめ、最近の20代・30代は本当に飲みに行かない人増えましたね。
それはそれで、ある意味尊敬するとこもある。
「流されない」と自分で決めて実行するって、勇気あることと思うから。
酔っ払いだらけのあのムードに一切侵害されない個性って、それはそれで光り輝いてる。

 

建設会社に勤めていたときは、まぁ飲み会が多かったですね。
工事現場は特に月1回、お神酒を交わす行事があるから、事務所内で軽く飲んだ後「行くか」という流れになりやすい。
女性1人だけの現場だったとき、抵抗なくついていったある日。
異動してきたばかりの若手男性から「偉いね」と言われた。
彼は「行かない派」だったようで。
普通の居酒屋へ行ったあと、上司は行きつけのスナックにも我らを連れて行く。
そこでも彼に「偉いね」と言われた。
確かに帰ったってよかった。
自分はそんなお金払わなくていいはず、と思ってたからついてったんだっけ。
でもそれだけじゃない独特の時間・空間にまだいたかった。

あと女性1人だから気楽だったのかも。
1人だから、私の所作に目を光らせる人はいない。
男性上司は、小さなことでも目を細めて「ありがとねー」と言う。
はたまた「俺が作っちゃる」と鼻息荒く鍋奉行を買って出るおっさん。
どの居酒屋にもありがちな風景、その安っぽい空間を私は気に入ってた。
彼らは今も健在だろうか…なんてことまで思っちゃう。
肝硬変になってないだろうか。それくらい飲んでいた上司たち。

かといって、同じメンバーから「集まるべ」って連絡来たら「うげー」とまず思いそう。

・複数女性との集まりは苦手
・若い男女のノリノリ飲みも苦手
・おじさんとの飲みは心地いい
・気のおけない仲間とは温泉行ってもいい

整理するとこんな感じか。

この間の親戚の集まりでもそうだったけど、おじさんは「話を聞いてくれる年下女性」に飢えてるんだなとつくづく思った。
おじさんは80代。私は40代。
おじさんは現役バリバリで働く上司みたいだったし、私は素直な新人みたいだった。
私はあのころみたいにトボけて目を丸くする仕草を繰り出し、それを見たおじさんたちは「おいおい!まいったなぁ〜」と頭をかいて笑う。何が「まいった」かわからないまま私も笑う。
はたまたいきなり「おい!体は大事にしろな!」と説教口調。
「は、はい!」と新人ぶってみれば、「うむ!ガハハ!」
・・・あとでどっと疲れたけど、心地よい時間だった。

おじさんって今世の中から嫌われがちだけど、おじさんから吸収したことはいっぱいある。
それが何かと言われても言語化できないけど。
文字にすればうっとうしさしかないおじさんたちとの飲みが楽しく成立したのは、狭い事務所で一緒に働く仲間だったからかもしれない。
仕事外でも一緒にいたくありませんよっ!って神経の方がはるかにまともだろうけど。
だって翌朝も酔っ払ったおじさんと顔を合わせるわけで。

女性同僚との仲間飲みにも楽しい思い出はあります。
でもメンバーが変わったりするとバランスが崩れやすい。
なんか政治力発揮しだす女がいるんですよ。
人の弱点を見つめてたり、誰かへ媚びまくったり。
純粋な楽しさがいつの間にか消えて、警戒心ばっかり本音が言えなくなるうわべの笑いと肯定感。

全部含めて「楽しかったね」と言えなくなったとき「また行こう」と誰からも上がらなくなる。
誰からも上がらなくなるならまだましで、違和感抱いてるの自分だけかも?と思った時がつらい。
あの子誘いたくないんだけど…と誰かに言えば悪口みたいになる。
だから「私はちょっといいや」となっていく。
それが私の「行かない派」の始まりだったかもしれない。人のせい!

いや、女性って「みんないい人」というムードが好きだからさ…
それに救われることもあれば、「んなわけないでしょ」と思うけど、なぜか誰とも共感し合えないことがあるのが苦しい。
良い疲れにならないものは避ける。
良いかどうかなんてもうわからないから、ひとまず避ける。
自分のどこかのスイッチをなんかいい工夫で切り替えられれば、どんな集まりも楽しめそうなんだけど、今もう考えるのも疲れちゃうってのも時代ですかね。

 

 

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