本が片づかない

今年買ったコンポがすでに本棚のようになっています。

音楽もちゃんと聴いているのだけど、けど、、
ちびまる子ちゃん6巻をまとめて置いたあの日から、ちょっとしたお気に入り書棚になっています。
それは実家から、「読み返したい本」を何冊も持って帰ってきたから。
おかげさまでここんところの読書ライフは充実してます。

「次はあれだ」と読む順番決めちゃうと、途端に新しい本が欲しくなるのですよ。
「方針を定める」というのはどうも自分に向かないみたい。
この間、本屋で見つけたのは杉浦日向子さん特集本。

漫画家でもあり、エッセイストでもある杉浦日向子さんは、NHK「クイズお江戸でござる」の解説者であり、江戸風俗研究家。
46歳という若さで亡くなられました。
私は杉浦さんの著書ですっかり江戸が好きになったし、前世は江戸人だったんじゃないか…と秘かに思ったりしました。

江戸人の生き方には「方針」などない。
大火の多かった江戸。
3、4年住んでて火事にあわぬ人はいないと言われるほどだったようで、だから江戸人の住まいはとてもシンプルです。
一生のうちで着るものなんて5、6着。家も燃えやすい材質。
捨てるもの何もないみたいな身軽な生き方。
持たない・出世しない・悩まないが江戸人三原則だそうで。

私の一人暮らし歴も10年になりますが、8年ほどは家具を買えませんでした。
家具家電付きの部屋を転々としてた。
ベッドや冷蔵庫といった大きなものを「所有する」ということが重荷でしょうがなかったのです。
「何かがあってそのうちここを離れる」
それは私の観念としてずっとつきまとってるもの。
私の前世は江戸人だったんじゃないかな〜なんて。

けども2年前にやっと家具家電を買いそろえました。
それもこれも、今の住まいを大変気に入ってしまったから。
江戸を感じられる場所に住んでいるのに、「ここに落ち着こう」と方針定めちゃったのはなんとも皮肉なことですがね。

杉浦日向子さんの漫画代表作といえば「百日紅」。
葛飾北斎と、その娘であり助手でもあるお栄の物語です。
お栄といえば、宮崎あおいさんがNHKで去年演じられてました。
(ドラマの原作「眩」は朝井まかてさん著)

お栄は口が悪くて、北斎と住む部屋は足の踏み場もないほどぐちゃぐちゃ。
嫁に行ってもすぐ離縁。火事を見にいくのが好き。
江戸の女性といえば、働き者で尽くし屋のイメージですが、杉浦さんの著書を読むと、このお栄の姿こそが江戸の女性だったのかなぁと思ったりします。
江戸の男性は8割が生涯独身だったようで、嫁をもらってこき使うなんてしたらすぐ逃げられちゃう。夫の方が妻に尽くしてた時代。
家で旦那の帰りをじっと待つってこともなく、ボーイフレンド家に上げちゃったりとか。うーん、理想的。

それを知ったなら、片づかない本もそれでいいように思えた。
杉浦日向子さんの部屋もそんな感じだったみたい。
欲しいものがすべて手の届く位置にある生活。
とかいって数ヶ月後、誰かの何か読んで断捨離最高とか言ったりね。
そんな気配もなくはない。

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