高橋一生さんの余韻

この間の大河直虎のショックをまだ引きずっています。

正確に言うと政次のラスト、演じる高橋一生さんそのものへのショック。

高橋さん!高橋一生さんという人は…!!

ああいう最期を遂げる役を引き寄せた高橋一生さん。
ああいう役が似合うんだと演出側から抜擢された高橋一生さん。
今もっとも人気!とか、そういうのも超えた期待をきっと見事に果たされた。

ただのイケメンとかじゃぁできない演技です!
いろんないろんな役を、おぞましさや屈折感、ここまでの長い時の中でも人の陰を演じ続けてきた高橋さん。
その高橋一生さんの「これまで」も込みで抜擢したんです!という制作者側の熱さまで伝わってきた。

似合うんだな~小野但馬守政次という役が。
屈折していて簡単に心なんか明かしてくれなくていつも一緒にいてくれなくて、それでもずーーっと同じ人を想い続けている。
それがまさに金星天王星蠍座の高橋さんじゃないですか…。

この図は8月20日20時40分ごろ、政次絶命あたりの高橋さんNPT図です。
火星期の高橋さんの山羊座火星の上にはトランジット冥王星も近くにありますが、なんとMCがぴったりこの火星の上に。
”今”が印象的に放送されるという公共感

そして絶命タイムにふさわしく、高橋さんドラゴンヘッドにはトランジット月が乗っかり!その月はP火星とオポジションで!

しかもこのNドラゴンヘッドーT月の位置は柴咲コウさんの太陽の位置であって!

「因縁のある女に刺される図」的な…。

柴咲さんと高橋さんのN火星がオポジションというのは前回も記事にしましたが、ということはプログレス火星同士もオポジションです。

オポジションっていうのがね、敵対関係でもあり、補完し合う仲間でもあり。
しかし逃れられないターゲット感もまた。

「直虎」で、思ってることと真逆の行動をしなければならない運命を生き抜いた政次でしたが、非情な言動しながらも、直虎の顔をチラ見するあの目に、「直虎を守る」という意思までたたえる演技をされてました。

幼い虎松の首を直虎に確認させる政次の表情。
「気づ…いたか?」

ニセ虎松の頭を確認した直虎…その次お前はどうする?
ってチラリ盗み見て、直虎がニセ虎松を抱きしめるとこでひとまず成功。
ほっとしたような高橋さんの心など一見描かれておらず、視聴者に存分に想像させる見事さ。
脚本もそうだけどやはり、高橋さんの表情から浮かび上がるなにがしか。
視聴者はもうずーっと、高橋さんから静かに押し寄せてくる波みたいのに感動してるのであって。

「致し方なし」という外向けの冷徹さと、直虎への渾身の愛という二重の感情。
どうしたらそんなもの同時に顔にたたえられるのでしょうね…。
あのあたりで完全に高橋さんの二重表情中毒になりました。

だけど柳楽優弥さん演じる龍雲丸に対しては、わかりやすい露骨さ。
政次は流れ者に対して当然、上から目線。
そうできる身分ですものね。

龍雲丸も龍雲丸で余裕。
「どうぞ、あっしらを見下してくだせぇ」
盗っ人稼業で地を這うように生きてきた龍雲丸、圧倒的な「下」感、なのに、心奪われつつある直虎の気持ちの推移をただ見つめるしかないなんて、政次、本当つらいことばっかですな!

牢に入れられて処刑を待つ政次を助けに来た龍雲丸。
だけどもう「俺は牢にいる」と、逃げない宣言・死ぬ宣言。

龍:あんたがいなきゃ、あの人ダメになるぜ!
政:お前がいるだろ…

このセリフを吐いた時の政次の嫉妬チラ見がうれしかったのなんのって。
それはきっと、処刑を覚悟している絶望の中にも「嫉妬」という生命力を感じたからなのです。
でも嫉妬じゃないかもしんないかな。
処刑寸前という、自分こそが龍雲丸より下にいる現状、龍雲丸に花を持たせようとしたのか、どうか。

「地獄へは俺が行く」

このあたりから、政次一生さんの表情の中に狂気も浮かんできてました。
虎松の首は虎松じゃなかったけど、じゃぁ誰のもの?って。
村の子どもを1人殺めたのです。
おそらく余命いくばくもない子ども。
時代が時代でも、身分が身分でも、大河的には転落の始まりみたいな雷鳴の中で吐き捨てた政次。
地獄は確かにあそこから始まったのかもしれません。

こういう役をね、どういう顔して演じたらよいものか。
高橋一生さんなら狂ってくれる。
そういう期待もよくわかります。

しかし高橋一生さんは、いつの間にあんなにソフトな表情をたたえるようになったのでしょう。
もとよりNHKは、大河や朝ドラに出演されてた役者さんの「素のさわやかさ」を照らすのがとてもうまいと思ってます。

高橋一生さんが出られてた「家族に乾杯」見ました。
また涙袋たたえながら市民に人懐こくね。
「僕もお花見に参加していいですか?」

これを好青年然とした高橋さんに言われたら、誰が断れますかっての!!

出会った男性と奥様との出会いもいいお話で、まだ未婚という高橋さんが羨ましそうに、人懐こいタレ目からあふれさすのは欠け感。
まゆげは終始ハの字です。

ただ、これ見てなぜか「こわっ!」って思った。

ある時は、柳楽優弥さん土曜スタパに出演の折。
高橋一生さんからメッセージ届いてますってことで、ビデオレター形式で柳楽さんのことを語る図。

意外にも笑顔が少なかった。
ほぼ真顔すぎる真顔で、どれだけ柳楽さんという役者さんと真剣に向き合ってきたか、見つめてきたかがうかがえるような。
普通の人みたく微笑むことでいろんなことごまかさない、今だけはという真面目さの中に、でもうっすらインサートの涙袋スマイル・きゅっと上がる口角にへこむエクボ。

やっぱこわっっ!!

確かお友達の森山未來さんも、あの笑顔に胸がざわつくということを「おしゃれイズム」かどこかで話されてた。
だから役とかじゃなくて政次じゃなくっても、あの人ははっきりとしたコントラストを、秒刻みで顔面上くるくるさせてる方なのかもしれません。
天使と悪魔が同居っていうのかな。
それがすっごい怖い。
金星蠍男子め~。

こんなにつらつらと書いちゃった。
正直「カルテット」がなんだったんだと思うくらいの政次の壮絶さ。
あの人は今風の役よりも、クラシカルで古典的な役の方が輝きを放つ気がします。
やっぱ火星が山羊ですからね!!

「真田丸」も、熱く感激してました、確か。
でも色気と哀しさが政次・一生さんに溢れてて、その色気部門では真田丸より直虎に軍配です。

あの夜はブログ書き上げても眠れなくて。
高橋一生さんという人が醸し出す哀しさに胸打たれて。
まだ全然言い足らないもやもやを、存分に吐き出したかったのでした。

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