俺の話は長い最終回の満

今クールはいいドラマが多いです!

つい感想ばかり綴ってしまいます。
「俺の話は長い」最終回の録画を見終わりました。
途中からでしたが、むちゃくちゃいいドラマ。
また生田斗真さんがスウェット似合うんだ…これがまた。
そして何かしら食べながら理屈ばっかこねる。

 

この満という役は、生田さんドンピシャと思いました。
当て書きでしょうか。
他の役者さんだと理屈こねる部分でチャンネル回されちゃうと思う。
しかし満よ、なんでこんなふうになっちゃたんでしょうね…。

それは小池栄子さん演じる姉が遠因であるはずで。

気の強すぎる姉。
満は小さい頃からこの姉の攻撃・口撃をダイレクトに受けているはずで。
それでも姉を避ける生き方じゃなく、満も口撃でなんとか勝る方面に向かった。
よく聞けば姉はただ感情的なだけで論理が破綻してる。
なーんだ、たいしたことないじゃん。姉だからって。

姉は安田顕さんとは再婚で、前夫には逃げられたという。
前夫との間の娘・春海(清原果耶さん)は登校拒否だし反抗的だし、安田顕さんも小池さんの強さに疲れてしまい、「従順」しか選択肢がないような現状を静かに受け入れていることを満に漏らしたり。

(あんだけ自分を攻撃してきた姉ちゃんの、何がそんなに偉いのさ…)
(姉ちゃんの今の現状、しょせん自分が撒いた種だろ…)

これは末っ子の私が勝手に描いた想像。
たたかれるほどにどこか歪んで強くなっていく満を、どうしても自分と重ねずにはいられません。

だけどお母さんはいつも満の味方!
原田美枝子さんがまた素敵でした。
息子がいれたコーヒーが何よりおいしい…。
満が愛されるのも、激しい喧嘩が多くても不幸にならずに済んだ岸辺家も、このお母さんの全肯定スタイルゆえと思うのです。

最終回、グッときたところが3つほどありました。
・ポラリスの常連客、西村まさ彦さんの満へのツッコミ
・安田顕さんの涙
・満への沿道からのエール

西村まさ彦さんは未亡人の原田美枝子さんに想いを寄せているけれど、どこかずっとこじらせたおっさん。
満は「こんな大人になりたくねぇ」というところを露骨に出すんですよね。
西村さんはそんな満に本気で怒ることもないけど、わりと率直に向かい合う。

お前ってずっと否定してばっかりなんだな

ここからドラマの流れが実にささやかに変わっていった気がしました。

満ってこれまでずーっと「一理ある」というぎりぎりの正当さで人の反論を封じ込めてきた。
だけど結局ずーっと人の否定ばっかり。
私もここで「あ、そうだわ」と思ったし、満も「正当な主張」じゃなく「ただの否定」「ニートのマウンティング」と自覚したような一瞬の顔。
満が最後に就職面接に向かう決意につながったようにも思うのです。
もちろん姉一家の引っ越し、小池栄子さんや安田顕さんからの愛情・信頼をがしっと受け取ったこともきっかけだろうけど。

いつもあんなに強気の姉が。
春海が学校に行くようになったのも、春海と安田顕さんと心が通じるようになったのも、安田顕さんがタクシー運転手になろうかなと少しだけ未来を描けるようになったのも、満がずっと家にいてくれたからこそなのかな…と素直に受け入れられた姉。
ニートの弟なんて肯定するとこ一個もないじゃん!ってこの間まで本気で思ってたのにね。

「ありがとね」

私もいつも姉に先に謝ってもらってた…と、ここでも自分を重ねたんですよね。
お姉ちゃんがすごいのは、そうやって先に折れることができるとこ。
世の中の姉ってこういうとこちゃんとしてんだよなぁぁ。

そして安田顕さんですよ。
あんまり上手な写真撮れなかったけど、春海に初めて「お父さん」と呼ばれた時の何とも言えない表情!
これはすごいシーンでした。
春海のツンデレがまたいいんですよね〜…

そしてエンディングの描き方に感動!なのです。

最終話の冒頭ではマラソン大会のポスターがアップ。
「満が挑戦するの?」と思ったけど、もちろん走るわけがない。
面接の日とマラソン大会が奇しくも同じ日になり、満が家を出たらランナーが目の前走ってて、緊張感に水差される感じ。
私はここで「面接やっぱやーめた!だって人がせっかくやる気になってんのにそれを目の前で折られたんだぜぇ??」クドクドクド…ってなるんじゃないかと予想した。
けど、満はゆく!
橋の上通って、おそらく住まいの北千住から荒川沿い通って隅田川渡って…。

たぶん姉ちゃんの新居は南千住あたりで、マラソンランナーの応援に家族で出ていた小池栄子さんたちがスーツの満を発見。

「頑張れ〜!」

ランナー応援するふりをして、仲間みんな満を応援していた。
このシーンはすごい…あのひねくれ者の満には、こんな間接的なエールが一番いいんだってこと、みんな知ってるところがまた…(泣)
あとで満に「あれ迷惑だったなぁ」とか言われても、「はぁ?何言ってんの?マラソンの応援だから。あんたにエール送ってないから!」と言うはずの姉。

安田顕さんのバンドが奏でる「炎のランナー」がド下手でまた…。

ニートの満なら、ド下手演奏を茶化すことでまた上に立とうとしてたはず。
しかし橋の上の満は泣いていた…。

「頑張れ〜!!」
聞き慣れた声にはっと振り向くと、マラソンに挑戦している元カノ・倉科カナさんからの逆エール。
やっぱ人生輝いてる人はマラソン走るわけですよ…。
倉科カナさんは満にとってなんだかんだ大切な人だった。
なんたってバーテンダーの杉野遥亮さんに託した2文字のエールと、町の占い師からのメッセージがシンクロするというのだから。

杉野さんめっちゃイケメンでした。
トップコート所属。中村倫也さんと同じ事務所です。
あそこ今すごいですね!
太陽乙女、月蟹、金星天秤。やっぱ金星天秤は麗しいんですよ。

最後、面接会場ではこの顔でまたクドクドやっちゃうんだけどね!
「周りがどうしてもって言うから今日来たわけで…7万もするスーツで…」
不採用決定!!!(たぶんね)

 

最近のドラマは、漠然と幸せになることがエンディングじゃなくなってるんですね。
リア充にすらならない。
ダメなまんま終わる。
ちょっとだけ明るさをほのめかして。
結婚エンディングでハッピーというドラマはどんどん減ってるでしょうか。

大体が人の日常なんて、恐ろしいほど何も起こらないことの連続で。
ドラマなんて半年に一度あるかないか。
失敗ばっかり。愚痴なら毎日でも湧いてくる。
まさかそれがドラマになるとは…という驚きと感動がありました。
昭和からなんらアップデートされてない風景が懐かしくて。。

私が「男って弱いな…」と感じるのは、「人の話を聞きたくない」というポーズを突きつけられた時。
そういうポーズの男性が実に弱い…とも言えるかも。
理論武装してとりあえず否定。
そのくせニートだ?社会が悪いだ?上司がウザい?
「そうなんだ〜」という吸収力や柔軟性が弱いだけじゃないかなと思う。
満はね、だからどんどん変わっていったんだなぁと思った。
「ふむ…」って思ってからいつも展開が変わる。まろやかになる。
安田顕さんは「そうなんだ〜」おじさん。それでも解雇されたけど…。
男性は最悪なことに陥る前に、まず「そうなんだ〜」と思ってみればいいのにと思う。
そのクッションがないまま社会性を失って1人絶望して、そこから極端な破滅に向かう人が多いからさ。

また長々綴ってみました。
心を寄せられる…!と思えるドラマとの出会いは喜びです。

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