恋愛成就のために

恋をするというチャンスは何度かやってきたりする。
成就しなければ、また数年後に恋したり。

ところが「また似たような人だ」という人を好きになる。
同じ問題にぶち当たる。
「そんなことはない。私は同じ轍を踏まない」という人もいるでしょうね。
あと女性の場合、「父親と似たような人は選ばない」とか。
この「親」というのが恋愛において結構カギなのでしょう。
心理学でもよく言われている。

私がこれまで好きになった人には共通点があります。
1・結婚願望なし(責任回避傾向)
2・音楽好き(こだわりあり)
3・周囲から浮くほど無邪気・子供っぽい
4・男性性回避型(非上昇志向型)

これ全部、父親のこととも言える。
2〜4は愛すべきとことしても、今度こそ1と真逆の人と出会いたいと思ってましたよね。
しかし、そういう責任感タイプ(俺が守る!)みたいな人は4の真逆タイプになりがちというわけで、4タイプが好きなら1の傾向はほぼセットなんですよ。4の真逆を好きになることもあんまない。

宮藤官九郎という人は私にとってかなり理想で、見かけあんなに責任回避しそうなのに家族いるし(結婚も早い)、仕事ぶりからしても責任感バリバリある人ですよね。
ああいう人いないもんか、劇団員と出会いたい…と38歳ごろよく思ってましたが、そこが自分の短絡的なとこであって、そこいらの劇団員が責任感あるわけもなく(たぶん)、クドカンもヒモっぽかったんじゃないか。
奥さんも年上だし、クドカンがどんなんでも「あたしが面倒みるわよ」ぐらいの度量だったんじゃないかと想像してみる。

「この人を好きなんだ」と決めたら「ありのままを愛す」ことが自分の課題の気がしてきました。
それは我慢して愛すとか、欠点に目をつむることじゃない。
うちに迷い込んだ猫がどんなんでも受け入れる覚悟のような。
猫のわりに顔が長くても、しょっちゅう吐いてしまう猫でも「そんなんじゃ要らない」と外に放り出すことはしない。
自分にそれくらいの情は備わってるのに、こと人間の異性となると過剰な期待をかけたり、損得やリスクを計算して、「ダメだ」とか「不安だ」とか泣いたり怒ったりする。

今でも父親を「ダメ」とかジャッジする気持ちが、恋愛においての大きなブレーキになってたのかも。
それでも潜在意識は愛し直したくて、顕在意識をよそに何度も似たような人を見つけ出しては引き寄せてくる。
そのダメ出しの厳しい顕在意識というのは、母親から形成されたのかもしれません。
「子どもを責任持って育て上げなきゃならない」という母の気負いはもっともで、その母を失望させる父は社会的に「ダメ」と言われてもしょうがない。
子どもとしても、母に同調しないことで母を怒らせるのは避けたいので、「社会的に正しいこと言ってるほう」を支持することになる。
そうして自分はまともに育ったんだと思うけど、引き裂かれるような感情と折り合いつけるのは本当に難しいです。

好きな人やパートナーのここが嫌なんだ!と強く思うとき、それは父親(母親)の受け入れ難いとこだったんじゃないかと思いを至らせてみるのはどうでしょう。
やっぱり嫌いだ!と思うんだとしても、引き寄せてきたのは父や母の全面を愛し直したいからなのでしょうか。
このあたりで悩む方は、両親の意見や生き方が真逆だったりして、どっちも愛したいのにどっちかを選ばなきゃ自分はまともに成長しないのでは…という不安が育ってしまってるのかもしれません。
それは恋愛に限らず、あらゆる人間関係で浮かび上がる両親からの影響。
(父親・母親だけじゃなく、自分にとって重要な養育者や、きょうだい関係も人間関係に影響及ぼすでしょうね)

人によっては鬼のような両親・養育者だったかもしれず、愛し直す必要なんてないかもしれないけど、「あの頃どうしてほしかった?」と思い返すことで、当時の自分が癒やされる気持ちになれればいいですよね。
自分を責めるしかなかったサイクルから手を離せればどんなにいいことか。

重要な出会いというのは、「誰かを愛し抜く」ことをやり遂げるために自分が引き寄せてるんじゃないのか。
社会的にどうとか、損得・リスクを超えて愛せるか、それをこの人生で試されてるんじゃないかなと思ったりしました。
その愛するというのは恋愛感情を経るとも限らず、「責任持って受け入れ抜く」ということなんでしょうか。
友達だと、「受け入れ抜こう」というライトな覚悟ってすでに備わってたりしますよね。
恋愛もそんなライトさでいければいいなと思う。
ただ、愛し抜いた先に結婚があるわけじゃないかもしれない。
でもその成就の形は自分にとってしっくりくるもの、のはずという希望というか楽観性を持ちたいですけどね。
誰かを愛するにあたって社会性フリーでいられるかどうか。
…そんな尼みたいな悩み方をしなくてもいいのか。
愛し抜くとかよりも生活のこと第一でパートナーと歩めれば、それもまた成就なんでしょう。


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